更新日: 2023.04.11 その他年金

【定年後の不安を解決】年金の問題点と対処方法を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【定年後の不安を解決】年金の問題点と対処方法を解説
働いて老後資金をある程度貯めてはいるけれど、定年後に年金がもらえるかが不安だ、と感じている方も多いでしょう。年金は現役世代が納める保険料から支給されるため、少子高齢化が進んでいる状況では受け取れなくなるのでは、と心配になるかと思います。
 
ここでは、年金の問題点と対処法について解説します。老後の生活を安定させるために、今からできることを始めましょう。
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年金に潜む問題点とは?

収入がゼロになる定年後は、年金をもらうことで生活費を賄えます。現役時代に年金を納めておけば問題ないと思われるかもしれませんが、年金には知っておきたい問題点も潜んでいます。ここでは、年金の問題点2つを解説しましょう。
 

(1)少子高齢化

現代の日本は少子高齢化が進み、年々出生率は減少傾向にあります。2022年には出生率が80万人を下回っているため、今後も減少していくかもしれません。
 
年金は、現在働いている人たちが納める年金保険料と、国庫から支出される財源で支給されています。少子高齢化が進めば保険料を納める割合が減ってしまうため、年金額がどんどん減る恐れもあるでしょう。
 

(2)未納・未加入問題

国民年金保険料の未納、未加入者も問題として挙げられています。前述したように、年金は納められる保険料から賄われています。未納や未加入の割合が多くなれば財源も減るため、年金額が減ってしまうのです。
 
この問題は、保険料が高額で支払えないほか、自分たちが定年を迎える際に年金を受け取れないのでは? という疑惑が根底にあります。少子高齢化が進んでも問題なく受け取れると意識を変えなければ、未納・未加入者は増え続ける一方でしょう。
 

問題点の解決策は?

年金に潜む問題点をみて、定年後の生活に不安を抱いた方も多いでしょう。年金をもらえる前提でライフプランを考えていても、現段階に潜む問題点によって受け取れない可能性もあります。保険料を納めても無駄なのでは?と疑心暗鬼に陥ってしまうかもしれません。
 
年金の問題点は解決策が考慮されており、政府も対策を進めています。ここからは、問題点をどのようにして解決していくかを解説します。
 

少子高齢化問題への解決策

政府は年金にマクロ経済スライドを導入し、年金の財源と給付水準のバランスを取っています。人口減少に伴い、現役世代の支払い負担は増え、高齢者の受給金額は減ります。国民全体の負担が大きくなってしまうため、未納問題や高齢者の貧困問題がさらに増すでしょう。
 
マクロ経済スライドは、国民が納める「保険料」+「積立金」+「国庫負担」で賄える年金額に合わせて、給付水準を調整するものです。国民が納める保険料には上限を設定した上で、状況をみながら引き上げていきます。積立金と国庫負担もあるため、過度な負担を強いられる恐れはありません。
 
図表1
 

 
厚生労働省 教えて!公的年金制度 少子高齢化にどのように対応しているの?
 
3つの費用に合わせて給付水準を調整すれば、年金の受給不可も避けられるでしょう。
 

未納・未加入問題への解決策

未納・未加入問題の根本となっているのが、年金制度をよく知らない、将来受け取れるか分からないといった若者の意識です。前述したように、マクロ経済スライドによって給付水準は調整され、定年後に年金を受け取れる仕組みとなっています。
 
年金受給への疑心がある層は情報を把握していない恐れがあるため、現役世代への幅広い周知が課題となります。保険料を払わなければ将来年金を受け取れないということを知らない人もいるため、年金についてしっかりと学べる機会を設ける必要もあるでしょう。
 
厚生年金は会社に勤めれば天引きされるため、未納問題は起きにくいといえます。国民年金は加入した上で支払っていく必要があります。制度を知らずに未納扱いになっていたケースも多いため、20歳になる前から知識を得ておくことが重要です。
 

年金の問題を把握して不安をなくそう

年金は老後の備えとして重要ではあるものの、少子高齢化や未納といった大きな問題を抱えています。問題が深刻化すると、私たちが定年を迎えるころには年金制度が破綻しているのでは……と不安を覚えるのも無理はありません。
 
年金が抱える問題は、解決策がきちんと考案されています。マクロ経済スライドはすでに導入されており、日本年金機構は学生を対象とした年金セミナーも開催しています。
 
現役世代が正しく年金について理解すれば、問題は少しずつ解決されていくため、定年後も不安もなくせるでしょう。
 

出典

厚生労働省 教えて!公的年金制度 少子高齢化にどのように対応しているの?

厚生労働省 人口動態統計速報(令和4年(2022)12月分)を公表します

日本年金機構 年金について学ぼう

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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