更新日: 2023.04.18 その他年金

人生100年時代、老後資金はどれくらいあれば安心ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

人生100年時代、老後資金はどれくらいあれば安心ですか?
「老後資金」の貯蓄をしているけれど、人生100年時代、どれくらい資産が必要なのかがわからないとお悩みではありませんか。必要な金額を把握しないまま貯蓄をすると、老後に足りなくなる恐れがあります。生活が困窮する要因となるため、必要な額を定年前に確認しましょう。
 
ここでは、人生100年時代に必要な老後の資金額について解説します。必要な最低生活費や65~100歳までにもらえる年金額もお教えいたします。
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人生100年時代に必要な老後資金額は?

厚生労働省の簡易生命表によると、令和3年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。平均寿命は年々伸び続けており、中には100歳を超えても元気に暮らす人もいます。そこでここでは、65~100歳までに必要な最低生活費について解説します。
 

65~100歳までの必要な最低生活費

65歳~100歳まで生きることを考えたうえで必要な最低生活費は、9744万円と試算することができます。公益財団法人 生命保険文化センターがおこなった「2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》」によると、老後の最低生活費の平均額は23万2000円となっています。
 
月々23万2000円だと1年で278万4000円となり、65~100歳までの35年間で9744万円もの支出になります。
 

娯楽費を加えるとさらに高額に

老後の生活費は9744万円となっていますが、娯楽費を加えると1億円以上必要になるかもしれません。現役世代のときに一生懸命働いた人は、老後にしたいことがいくつもあるかと思います。ゴルフや旅行といった、時間をかけておこなう趣味を楽しみたいのではないでしょうか。
 
娯楽にはお金が付き物で、何を始めるかによって高額の出費が必要になります。寿命まで質素に暮らしていくのではなく、今までできなかったことを存分に楽しみたい方は、多くの資産を保有しておかなければなりません。
 

生活を安定させるには公的年金+αが必須

老後は高額の支出が発生するものの、定年後は公的年金を受け取りながら生活できます。公的年金は夫婦2人以上の世帯がゆとりのある暮らしができるほどの額ではないため、公的年金+αで生活をしていくものだと考えておきましょう。
 
ここでは、65~100歳までにもらえる公的年金額について解説します。
 

65~100歳までにもらえる公的年金額

65~100歳までにもらえる公的年金額は、夫婦2人とも国民年金の場合は約5565万円、夫が厚生年金、妻が国民年金第3号被保険者の夫婦の場合は9428万2440円です。令和5年度4月から受給される年金額は、国民年金は1人あたり6万6250円、夫が厚生年金、妻が国民年金第3号被保険者の夫婦2人では22万4482円となっていることから算出しています。
 
国民年金は1人あたりの支給額が少ないため、夫婦2人分でも厚生年金加入者に比べて受給額も低くなるでしょう。厚生年金加入者は夫婦2人で100歳までに9428万2440円支給されるものの、老後に必要な最低生活費である9744万円には届きません。
 

余裕を持った貯蓄が必要

厚生年金に加入していれば、年金とは別に蓄える資産も少なく済むと考える方も多いでしょう。年金受給額は物価や賃金、経済状況に応じて変化します。少子高齢化が進み、保険料の納付額が少なくなれば、年金受給額も下がります。
 
令和4年度の受給額で計算すると約5565万円や9428万2440円だったものが、今後大きく下落する恐れもあるのです。年金受給額が0になる可能性は低いものの、年金ありきで老後の生活を考えることは危険だといえます。
 
老後の唯一の収入である年金だけでは毎月赤字となるため、貯めておいた貯蓄から補填できるよう貯金をしておきましょう。年金受給額の上乗せができる国民年金基金への加入や、滞納期間がある場合は追納をすることもおすすめです。
 
老後はたっぷりと時間があるため、ゆとりのある生活ができます。安定した生活を送るためにも、余裕をもった貯蓄を早めに始めておきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします

公益財団法人 生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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