更新日: 2023.04.19 その他年金

公的年金は満額だといくら? どういう条件だと満額がもらえるの?

公的年金は満額だといくら? どういう条件だと満額がもらえるの?
老後2000万円問題などから、将来の生活に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。公的年金は、加齢や障害などの要因で自立した生活が困難になるリスクに備えるための制度です。
 
そして、快適な生活のために、できるだけ受け取れる金額を増やしたい方もいるかもしれません。本記事では、公的年金は満額だといくらもらえるのかなどについて詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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公的年金とは

日本の公的年金制度は、2階建て構造となっています。まず、1階部分は、20歳以上60歳未満の全員が加入する国民年金とよばれるものです。国民年金は、職業などによる3つの種別があり、加入手続きや保険料の納付方法が異なっています。
 
農業者や自営業者などの第1号被保険者は、保険料を自分で納める必要があります。2階部分は、会社員や公務員の方向けの厚生年金保険です。なお、老齢になった際は、国民年金から老齢基礎年金、厚生年金から老齢厚生年金が支給されます。
 

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公的年金の満額はどのくらい?

ここでは、老齢になった際に支給される公的年金の満額はどのくらいなのかまとめました。まず、令和5年度の老齢基礎年金について、昭和31年4月2日以後生まれで67歳以下の方は、79万5000円です。
 
昭和31年4月1日以前生まれの68歳以上は、79万2600円です。68歳以上の老齢基礎年金は、月額に換算すると6万6050円となっています。20~60歳になるまでの40年間の国民年金を納めた月数などに応じて年金額が決定されます。
 
そして、公的年金の一つである老齢厚生年金には、満額という概念が存在しません。なぜなら、平均給料が高いほど受給額が多くなる仕組みとなっているからです。ただし、保険料に反映できる給与などの上限があるため、理論上もらえる最高額は月額で30万3000円程度となります。
 
これらのことから、次に示す条件をすべて満たせば、公的年金の最高額としては、月額で37万円程度となります。
 

満額はどのような条件を満たせばもらえるのか

老齢基礎年金で満額もらうためには、20~60歳まで40年間の保険料を納めます。しかし、昭和16年4月1日以前が生年月日の方は、少し条件が異なるので、注意が必要です。この場合、昭和36年4月から60歳になるまでの期間の保険料をすべて納めます。
 
一方、老齢厚生年金の最高額を支給されるには、3つの条件を満たす必要があります。まず、厚生年金加入期間に、常に月63万5000円以上の報酬をもらっていることです。次に、加入期間中に、標準賞与額の上限である150万円以上の賞与を常に年3回受け取ることです。中学卒業後、すぐに就職することや70歳まで上記の条件を守りつつ働くことも条件といえます。
 
さらに繰下げ受給によって、受け取るお金を満額からさらに増やすことができます。繰下げ受給とは、老齢基礎年金や厚生年金を65歳で受け取らずに遅らせることです。
 
具体的には66歳以後から75歳までの間の繰下げた期間によって年金額が増額される仕組みです。ただし、昭和27年4月1日以前生まれの方や平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方は、繰下げの上限年齢が70歳までとなります。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げることが可能です。
 
上乗せされる金額は、老齢厚生年金の額に、最大84%の増額率を掛けて算出されます。増額率は、65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数に0.7を掛けたものです。
 
例として、年金額が180万円の方が75歳まで繰下げた場合、約151万円多くもらえます。一方、受給開始をスムーズに引き上げるための特別支給の老齢厚生年金では繰下げができません。
 

公的年金を満額もらうためには、40年間の保険料を納める必要がある

公的年金を満額もらうためには、40年分の保険料をコツコツと払う必要があります。一方、納付猶予を受けたなどにより満額支給できるほど納めていない方もいるでしょう。
 
しかし、10年以内であれば、後から納付する追納制度を利用することもできます。この制度を活用することで、老齢基礎年金に関するもらえるお金を増やすことが可能です。また、社会保険料控除によって、所得税や住民税といった負担軽減メリットも生まれます。
 

出典

日本年金機構 老齢年金ガイド令和5年度版

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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