更新日: 2023.04.19 その他年金

老後、夫婦2人の生活費は「27万円」!? 年金だけで生活するために現役時代の「年収」はいくら必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

老後、夫婦2人の生活費は「27万円」!? 年金だけで生活するために現役時代の「年収」はいくら必要?
時代とともに年金支給年や定年の年齢は後倒しになっており、また働くことに生きがいを感じる人は多くいます。とはいえ、「できれば老後は働かず年金だけでゆっくりと過ごしたい」と思う人もいるのではないでしょうか?
 
本記事では、老後に年金だけで生活するには、現役時代に年収がいくらあればよいのかについて解説しています。
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老後は毎月約27万円必要

総務省の「 家計調査報告 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯において、月額の消費支出の平均は23万6696円で、税金などの非消費支出も含めると26万8508円、年間の12ヶ月にすると322万2096円です。
 
今回は会社員と専業主婦の妻の世帯において、2人分の年金として年間322万2096円をもらうためには、夫が現役時代にどれくらい稼いでいればよいのかについて見ていきます。
 

夫婦で受け取れる年金

会社員と専業主婦の妻が受け取れる年金は、夫の国民年金と厚生年金、妻の国民年金です。
 
国民年金については、加入期間を全て満たしていれば、満額で年間79万5000円が受け取れますので、今回は夫も妻も満額受け取れると仮定します。この場合、夫と妻の国民年金の合計は159万円です。
 
先に見てきた老後に夫婦で必要な金額は322万2096円ですので、年金だけでこの金額を捻出するには、夫と妻の国民年金の合計である159万円を引いた163万2096円を夫の厚生年金として受け取らなければなりません。
 

毎月27万円受け取るために必要な現役時代の年収

厚生年金は「報酬比例部分」、「経過的加算」、「加給年金額」を合わせた金額を受け取れます。今回はこの中で大半を占める「報酬比例部分」で、条件を満たす年収について見ていきます。
 
厚生年金に加入している期間が平成15年4月よりも後の場合、年間で受け取れる「報酬比例部分」の計算方法は「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入した月数」です。「加入した月数」により、必要な平均年収は異なりますが、今回は20~60歳までの40年間加入していたものとします。
 
この「平均標準報酬額」が163万2096円を満たすには、現役時代の平均月収が63万5000円必要ですので、年収にすると762万円です。
 

年収762万円以上の人はどれくらいいるのか

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、男性会社員の平均年収は545万円です。
 
そして、男性で年収700万円超の人は全体の21.8%です。この中には700万円は超えているものの、762万円には満たない人もいるため、年収が762万円以上の人は男性会社員全体の5人に1人いるかどうかだと思われます。
 

老後年金だけで生活するのは簡単ではない

今回は平均的なデータを元に見てきましたが、老後の生活費である毎月27万円を年金だけで捻出できる、夫が会社員・妻が専業主婦は多くはないことが分かりました。また、生活費の27万円についても、家庭によっては大きく上回ることもあるはずです。
 
自身の老後の支出と収入をある程度計算し、足りない場合は貯蓄する、働くなどの対策を早めに考えておきましょう。
 

出典

総務省 家計調査報告 2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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