更新日: 2023.04.19 厚生年金

厚生年金の平均受給額は「月14万円」! でも受け取れない人も多いって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

厚生年金の平均受給額は「月14万円」! でも受け取れない人も多いって本当?
老後生活の支えとなるのが「年金」です。厚生年金受給者が受け取る年金の平均月額は約14万円となっています。ただし、実際には月14万円の年金を受け取れない人も多くいます。
 
本記事では、厚生年金受給者の平均受給額「月14万円」を受け取れない人が多い理由を解説します。
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厚生年金の平均受給額

まずは、厚生年金受給者が受給する平均月額を確認します。
 
厚生労働省年金局が公表する「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2017年度から2021年度における平均年金月額は、図表1のとおりです。
 
図表1

平均年金月額
2017年度 14万4903円
2018年度 14万3761円
2019年度 14万4268円
2020年度 14万4366円
2021年度 14万3965円

厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成
 
年度によって多少の差はありますが、「約14万4000円」が1ヶ月に受け取る平均額となっています。
 

月14万円の年金をもらえない人が多い3つのワケ

年金の平均受給額は1ヶ月に約14万円ですが、実際には月14万円の年金を受給できない人も多いです。理由は以下の3つとなります。

(1)厚生年金の受給額は人によって差が大きいから
(2)会社員や公務員として働いていない期間があると受給額が減るから
(3)年金は税金や社会保険料が天引きされるから

それぞれについて解説します。
 

(1)厚生年金の受給額は人によって差が大きい

厚生年金は会社員や公務員時代の年収と勤務期間によって受給額が決まります。そのため、平均年収が低い人や勤務期間が短い人の受給額は少ないです。
 
厚生労働省年金局が公表する「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給者分布は、図表2のとおりとなります。
 
図表2

年金受給額(月額) 受給人数 割合
5万円未満 38万8575人 2.4%
5万円以上10万円未満 336万1204人 20.8%
10万円以上15万円未満 497万6556人 30.8%
15万円以上20万円未満 495万2516人 30.6%
20万円以上25万円未満 223万4558人 13.8%
25万円以上30万円未満 25万2220人 1.6%
30万円以上 1万4816人 0.1%

厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成
 
厚生年金受給者で年金月額が月15万円未満の人は、約54%もいます。月10万円未満の人もかなりいるため、厚生年金受給者でも月14万円の年金を受給できない人が多くいることが分かります。
 

(2)会社員や公務員として働いていない期間があると受給額が減るから

厚生年金は、会社員や公務員として働いている期間が長いほど受給額が増えます。
 
一方で、休職・転職や育児などで一定期間会社員ではない期間があると受給額は少なくなります。
 
1970年生まれの人が23歳から60歳まで会社員として平均年収480万円で働いた場合、65歳からもらえる年金は月14万円です。
 
一方で、1970年生まれの人が23歳から25歳まで会社員として働き、その後仕事を辞めて専業主婦(夫)になり、また45歳から60歳まで仕事をしたとき、会社員としての平均年収が480万円でも65歳からもらえる年金は月10万800円となります。
 
会社員を辞めて専業主婦(夫)の期間がある人が月14万円の年金をもらうのは一般的に難しいでしょう。
 

(3)税金や社会保険料が天引きされる

月14万円の年金を受給できたとしても、実際の手取りは14万円よりも少ないです。
 
年金は、会社員の給料と同様に「税金」や「社会保険料」が天引きされます。そのため、年金での家計のやりくりをシミュレーションする際には、額面ではなく手取りで考えるようにしましょう。
 

将来の年金受給額を知ろう

老後の備えを始めるためには、まず将来の年金受給額を知ることが重要です。
 
ねんきんネットなどを使えば、簡単に自分が将来受給する見込みの年金額を知ることができます。ぜひ、将来の年金受給額を把握して老後対策を始めてみましょう。
 

出典

厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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