更新日: 2023.04.21 その他年金

【手取りは8~9割?】年金から差し引かれる税金・保険料や平均受給額を解説

【手取りは8~9割?】年金から差し引かれる税金・保険料や平均受給額を解説
令和3年度末時点で、国民保険の第1号保険者数は1431万人です。前年度から18万人、およそ1.3%減少したことが、厚生労働省年金局の調べにより分かりました。一方で公的年金受給者数は、同時点でおよそ7698万人、前年度末から0.4%増の33万人となっています。
 
国民年金に関する話題は尽きませんが、受給者からは「年金定期便で通知された額より受給額が低い」との声があることも事実です。理由は、老後の年金は税金が差し引かれて支給されることにあります。
 
今回の記事では、年金から差し引かれる税金や保険料、平均受給額をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後の税金は年金から差し引かれる

国民年金の支払い期間は60歳で終了です。原則として65歳から年金をもらえるわけですが、実際に支給される年金額は、さまざまな税金や保険料が差し引かれた手取り額となります。
 
年金定期便に記載されていた額をあてにしていた人は驚くかもしれませんが、年金から税金や保険料を差し引く理由は、高齢者の支払い忘れを未然に防ぐ点にあります。認知力の低下による物忘れを防ぐ、健康上の問題や免許返納により税金を支払うための手間と時間がかかるなど、手間や未納を防ぐことが目的です。
 
同時に、自治体は税金や保険料を確実に徴収でき、地域の社会福祉を機能させるためという側面もあります。年金受給者には差し引かれる税金の情報が、自治体より事前に通知されます。
 

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差し引かれる税金・保険料の種類

国民年金からは、以下の4つの税金と保険料が天引きされます。全ての受給者が差し引かれるわけではなく、一定の条件があるので確認しましょう。
 
・所得税
年金は雑所得に分類されるため、所得税の対象です。所得税の計算方法は次の通り。
 
各種控除後の額×復興特別所得税を含めた5.105%=所得税
 
けれども、65歳未満で年金を受け取っている人は、年間70万円以下であれば非課税です。65歳以上の人も、年金受給額が年間120万円以下であれば非課税となります。
 
・住民税
国民年金から天引きされる税金の一種ですが、65歳以上の受給者で老齢や退職という理由から年金を受給している人のうち、年間の受給額が18万円を超える方が徴収対象です。
 
・介護保険料
年間の受給額が18万円以上の人は、介護保険の第1号被保険者として保険料を支払わなければならないため、年金から天引きされます。
 
・国民健康保険料や後期高齢者医療保険料
国民健康保険料は、65歳以上75歳未満の年金受給者で、年間18万円以上を受け取っている人が対象です。
 
重度障害といった理由から後期高齢者医療保険制度に該当する場合、後期高齢者医療保険料が天引きされます。年金受給者の健康状態や受給額など、状況によって差し引かれる保険料・額は異なります。
 

どれくらいの年金がもらえるの? 平均受給額

年金受給額は、住民税や所得税、各種保険料が天引きされることから、実際に通帳に振り込まれる額は手取り額です。
 
厚生労働省から発表された令和3年度の『厚生年金保険・国民年金事業の概要』では、令和3年度の公的年金平均受給額が報告されています。国民年金の全国平均はおよそ5.6万円、厚生年金の場合はおよそ14.6万円です。けれども、国民年金や厚生年金は法律の規定により変動します。
 
国民年金の保険料を満額払った受給者の場合、令和元年の月額は6万5008円でしたが、令和2年4月では6万5141円と、0.2%の増額となっているのです。老後の生活に関わることなので、国民年金などは変動は毎年のチェックが必要でしょう。
 

まとめ

国民には、年金定期便といった方法でその時点での支給額が通知されますが、いざ受給することになると、実質の受給額は所得税や住民税、各種保険料が天引きされた手取り額です。
 
一方、天引きされることにより支払い忘れは回避されます。滞納することはなく延滞金が発生することもないので、老後の生活設計においてはメリットといえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金から天引きされる介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税の金額はどのようにして決まるのですか。
厚生労働省 年金局 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和2年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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