更新日: 2023.04.24 その他年金

【再雇用】再雇用で働く場合の年金受給は損をするケースもある!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【再雇用】再雇用で働く場合の年金受給は損をするケースもある!
日本では定年退職後に再雇用によって働く人が増えており、年金受給できる年齢になっても働いているケースも少なくありません。しかし、再雇用で働いている場合の年金受給は損をするケースもあるため、どのような状況で年金受給は損をするかについて知っておく必要があります。
 
本記事では再雇用で働く場合の年金受給について解説しますので、自分の収入などについて確認しながら参考にしてみてください。
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再雇用での年金受給について

再雇用で年金受給するケースは原則として60歳以上で関係してきますが、再雇用での給料と受給できる年金額によっては年金額の一部または全額が支給停止されます。厚生年金に加入している状態で働きながらもらう老齢厚生年金は在職老齢年金と呼ばれ、再雇用で一部または全額が支給停止されるのは老齢厚生年金のみです。
 
支給停止されるかどうかの基準は厚生年金の基本月額と再雇用の総報酬月額相当額の額次第で、2つを足した金額が47万円以下であれば問題ありません。ただし、2つを足した金額が47万円を超えている場合は一部または全額が支給停止されます。基本月額と総報酬月額相当額の定義は以下になります。
 

・厚生年金の基本月額 

年金額(年額)を12で割った金額であり、日本年金機構や共済組合など老齢厚生年金の額はすべて足してから割ります。
 

・総報酬月額相当額

標準報酬月額+標準賞与額を12で割った金額です。
 
厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額は人によって異なっているため、自分が在職老齢年金を満額もらえるか、一部または全額が支給停止されるか知るためにも把握しておくことが重要です。
 

在職老齢年金が一部または全額が支給停止されるケース

先述したように基本月額と総報酬月額相当額の合算が47万円以下なら問題なく、自分が好きなタイミングで年金受給を始めてもよいでしょう。一方で基本月額と総報酬月額相当額の合算が47万円を超える場合、以下の計算式に基づいて月額支給停止額が決定されます。
 
・支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)×1/2

実際に総報酬月額相当額が30万円で基本月額が20万円で式に当てはめれば、支給停止額は月額1万5000円で年間で考えると18万円です。総報酬月額相当額と基本月額が多ければ多いほど支給停止額が多くなるため、支給停止額に合わせた対策が必要になるでしょう。
 
合計額によっては全額停止されるケースも考えられるため、しっかりと計算してどれくらいの金額が支給停止されるかについては把握が大切です。
 

一部停止や全額が支給停止されるのを避ける方法

一部停止や全額が支給停止されるのを避けたいと考えているなら、定年退職後の再雇用では厚生年金に加入せずに働く方法が挙げられます、在職老齢年金の要件として厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取るとされているため、再雇用では個人事業主やフリーランスとして業務委託契約で働けば問題ありません。
 
再雇用で働いてから在職老齢年金の計算をするのではなく、再雇用前に働いている段階から在職老齢年金が支給停止されないか確認しておきましょう。
 
繰下げ受給をすれば在職老齢年金を満額もらえると考えているかもしれませんが、実際には在職老齢年金で支給停止される金額には増額率が計算されません。繰下げ受給をすればすべてが解決するわけではないため、増額率などに基づいた計算が求められます。
 

まとめ

再雇用で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受給する場合、在職老齢年金で一部または全額が支給停止されるかどうかの確認が必要です。支給停止に該当しているなら個人事業主やフリーランスとして、業務委託契約で働く方法も検討してみましょう。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み

日本年金機構 年金の繰下げ受給

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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