更新日: 2023.04.28 その他年金

「年収500万円」の会社員は、年金を何歳まで受け取れば「元を取れる」?

「年収500万円」の会社員は、年金を何歳まで受け取れば「元を取れる」?
会社員や公務員などの場合は、要件を満たすと老齢厚生年金を受け取れます。老齢厚生年金は受け取りが開始されてから一生涯受け取ることが可能です。
 
しかし、支払った保険料の総額を受け取るよりも早く亡くなってしまうと、損をしてしまいます。それでは、何歳で厚生年金保険の元を取れるのでしょうか?
 
本記事では、「年収500万円の会社員が何歳で厚生年金保険の元を取れるのか」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は会社員や公務員の場合、給料から天引きされています。天引きされる金額は、標準報酬月額や標準賞与額に保険料率9.15%(事業主と折半するため)をかけたものです。
 
標準報酬月額は、毎月の給料などの報酬の月額を32区分に分けたものです。例えば、年収500万円で、その内訳が「基本給35万円、賞与が40万円を年2回」とすると、標準報酬月額は36万円になります。
 
この場合の厚生年金保険料は6万5880円です。しかし、事業主が半分負担するので、自己負担額は半分の3万2940円となります。また、賞与についても厚生年金保険料が天引きされています。賞与額が40万円の場合は3万6600円です。そのため、年間の保険料は39万5280円と7万3200円の合計額46万8480円です。
 

勤続年数が38年だと約1800万円の負担に!

勤続年数が22歳から60歳までの38年間とすると、年間の保険料が46万8480円なので、1780万2240円になります。約1800万円が厚生年金保険料の自己負担額です。そのため、厚生年金保険で元を取るためには、この金額以上の老齢厚生年金を受け取らなければいけません。
 

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老齢厚生年金の計算方法

老齢厚生年金は、厚生年金保険料を基にした報酬比例部分と経過的加算、加給年金額で構成されています。ここでは簡略して報酬比例部分についてのみ考えて計算します。
 

報酬比例部分の計算

報酬比例部分は厚生年金保険に加入した期間によって計算式が異なります。2003年4月以降に加入している場合は、「平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降に加入している期間」です。前述の事例にあてはめると、平均標準報酬額は約41万6667円です。これを計算すると、104万1390円が年金額です。
 

約10年間受け取ると元を取れる!

厚生年金保険料には国民年金保険料も含まれています。老齢基礎年金についても満額で受け取れると考えると、79万5000円(月額6万6250円)受け取ることが可能です。
 
そのため、104万1390円と79万5000円を合わせた183万6390円を年間で受け取れます。自己負担額の年金額は1780万2240円だったので、約10年で元を取れることが分かりました。
 

基本的には75歳ごろに元を取れる

本記事では、年収500万円の会社員を例に、何歳で厚生年金保険の元を取れるのかについて解説しました。厚生年金保険料の自己負担額は約1800万円で、年金を受け取る期間が約10年で元を取れます。65歳から年金の受け取りを開始した場合は、75歳ごろで元を取れる計算です。
 
年金を65歳よりも早く受け取る年金の繰上げ受給や、年金開始を遅らせる年金の繰下げ受給をする場合は、元を取ることができる期間が異なるので注意する必要があります。自身に合った年金の受け取り方で、年金の元を取れるようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 は行 報酬比例部分

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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