更新日: 2023.05.03 その他年金

年金だけで「月30万円」の収入を得るには? 現役時代の年収はどのくらい必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金だけで「月30万円」の収入を得るには? 現役時代の年収はどのくらい必要?
老後の生活を考えたとき、年金だけでどのくらいの収入を得られるのか、気になる人も多いかもしれません。老後も満足できる生活をおくろうと思ったら、月30万円くらいは必要といった考え方もありますが、この金額を年金だけでカバーすることは可能なのでしょうか。
 
本記事では、会社員が老後に年金だけで月30万円の収入を得ようと思ったら、現役時代に年収はどのくらい必要なのか、解説します。
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年金保険料は納付もれがないようにする

会社員の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つが、原則として65歳から支給されます。
 
老後の生活をできる限り年金のみでまかなうためには、まずは保険料に納付もれがないようにしましょう。また、会社員の場合、源泉徴収制度によって国民年金と厚生年金保険料は天引きされるので、よほどのことがない限り滞納することはありません。
 
その場合、老齢基礎年金を2023年度時点で満額の場合、年間79万5000円(月額約6万6250円)受け取ることができます。もちろん、これだけで生活するのは非常に難しいです。そのため、老齢厚生年金の部分で、できる限り上積みをする必要があります。
 

年金だけで月30万円受け取るには?

老齢基礎年金が月額約6万5000円と考えると、残り約24万円(年間で約288万円)を老齢厚生年金でカバーする必要があります。老齢厚生年金は、厚生年金に加入していたときの報酬額(給料等)や加入期間によって年金額が計算されます。
 
「年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」で計算されますが、今回は話を分かりやすくするために、経過的加算金額や加給年金額はないものとします。
 
報酬比例部分は2003年3月以前と2003年4月以降の加入期間の場合で計算方法が異なります。2003年3月以前の加入期間の部分は「平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数」、2003年4月以降の加入期間の部分は「平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年3月以降の加入期間の月数」で求めることができます。
 
年金額の計算は加入時期によって細かく行う必要がありますが、今回は、加入期間すべてを2003年4月以降の計算式で行います。保険料の未納や免除等はなく、40年間(480ヶ月)問題なく納めたとします。
 
今回の場合は「平均標準報酬額×5.481/1000×480ヶ月=288万円」となり、平均標準報酬額は約109万4700円となります。そのため、会社員の全期間の平均月収が約110万円必要です。年収ベースでは約1320万円ですね。
 

まとめ

今回は、年金だけで月30万円の収入を得ることはできるのか、現役時代にどのくらいの年収が必要なのか、解説しました。国税庁が発表している「令和3年分民間給与実態統計調査」の給与階級別分布によると、男女合計で年収1000万円を超える世帯は全体の4.9%でした。
 
この数字を見ても「狭き門」ですが、年金だけで毎月30万円の収入をカバーしようと思ったら平均月収110万円くらい必要です。総合的に考えると、老後の生活は年金だけに頼るのではなく定年後もできる限り長く働くなど、複数の収入源を構築していったほうがよいかもしれません。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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