更新日: 2023.09.14 その他年金

父の年金は「月18万円」らしいです。これは平均より高いのでしょうか? 老後には十分ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

父の年金は「月18万円」らしいです。これは平均より高いのでしょうか? 老後には十分ですか?
老後の暮らしにおいて収入の大部分を占めることになるのが年金です。この年金額は、国民年金であれば納めた期間、厚生年金であれば納めた期間と保険料によって受け取れる金額が異なります。
 
それでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金、それぞれの平均額は一体いくらなのでしょうか。また、実際に老後の暮らしは年金だけで足りるのでしょうか。父の年金が月18万円である場合を例にとり、詳しく解説します。
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老齢基礎年金と老齢厚生年金の平均受給額

厚生労働省が発表した令和3年度の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金の平均受給額は月あたり5万6479円、老齢基礎年金を含む老齢厚生年金の平均受給額は月あたり14万5665円です。
 
そのため、毎月年金が18万円支給されるのであれば、平均よりは多いと言えます。
 

年金月18万円もらえるのはどういう人?

老齢厚生年金の受給額は現役時の収入によって決まりますが、収入がいくらであれば年金が月18万円になるのでしょうか。
 
老齢厚生年金の大部分を占めるのは報酬比例部分です。この報酬比例部分の計算式は、平成15年3月以前の加入期間については「平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの加入月数」、平成15年4月以降の期間は「平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入月数」です。
 
仮に厚生年金への加入が平成15年4月以降、加入月数が480ヶ月だったとしましょう。まず、18万円から老齢基礎年金の満額である6万6250円(令和5年度)を引きます。すると月あたり11万3750円、年間で136万5000円が老齢厚生年金の報酬比例部分になります。この額を先ほどの式に当てはめると「平均標準報酬月額×5.481÷1000×480=136万5000円」になるため、必要な平均標準報酬月額は51万8837円だと分かります。
 
報酬月額が51万5000円から54万5000円までは28等級になるため、働いていた期間の平均月収額が厚生年金保険料額表における等級が28であれば、年金は月18万円になります。
 

年金18万円だったら老後の生活費は足りるの?

それでは、受給できる年金額が平均よりも多い18万円だった場合、老後の暮らしには足りるのでしょうか。老後の暮らしにいくらお金がかかるのかは、夫婦二人世帯か単身者かということや、持ち家か賃貸かということなどによって変わってきます。
 
総務省が令和3年に行った「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、65歳以上の単身者(無職世帯)における月あたりの平均消費支出額は13万2476円、平均非消費支出額は1万2271円です。合わせると14万4747円になります。
 
ただし、この調査だと住居費が1万3000円ほどになっています。そのため、持ち家ではなく賃貸の人の場合、もう少し支出が多くなるでしょう。それでも、単身者で毎月18万円の年金を受給できるのであれば、何とか足りる額だと言えます。
 
なお、夫婦二人世帯の場合は支出も増えますが、妻の年金などで収入も増えることが考えられます。
 

年金月18万円なら老後は足りそう!

老齢厚生年金の平均受給額は月あたり約14~15万円、単身高齢者の月あたりの平均支出額も約14~15万円です。そう考えると、年金を平均よりも多い月18万円受給できるのであれば、老後は何とか年金だけで暮らしていくことができそうです。
 
もちろん、実際に老後いくらお金がかかるのかは、その人の生活スタイルなどにより異なります。老後の暮らしについては、年金以外の収入や資産、実際の支出などを勘案して考える必要があるでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計 II総世帯及び単身世帯の家計収支
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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