パート主婦が厚生年金に加入すると将来の年金はいくら増える?具体的に計算してみた
配信日: 2018.10.31 更新日: 2020.04.07
今回は、実際に自分で厚生年金保険料を払っているものの、どのくらい将来の年金が増えるのかを知らないという方の疑問にお答えします。
執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。
106万円の壁でパート主婦はどう動いたのか?
2016年10月以降、従業員501人以上の企業で働く場合で下記の条件を全て満たす方は、厚生年金に加入することになりました(2017年4月以降は500人以下の企業でも労使合意があれば加入可能)。
・1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であること
・雇用期間が1年以上と見込まれること
・賃金が月額88,000円(年額106万円)以上であること
・学生でないこと
これがいわゆる「106万円の壁」ですが、2018年3月時点で約38万人がこの壁を越えて厚生年金に加入しました。
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「106万円の壁」を超えるともらえる年金はいくら増える?
パート主婦が106万円の壁を越えて厚生年金に加入すると、将来の年金額が増えるというメリットがあります。では、いったいどのくらい将来もらえる年金が増えるのでしょうか。
厚生年金額の計算式は、下記のようになります。
「 平均標準報酬額×生年月日に応じた乗率×被保険者期間の月数 」
平均標準報酬額は給与とボーナスから算出しますが、あまり給与に変動が無ければおよそ年収の12分の1と考えれば良いでしょう。それを1等級(88,000円)から31等級(620,000円)に区分された等級表に当てはめた額になります。
生年月日に応じた乗率は、昭和21年4月2日以降に生まれた方は0.005481になります。
具体的に従業員501人以上の事業所で平均報酬月額88,000円(交通費含む)で、10年間働く場合で見てみましょう。
(計算式)88,000円×0.005481×120月=57,879円
この場合、65歳以降にもらえる老齢厚生年金に年額57,879円が上乗せされることになります。給与が増えたり働く年数が増えたりすれば、それだけもらえる老齢厚生年金も増えていきます。
働けるうちにできる老後資金対策とは?
「思ったより年金が増えない……」という声も聞こえてきそうです。しかし、人生100年時代ともいわれています。働けるうちに少しでも年金額を増やす対策としては有効です。
ただ、パートで働く場合でも年収100万円を超えると住民税、103万円を超えると所得税を支払う必要が出てきますので、可能ならば私的年金の一つであるiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入して所得控除のメリットをうけると、年末調整や確定申告で税金の還付を受けることができます。老後資金対策は、老後になって慌てないよう働けるうちに複合的に行うと効果的です。
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
DCアドバイザー