更新日: 2020.08.20 国民年金

コロナで国民年金保険料の納付がつらいときは、どうすればいい?

執筆者 : 柴沼直美

コロナで国民年金保険料の納付がつらいときは、どうすればいい?
フルタイムでの勤務でない場合や自営業やフリーランスなど、厚生年金ではなく国民年金の保険料を納めていたけれど、コロナ禍によって支払いが厳しい場合、「申請」という手続きさえ踏んでおけば「未納」ではなくなります。未納期間によっては、将来の年金の支給対象外になってしまう場合があります。
 
「少しの手間」を惜しまずにやるだけです。該当する方は自分のためだと思ってやってみましょう。

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柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

要件は2つだけ

前提条件の2つの要件をチェックしましょう。1つ目が、2020年2月以降に新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって収入が減少したこと、2つ目が2020年2月以降の所得から判断して、2020年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等にあてはまると見込まれることです。

■「所得の見込み」をどうやって判断するか

2020年2月以降のどの月でもかまいませんので、「その月の所得×12」から「見込みの経費を控除」します。

■国民年金保険料免除にあてはまるか? をどうやって判断するか

全額免除の場合は、単身世帯で57万円以下です。扶養家族がいれば所得があがっても免除になる場合があります。それぞれについては、窓口に問い合わせるか、日本年金機構のホームページで確認してください。
 

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記載書類1:「簡易な所得見込額の申立書」

2つの要件が満たされたら、書類を用意します。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時特例なので、自分で計算した数字を記載する「簡易な所得見込額の申立書」と「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」の2つです。
 
「簡易な所得見込額の申立書」では裏表で記載が必要です。
 
表面での記載箇所は、
(1)「新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少しました」というところにチェックを入れます
(2)申請者の名前、配偶者がいる場合は配偶者の名前も書きます
(3)所得見込額(先ほど計算した数字)
の3カ所です。
 
裏面では、先ほど述べた見込み所得額の計算を記載します。
 
(1)収入(2020年2月以降の任意の月額収入)
(2)(1)×12(見込み年収)
(3)事業収入や不動産収入の場合はその収入から経費を引いた所得額
になります。
 

記載書類2:「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」

こちらが、通常でも免除・納付猶予を申請する場合にも使用する書式になります。記載箇所はそれほどありません。
 
(1)住所や名前・日付
 
(2)基本情報ではマイナンバーか基礎年金番号、被保険者(保険料を納める人。今回申請する人の場合だと思います)の名前や生年月日、配偶者の名前と生年月日。そして、それ以外の人が世帯主の場合は世帯主の名前も記載します。マイナンバーを記載した場合は、別途書類添付が必要になりますので注意してください。
 
(3)申請内容ですが、免除区分が記載されています。全額免除・納付猶予・4分の3免除・半額免除・4分の1免除とありますが、審査しなくてもいいという場合「だけ」、その該当箇所に×印をつけます。次に申請期間(今回の場合ならば令和2年度分、となります)、16歳以上19歳未満の扶養親族がいる場合には、人数を記載します。
 
そして今回のポイントですが、「特例認定区分」のところは、通常の「1.失業」「2.天災等」ではなく「3.そのほか」を選んで『臨時特例』と記載します。その下に継続希望という欄がありますが、翌年度以降も免除申請を希望しない場合のみ、「希望しません」を選んでください。
 
この2種類の書類をそろえて日本年金機構あてに郵送します。審査には2~3カ月かかります。その間に催告状が届きますが、申請が却下された場合に納付すれば大丈夫です。
 
日本年金機構のホームページには詳細な動画も用意されています(※)。上記に記したとおり、記載箇所はそれほど多くありませんので、不安があればホームページで確認してください。
 
(※)日本国民年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者