更新日: 2020.11.11 その他年金

専業主婦の経験のある方 は要注意! 知らない間に年金が未納になっていませんか?

執筆者 : 柘植輝

専業主婦の経験のある方 は要注意! 知らない間に年金が未納になっていませんか?
専業主婦の経験があるという方を中心に「3号不整合記録」が問題になっています。3号不整合記録とはどういったものなのでしょうか。専業主婦経験のある方は今すぐにでも確認しておいてほしい内容になっています。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

3号不整合記録とは?

3号不整合記録とは、実際は国民年金の第1号被保険者であるにもかかわらず、届け出の不備などにより第3号被保険者のままになっている状態をいいます。
 
ちなみに、第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者や学生、無職の方やそれらの配偶者の方が該当します。第3号被保険者とは、第2号被保険者(厚生年金に加入している方)に扶養されている配偶者の方で20歳以上65歳未満の方が該当します。
 

3号不整合記録はなぜ起こる?

3号不整合記録は第3号被保険者となっている専業主婦やパートなど、扶養内での就業をされている方を中心に起こります。そうなってしまう原因は国民年金の第3号から第1号への切り替えの届け出が遅れた、あるいは届け出自体がされていないことにあります。
 
具体的には次のような場面で第1号被保険者への手続きが遅れる、手続きを忘れていたことによって起こります。
 

・夫が会社を退職した
・夫が亡くなった
・夫と離婚した
・夫の年齢が65歳を超えた
・自身の年収が増え、夫の扶養から外れた

 

3号不整合記録によって将来年金が受け取れない可能性も

国民年金は第3号被保険者であるうちは保険料が発生しないのですが、第1号被保険者に該当するようになると保険料が発生します。しかし、第1号被保険者への切り替え手続きが適正にされておらず、3号不整合記録となったまま放置してしまうとその期間は保険料が徴収されず未納の状態として扱われます。
 
すると、その期間は年金の受給要件の判定に利用される期間として扱われず、年金の受け取りができない、あるいは受け取れる金額が引き下げられてしまうため注意が必要です。
 

特定期間該当届で3号不整合記録を解消

3号不整合記録を解消するには「時効消滅不整合期間にかかる特定期間該当届」(以下、特定期間該当届とします)を提出する必要があります。年金の保険料は追納することができるのですが、時効期間が2年と定められており、2年を経過した期間は保険料の追納ができず未納となってしまいます。
 
しかし、特定期間該当届を提出することで、2年を経過して未納となった期間は特定期間として扱われるようになります。
 
それにより、未納となっていた期間も年金の受給要件を判定するための加入期間としてカウントされるようになります。この届け出が遅れると、年金の受給が遅れたり、障害年金や遺族年金を受けられないといった事態も起こり得ます。
 
特定期間該当届に時効は存在しないため早めに手続きをとるようにしてください。

特定期間該当届に必要な書類は?

特定期間該当届には次のような書類が必要になります。
 

書類
  • 時効消滅不整合期間にかかる特定期間該当届書
  • 個人番号または基礎年金番号が確認できる書類(年金手帳やマイナンバーカードなど)
  • 老齢年金を受給している場合は老齢年金の裁定または支給決定を受けたことを明らかにすることができる書類
  • 身分証明書(運転免許証など)

 
なお、提出は最寄りの年金事務所の窓口、または郵送にて行うことができます。
 

専業主婦だからこそ年金の記録を確認すべき

専業主婦や扶養内でパートをしている主婦は年金の保険料が発生しないために切り替えの手続きや加入状況の確認を後回しにしてしまいがちです。年金に関する手続きの遅れは将来の年金の受け取りに大きく影響を及ぼします。
 
日本年金機構から「専業主婦、主夫の皆さんへ」といった通知とともに「特定期間該当届」が届いている場合や、3号不整合記録があるかもしれないという場合は早めに最寄りの年金事務所に確認を取り、必要な手続きを進めるようにしてください。
 
出典
日本年金機構 特定期間該当届の提出期限はありますか。
日本年金機構 時効消滅不整合期間にかかる特定期間該当届
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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