更新日: 2021.01.19 iDeCo(確定拠出年金)

法改正でiDeCoはどう変わる? 改正のポイントを確認

法改正でiDeCoはどう変わる? 改正のポイントを確認
老後資金として2000万円必要という試算が話題となったこともあり、老後の資産形成方法としてiDeCoはさらに話題を集めるようになりました。注目を集めるiDeCoですが、2022年からその内容が一部改正されます。
 
今回はiDeCoの改正内容についてポイントを分かりやすく解説します。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

2022年4月1日より受給開始時期が拡大される

2022年4月1日より、iDeCoの受給開始時期について現在70歳が上限とされているところ75歳にまで延長されました。これによりiDeCoは受給開始時期を60歳から75歳の間で柔軟に決定できるようになります。
 

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2022年5月1日から変わること

2022年5月1日よりiDeCoは次のように大きく利便性が向上します。

加入可能年齢が広がる

従来iDeCoは60歳未満の国民年金の加入者のみ加入が可能となっていました。しかし、定年の延長やライフスタイルの態様から、60歳以上の高齢者が就労するということも珍しい時代ではなくなりました。
 
そこで、2022年5月からは国民年金の第2号被保険者または国民年金の任意加入者であれば60歳以上でも加入できるようになりました。また、それに併せて海外在住者であっても国民年金に任意加入すればiDeCoに加入できるようになりました。
 

脱退一時金の要件見直し

iDeCoは基本的に途中で脱退しても脱退一時金を受け取ることはできず、例外的に国民年金の保険料免除者に限ってそれが認められていました。
 
そのため、海外に移住し、国民年金の被保険者に該当しなくなった場合はiDeCoに加入し続けることはできない上、脱退一時金も受け取ることができないという弊害が起きていました。
 
しかし、2022年5月からは通算の掛金拠出期間が短いことや、資産額が少額であることなどの一定の要件を満たす場合には、iDeCoの脱退時に脱退一時金を受給できるようになります。
 

制度間の年金資産の移換(ポータビリティ)の改善

これまでiDeCoでは就業していた会社で企業型確定拠出年金に加入し、そこで拠出していた資産をiDeCoに移し替えるということが可能でした。
 
今後はそれに加え、「終了した確定給付企業年金からiDeCoへの年金資産の移換」と、「加入者の退職などに伴う企業型確定拠出年金から通算企業年金への年金資産の移換」も可能となりました。
※通算企業年金とは、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金が共同で設立し会員になっている企業年金連合会が退職者向けに運用している年金です。
 

企業型確定拠出年金加入者の加入要件緩和

これまで企業型確定拠出年金加入者はiDeCo加入を認める労使合意に基づく規約の定めがあり、かつ事業主掛金の上限を引き下げた企業の従業員に限られていました。
 
しかし、今後は企業型確定拠出年金の加入者は規約の定めや事業主掛金の上限の引き下げがなくても、iDeCoに原則加入できるようになります。ただし、企業型確定拠出年金の事業主掛金とiDeCoの掛け金、これらの合計額がそれぞれ以下の表のとおりであることが必要です。

※厚生労働省 「2020年の主な法改正」より筆者作成

 
なお、企業型確定拠出年金において加入者掛金を拠出(マッチング拠出)している場合などには、iDeCoには加入できません。
 

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2022年からiDeCoはさらに使いやすい制度になります

2022年4月1日から、iDeCoは現在よりもさらに優れた制度へと進化していきます。まだiDeCoに加入していない方や、これまでiDeCoに加入できず諦めていた方はこれを機にiDeCo加入を検討してみてはいかがでしょうか。
 
出典 厚生労働省 2020年の主な法改正
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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