年の差夫婦がもらえる加給年金。どんな人がいくらもらえるの?
配信日: 2021.01.22
そもそも加給年金とはどのような年金なのか、受給するためには年の差だけが条件なのか、年の差さえあれば誰でも受給できるものなのか、加給年金の基本をお伝えしていきます。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
加給年金ってなに?
そもそも加給年金とはどのような年金なのでしょうか? 基本を押さえておきましょう。
加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳になったとき、もしくは定額部分支給開始年齢になった時点で、生計を維持している配偶者または子がいるときに加算されます。
また、65歳になった後もしくは定額部分支給開始年齢になった後、被保険者の期間が20年以上になったときには、退職改定時に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。
加給年金額を加算してもらうためには、届出が必要です。さらに、「生計維持」もしくは「生計同一関係」があることが認定されなければ、加給年金の支給を受けることはできません。
簡単にいえば、加給年金を受け取れるのは、厚生老齢年金の定額部分受給者で65歳未満の配偶者、18歳未満の子などの扶養家族がいるかどうかがポイントです。
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いくらもらえるの? その条件は?
加給年金という制度に該当する場合、どれくらいの金額を受給できるのでしょうか?
受給金額は扶養している人数によって違いがあります。具体的には、配偶者は22万4900円。1人目・2人目の子は各22万4900円。3人目以降の子は各7万5000円となっています。
また、子に障害があるときには20歳未満まで受給できます。
一覧表の配偶者の年齢制限をご覧ください。
65歳未満であれば受給できますので、夫婦の年の差があればあるほど、受給期間は長くなりますし、あわせて子が幼いほど、受給期間は長くなります。
年の差夫婦には朗報ともいえる制度ですし、晩婚で子を授かった人にも朗報といえるのではないでしょうか。
配偶者が65歳になったらどうなるの?
加給年金は、配偶者が65歳になると打ち切られてしまうルールとなっています。
夫が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になっている配偶者である妻が65歳になると、それまで夫に支給されていた加給年金額が打ち切られます。
このとき、配偶者である妻が老齢基礎年金を受けられる場合には、一定の基準により妻自身の老齢基礎年金の額に加算がされます。これを振替加算といいます。
つまり、65歳までは夫に加給年金が支給され、妻が65歳になると妻自身の年金に振替加算が行われるのです。
ただし、振替加算は年齢が若くなるごとに減額していくルールとなっており、受給できるのは昭和41年(1966年4月1日)生まれの人までとなっています。詳しい金額については、日本年金機構のホームページ(※)で確認してみてください。
姉さん女房はもらえるの?
妻が年上という夫婦の場合は、加給年金をもらうことはできません。
ただし、振替加算の対象となる昭和41年(1966年4月1日)生まれまでの人ならば、振替加算は受給することが可能です。社会保険事務所へ出向いて届出をすれば振替加算はもらうことが可能です。
自分も当てはまるのではないかと思う方ですでに年金を受給しているのなら、年金の内訳を確認してみましょう。これから受給する場合には、自分たちで判断せず、社会保険事務所へ出向いて相談してみましょう。
(※)日本年金機構「加給年金額と振替加算」
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト