会社を退職する際の確定拠出年金(企業型)の手続き。何もしないとどうなる?
配信日: 2021.02.10
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執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
基本は次の勤務先で加入し直すか、個人でiDeCoに加入する
会社を退職すると、それまで加入していた企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)は何らかの手続きが必要になります。転職先の会社に企業型DCの制度があれば、それに加入することになり、次の就職先が決まっていない場合や企業型DCの制度が導入されていなければ個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座を開設して、そちらに資産を移換することになります。
iDeCoは金融機関を通じて申し込むのですが、申込先は企業型DCと同じ金融機関でもよいですし、異なる金融機関でもかまいません。その際の手続きは基本的に自分で行います。詳細については申込先の金融機関にご相談ください。
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退職を機に企業型DCって解約できないの?
会社を退職した際に資産額1万5000円以下であったり、国民年金保険料免除者であるなど一定の場合には、企業型DCを解約して給付金(脱退一時金)を受け取ることができます。脱退一時金の請求手続きや受け取れる金額については、加入していた企業型DCを運営する金融機関にお問い合わせください。
資産額1万5000円以下の場合
資産額が1万5000円以下であり、かつ次のような要件を全て満たす場合は脱退一時金を受け取ることができます。
・運用指図者とならないこと
・加入者資格の喪失日の翌月から6ヶ月以内に手続きすること
国民年金保険料免除者に該当する場合
国民年金保険料免除者に該当し、かつ次の要件を全て満たす場合は脱退一時金を受け取ることができます。
・確定拠出年金の障害給付金の受給者でないこと
・通算拠出期間が3年以下、または資産額が25万円以下であること
・先に述べた資産額が1万5000円以下の要件による脱退一時金の支給を受けていないこと
・最後に確定拠出年金の資格を喪失してから2年を経過していないこと
退職後、何もしないままだと企業型DCはどうなる?
退職後に何も手続きをしないと、今まで企業型DCに積み立てていた資産は国民年金基金連合会に自動的に移換されるというのが原則です。具体的には、退職日の翌日が属する月の翌月から起算して6ヶ月以内が手続きの期間になります。
国民年金基金連合会に資産が移換されてしまうと次のようなデメリットが生じるため、できれば自動移換される前に自身で手続きしたいところです。
(1)移換されてから国民年金基金連合会への保管中、資産の運用や新たな積み立てができない。
(2)自動的に移換されたとき、移換後の保管中、移換された資産を再度移換させるとき、その全てで手数料が発生する。
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退職後は速やかに企業型DCの手続きをすべき
会社を退職すると企業型DCから脱退することになり、新たな勤務先で加入するか、自身でiDeCoに加入するなどの手続きが必要になります。
手続きを怠ってしまうと余計な手数料が発生するなどデメリットが生じます。企業型DCに加入した状態で退職する際は、関連する手続きについても忘れないようにしてください。
出典 三井住友信託銀行 確定拠出年金(DC) 退職後の手続きのご案内
執筆者:柘植輝
行政書士