事実婚の場合、遺族年金はどうなる? 内縁の配偶者、子は受け取れる?

配信日: 2021.02.10

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事実婚の場合、遺族年金はどうなる? 内縁の配偶者、子は受け取れる?
事実婚を取り巻く諸問題の1つに遺族年金についての取り扱いがあります。いわゆる内縁の配偶者や、その間にある子は遺族年金を受け取ることができるのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

事実婚? 内縁の配偶者? どういうこと?

事実婚とは、いわば通常の婚姻(法律婚)と対をなす概念です。一般的には婚姻について、婚姻届を出すなど法的・公的に配偶者として認められるよう一定の手続きを踏むことが多いのですが、そういった手続きを踏まずに夫婦関係を続ける方々も一定数存在しています。事実婚にある当事者から見た他方の相手を内縁の配偶者と呼ぶこともあります。
 
最近では、事実婚においても通常の法律婚に近しい取り扱いをするように変化してきていますが、それでも事実婚は法律婚に比べて認められる権利や適用される制度の種類が少ないというのが現実です。
 

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事実婚によって内縁関係にある配偶者も遺族年金を受け取れる

事実婚によって内縁関係にある配偶者も、事実上は婚姻関係にあり、かつ生計維持関係にあると認められれば遺族年金を受け取ることができます。
 
簡単にいえば、夫婦当事者が婚姻の届け出をしていないだけで精神的にも事実的にも夫婦と変わらない生活をしており、かつ亡くなった内縁の配偶者の方の収入を主として生活していれば、遺族年金の受給が認められる可能性が高いということになります。遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、どちらも受け取れる可能性があります。
 

遺族基礎年金

内縁の配偶者が遺族基礎年金を受け取れるのは子がいる場合です。子というのは亡くなった方と法律上の親子関係がなければなりません。具体的には亡くなった方と血縁関係のある実子であったり、養子縁組している子、認知されている子です。
 
逆に子がいなかったり、子がいても亡くなった方と養子縁組もしていない連れ子や実子であっても認知されていない場合、遺族基礎年金を受け取ることができません。
 

遺族厚生年金

遺族基礎年金と異なり、事実婚で内縁関係にある配偶者は、子がいなくとも遺族厚生年金を受け取ることができます。ただし、子のいない30歳未満の妻は5年の期限付き給付となるなど一定の制約もあります。
 

事実婚にある夫婦の子は?

事実婚にある夫婦の子も、18歳到達後の最初の3月31日を経過していない場合など、一定の要件を満たしていれば遺族年金を受け取ることができます。しかし、子は亡くなった方に認知されていたり、養子縁組されているなど法律上の子であると判断されない限り遺族年金を受け取ることは難しいでしょう。
 

事実婚で内縁の配偶者や子が遺族年金を請求するには?

遺族年金は自動で受け取れるものではありません。市区町村役場や年金事務所などで所定の手続きが必要になります。さらに事実婚や内縁関係にある配偶者、子が年金を受け取るには「事実婚関係及び生計同一関係に関する申立書」など一定の資料の提出が必要となります。
 
詳細については、お住まいの市区町村役場や最寄りの年金事務所などへご相談ください。
 

年金の種類 手続きの場所
遺族基礎年金 住所地の市区町村役場、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センター
遺族厚生年金 最寄りの年金事務所または街角の年金相談センター

※筆者作成
 

遺族年金については年金事務所などで相談を

事実婚であっても、内縁の配偶者や子は一定の条件の下、遺族年金を受け取ることができます。また、遺族年金を受け取るには所定の申請が必要です。遺族年金についてはお住まいの市区町村役場や最寄りの年金事務所、または年金ダイヤルなどへご相談ください。
 
参考
日本年金機構 生計同一関係・事実婚関係に関する申立をするとき
厚生労働省 生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて〔国民年金法〕
厚生労働省 遺族基礎年金 お手続きガイド
日本年金機構 電話での年金相談窓口
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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