遺族年金の受給中に、仕事をしたら年金はどうなる?
配信日: 2021.02.25
では、その年金が通常の老齢基礎年金や老齢厚生年金ではなく、遺族年金の場合はどうなるのでしょうか。遺族年金と収入の関係について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
原則、遺族年金の受給中に仕事をしても問題なし
遺族年金は老齢基礎年金や老齢厚生年金などとは異なり、受給中に仕事をして収入が生じても年金の支給額に影響はありません。つまり、遺族年金を受けている方が仕事を始めても、遺族年金は打ち切られることがないのです。
そのため、正社員として働いても問題ありませんし、フルタイムのパートやアルバイトとして働き、勤務先で健康保険や厚生年金に加入しても問題ないのです。
寡婦年金・寡婦加算について
遺族年金には一定の要件の下、寡婦年金や寡婦加算という仕組みがあります。遺族年金と併せて寡婦年金や寡婦加算を受けている場合も遺族年金と同様、受給中に仕事をしても影響はありません。
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遺族年金を受けられなくなるのはどんなとき?
遺族年金の受給中に仕事を開始しても問題ないことを確認しました。では、遺族年金を受けられる権利を失うのは、どのようなときなのでしょうか。例としては下記のようなケースがあります。
・婚姻したとき(内縁関係や事実婚を含む)
・子が18歳に到達した後、3月31日を経過した(遺族基礎年金の場合)
・子のない30歳未満の妻が受給開始から5年を経過した(遺族厚生年金の場合)
・直系血族または直径姻族以外の方の養子となったとき
など
他の年金との間では併給調整が働く
ある年金を他の年金と同時に受けようとすると、併給調整という仕組みが働きます。併給調整とは、2つ以上の年金を受給できるようになったら一方の年金を停止・減額して年金を受け取るというものです。
例えば、遺族厚生年金を受け取っている方が障害厚生年金も受け取れるようになった場合、両方を受け取れるわけではなく、どちらか一方を選択して受け取り、選ばなかった方を減額して受け取る、または選ばなかった方は支給停止となるというものです。
ただし併給調整には例外があり、老齢基礎年金と、そこに上乗せする形で支給される老齢厚生年金など、支給の理由によっては併給される年金もあります。
遺族年金の受給中に仕事を開始しても受給には影響無し
遺族年金の受給中に仕事を始めたとしても、基本的には遺族年金の受給に影響ありません。仕事を始めたり、勤務先で健康保険や厚生年金に加入したからといって遺族年金の額が減ったり、支給が打ち切られることもありません。
しかし、年金は1人1年金が原則です。遺族年金と自身の老齢年金の両方が受け取れる場合など、併給調整が働くケースでは遺族年金が停止・減額されることもあります。
遺族年金に関する質問や相談は、最寄りの年金事務所や街角の年金相談センターへ問い合わせてみるとよいでしょう。
出典
日本年金機構 併給調整
日本年金機構 年金の併給または選択
執筆者:柘植輝
行政書士