更新日: 2021.02.25 その他年金

独身の方の遺族年金。いざとなったら親や兄弟姉妹は受け取れる?

独身の方の遺族年金。いざとなったら親や兄弟姉妹は受け取れる?
生計を立てている一家の大黒柱に万が一の事故が起こった際に遺族の生活を保障するのが遺族年金の役割です。
 
では、独身の方が亡くなり、その方に配偶者や子が存在しなかった場合、遺族年金を親や兄弟姉妹が受け取ることは可能なのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

親や兄弟姉妹は遺族基礎年金を受け取れない

遺族基礎年金について、親や兄弟は受け取ることができません。遺族基礎年金とは、国民年金に加入している方が亡くなった場合に遺族に支払われる年金です。
 
遺族年金を受け取れるのは、亡くなった方に生計を維持されていた子のある配偶者または子に限られているからです。
 

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55歳以上の親は遺族厚生年金を受け取れる

独身の方が亡くなった際、親は55歳以上であれば遺族厚生年金を受け取ることができます。しかし、兄弟姉妹は遺族厚生年金を受け取ることができません。遺族厚生年金とは、厚生年金に加入している方が亡くなった際に、亡くなった方に生計を維持されていた一定の親族が受け取れるものになります。
 
遺族基礎年金とは異なり、遺族厚生年金は孫や親なども対象に含まれていますが、兄弟姉妹はそこに含まれていないのです。なお、親が遺族厚生年金を受け取る場合、実際に支給されるのは60歳からとなります。
 

親が自身の厚生年金を受け取れる場合は?

親が子どもの遺族厚生年金を受け取るとき、自身も厚生年金を受け取れるという状況は珍しくありません。こういった場合、親がこれまで納めてきた厚生年金の保険料を年金の受取額に反映させるため、併給調整の仕組みが働きます。
 
具体的には、65歳以上で遺族厚生年金と自身の厚生年金両方を受け取る権利が発生している場合、厚生年金が全額支給となり、遺族厚生年金については厚生年金に相当する部分を減額して支給するという形になります。
 

親が遺族年金を受け取るにはどういう手続きが必要?

独身の方が亡くなり、遺族厚生年金を親が受け取ろうとする場合は所定の手続きが必要になります。遺族厚生年金は遺族の生活を守るための制度だと聞くとそのまま自動で振り込まれると思い込んでしまいますが、実はそうではないのです。手続きが遅れれば遅れるほど実際に年金が支給される時期も遅くなってしまいます。
 
遺族年金を受け取るには最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターへ請求の手続きをすることが必要なのです。
 

親が遺族厚生年金を請求するのに必要な書類は?

親が遺族厚生年金を請求するのには下記のような書類が必要です。
 

書類

・年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号
(日本年金機構のHPや街角の年金相談センターなどで取得できます)
・年金手帳
・戸籍謄本(記載事項証明書)または法定相続情報一覧図の写し
・世帯全員の住民票の写し
・亡くなった方の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに含まれている場合不要)
・請求する方の収入が確認できる書類(所得証明書や源泉徴収票など)
・年金の受け取りに利用する口座(本人名義に限る)
・市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書など)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書

 
上記以外にも死亡の原因が事故や第三者の行為による場合など、一定の場合にはその他の証書が追加で必要となることもあります。
 

独身の方が亡くなって遺族年金を受け取れるのは親のみ

独身の方が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていた親は遺族厚生年金を受け取ることができます。兄弟姉妹は遺族年金を受け取ることができず、今後は自身で生計を立てていくか他の保険や助成制度を頼ることになります。
 
遺族年金については最寄りの年金事務所や街角の年金相談センターへ問い合わせるとよいでしょう。
 
出典 日本年金機構 遺族厚生年金を受けられるとき
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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