更新日: 2021.01.27 確定申告

副業をしている人が確定申告で注意したいポイントは?

副業をしている人が確定申告で注意したいポイントは?
日本労働組合総連合会(略称、連合)が行った「コロナ禍における雇用に関する調査」によれば、「コロナ禍の影響で、今年の賃金総額が減る見通し」は29.9%、宿泊業・飲食サービス業では51.2%。「コロナ禍が続いたら、勤め先で働き続けられない」は12.2%、宿泊業・飲食サービス業では32.6%。「コロナ禍の状況や会社の業績を考えると、自身の雇用に不安を感じる」は58.1%という結果となり、会社員にとっても非常に厳しい状況となっています。
 
また、2020年の冬のボーナスにおいても、全日本空輸(ANA)は前年は支給ゼロ、日本航空(JAL)は前年から約8割減、といったニュースは記憶に新しいと思います(2021年1月時点)。
 
こうしたコロナ禍の影響により、年収が激減し、副業をしないと生活が苦しくなった会社員は少なくないのではないでしょうか?
 
今回はこうした状況下、初めて副業をした人に、副業をする際の留意点をお伝えするとともに、どういう場合に確定申告が必要なのか、その手続き方法や注意点などを整理したいと思います。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

副業をする際の留意点

1.会社で副業が認められているか再度確認しよう

政府主導の働き方改革の流れを受けて2018年1月、厚生労働省が企業や働く人向けに副業を促進するガイドラインを公表し、サイボウズやソフトバンク、ヤフーといったIT系企業のほか、丸紅や日産自動車といった大企業でも副業が解禁されるようになりました。
 
このように副業を認める企業は増加傾向にありますが、「社員の労働時間過剰になり本業に影響が出る可能性がある」「会社情報が流出してしまう可能性がある」などといった理由から副業を認めていない企業も少なくありません。
 
したがって、副業を行う場合には、現在勤めている会社が副業を認めているか確認をする必要があります。もし、副業が認められていない場合は、就業規則違反となり、場合によっては懲戒処分の対象にもなりかねませんので、十分注意をしてください。
 

2.長時間労働に注意

コロナ禍の影響で「収入が減ってしまったから挽回しよう」と、長時間労働を行って体調を壊したり、「副業うつ」になったりしては本末転倒です。働きすぎには十分注意をしましょう。
 

3.税制面での注意点

通常、会社員であれば原則として給与支払時に源泉徴収されていますので、年末調整をしていれば、確定申告をする必要はありません。しかし、会社員でも給与年収が2000万円を超える場合や、副業で原則20万円を超えた場合などは、確定申告をする必要があります。
 
次に、副業の所得が20万円を超えた場合の確定申告や、その注意点について確認してみましょう。
 

確定申告のやり方、注意点

■そもそも確定申告とは?

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算して確定させる手続きのことをいいます。
 
源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、この確定申告によってその過不足を精算します。原則としてその年の翌年2月16日から3月15日の間に確定申告をしなければなりません。
 

■確定申告の留意点・方法

(1)副業の「所得」を確認しましょう
確定申告をする際には、申告すべき「所得」を確認する必要があります。
 
例えば、コンビニや居酒屋などで働いて給与として支払われる場合は、給与所得となります。この場合は、本業の給与と副業でもらった給与を計算して、給与所得を計算しなおすことが必要です。一方、原稿料や講演など、報酬として支払われる場合の所得は、「雑所得」となります。「雑所得」の場合は、必要経費が認められます。
 
(2)必要経費を記録しておく
「雑所得」の場合は、収入から必要経費を差し引いた金額が所得金額です。したがって、副業を行う上で必要であった経費のレシートや領収書をきちんと保管しておく必要があります。余計な税金を払わないためにも十分注意をしましょう。
 
(3)確定申告の方法
税務署の窓口で手続きする方法もありますが、郵送での申告やインターネットでの申告もできます。特に、新型コロナの感染が心配な方は、窓口以外で方法を選択すると良いかもしれません。
 
確定申告の詳細は、国税庁のホームページに記載されていますので参照してください。または、国税局電話相談センターを活用するのも良いでしょう。
 
(出典)
日本労働組合総連合会「コロナ禍における雇用に関する調査2020」
国税庁「No.2020 確定申告」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
 

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