確定申告は必要? フリマアプリでの稼ぎに税金はかかる?
配信日: 2021.04.11
ここで少し気になるのが、フリマアプリなどでどの程度売り上げが発生したら税金を納めなければいけないのでしょうか? その点を確認していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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フリマアプリの売り上げの位置付けは?
国税庁のタックスアンサーから、フリマアプリの売り上げがどのような位置付けになるか確認します。前提として、どこかに勤めていて給与所得がある人が副業として取引をした場合になります。その場合は大きく分けて2つの所得のいずれかになります。
1 雑所得
2 譲渡所得
この2つのうち、いくつかの条件を満たしていれば非課税となる場合がありますので、確認していきましょう。
フリマアプリによる取引を本業として利益を上げる目的の場合は、「事業所得」として別の扱いになりますので注意が必要です(本記事では扱いません)。
どのような場合が雑所得に該当する?
国税庁のタックスアンサーによると、次のような所得については、それぞれ雑所得に該当する、としています。
「インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得」
●衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得
※生活の用に供している資産(古着や家財など)の売却による所得は非課税(この所得については確定申告が不要)で、損失は生じてないものとみなされます。
●自家用車などの資産の貸付けによる所得
●ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得
と具体的に例示されています。
以上により、普段使っていた家財などをフリマアプリなどで販売した場合は「非課税」に該当する場合が多いと考えられます。
一方、転売目的で安くなった新品を購入して、そのまま販売する場合は「生活の用に供している資産」にみなされないので「雑所得として課税」になるとみられます。その他に車を保有されている方が、ライドシェアなどで使用料を受け取った場合なども「雑所得として課税」になると思われます。
譲渡所得に該当するものは?
次に譲渡所得に該当する場合を確認します。
国税庁のタックスアンサーによると、譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。
資産の譲渡による所得のうち、次の所得については課税されません。
(1)生活用動産の譲渡による所得
家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。
フリマアプリなどで使わなくなったアクセサリー類を販売したり、家に飾ってあった絵画や骨董(こっとう)品などを出品し、上記に該当する場合は、非課税の例外に該当しないため注意が必要です。
税額の計算方法
では雑所得と譲渡所得の税額の計算方法を確認します。まず以下の2つの条件に該当する場合は「確定申告不要」となります。
ア 給与を1カ所だけから受け取っていて、かつその全額が源泉徴収対象の場合で給与所得、退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超えない場合。
イ 公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつその全額が源泉徴収対象の場合で、公的年金等に関わる雑所得以外の所得金額が20万円以下であるとき。
確定申告不要に当てはまらない場合は、以下の計算式で税額を算出していきます。
1 雑所得
この場合の税額計算は、まず雑所得を計算してその額を給与所得と合算した上で税率をかけることで税額となります。
(例):(給与所得+雑所得)×税率(所得額により変動)=税額
雑所得の計算方法は
総収入費用-必要経費=その他雑所得
となっていますので、フリマアプリなどでいえば、発送の際の送料などは必要経費として計算できるといえます。
2 譲渡所得
こちらの場合も、今回のような宝石などの譲渡の場合は「総合課税」と呼ばれ、雑所得と同様に譲渡所得を計算し、その額を給与所得と合算して税率をかけ税額となります。
譲渡所得の計算方法は
譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-50万円=譲渡所得
となっています。
譲渡価額=売ったときの値段、取得費=買ったときの値段、譲渡費用=発送時の費用など
と大まかに覚えておいてください。また、譲渡価額-(取得費+譲渡費用)が50万円以下のときは、控除と呼ばれる50万円部分が減らされ、「譲渡所得=0円」となるだけで、マイナスにはなりませんので注意が必要です。
まとめ
以上フリマアプリなどで売り上げが発生した場合の税金がどのようになるかを確認しました。日常で使っていたものを売買する場合にはあまり心配する必要がなさそうですが、もし課税対象となる取引があった場合については、特にオンラインの売買ですので税務署の調査があった場合確実に発見されます。
ですので、取引が該当するかしないか確認した上でフリマアプリなどを楽しんでください。また、ご心配の際には税理士にご相談ください。
出典
国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 No.1500 雑所得
国税庁 No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部