もうすぐ始まる年末調整 確認しておくべきポイント

配信日: 2021.11.14

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もうすぐ始まる年末調整 確認しておくべきポイント
2021年も、残すところ2ヶ月を切りました。企業に勤めている会社員の方々は、そろそろ年末調整の準備をする季節になります。2021年の年末調整では、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。
 
今回は、昨年からの変更点を確認し、具体的な年末調整の手順について解説します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

そもそも年末調整とは?

まずは、年末調整についておさらいしておきましょう。会社員の方の場合、毎月、会社から皆さんの口座に支払われるお金(手取り金額)は、あらかじめ所得税などの税金が源泉徴収されています。
 
年末調整を行うことによって、もしも源泉徴収税額が、実際に支払うべき税金よりも多かった場合、税金が還付されます。逆に、源泉徴収税額が少なかった場合、税金を追納する必要があります。
 
また、生命保険に加入している方や住宅ローンがある方は、年末調整を行って所得控除を受けることで税金が戻ってくるケースがあるでしょう。年末調整は1年間の収入を再確認し、正しい金額の税金を精算する大切な手続きなのです。
 

2021年の年末調整の注意点

2021年の年末調整は、昨年から大きく2点の変更点があります。
 

1.書類への押印不要に

税務署長等に提出する源泉所得税関係書類について、押印が不要となりました。このため、扶養控除等申告書などの年末調整の際に使用する書類についても、押印が不要となります。
 

2.年末調整の電子化がより便利に

年々、年末調整の電子化の動きが加速しています。皆さんが勤務している会社で年末調整の電子化が導入されている場合は、ぜひ活用してみましょう。手書きで書類に記入する必要がないため、より簡単に年末調整を終わらせることができます。
 
ただし、年末調整の電子化は会社側が導入しなければ利用することができないため、全ての納税者が利用できるわけではありません。
 

年末調整の手順

2021年度の年末調整について、必要となる具体的な手続きを確認しておきましょう。年末調整の大きな流れは、以下のとおりです。


1.配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)等の確認
2.税額の計算
3.過不足の精算

私たち納税者が、年末調整で行わなければいけない一番のポイントは、1の控除の確認です。控除を申告することで、税金が還付される可能性が高いため、面倒な手続きでも忘れずに行いましょう。まずは、控除を受けるために必要な書類をそろえます。
 
例えば、特に該当者が多い生命保険料控除は、保険会社から控除証明書を取得する必要があります。控除証明書は、自宅にハガキで送られてくることもあれば、マイナンバーカードを利用して電子的にダウンロードできるケースもあります。
 
ペーパーレス化が進んでいる今、生命保険料控除証明書の電子化も進んでいます。パソコン操作に慣れている方は、証明書を電子的に取得して、年末調整の準備を進めてみてはいかがでしょうか。
 
住宅ローン控除は、1年目は確定申告が必要ですが、2年目からは年末調整で終わらせることができます。その他、さらに詳しい控除の種類や年末調整の手順について知りたい方は、国税庁のホームページ(※)もチェックしてみましょう。
 
毎年行わなければならない年末調整の手続きですが、押印不要や電子化によって、少しずつ業務の効率化が図られています。1年間の締めくくりとして、正しく税金を申告するために、早めに準備し、手続きを行いましょう。
 
出典
(※)国税庁 令和3年分 年末調整のしかた
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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