更新日: 2022.01.03 確定申告
転居や結婚で確定申告時の住所・氏名が源泉徴収票と一致しない場合、どうすればいい?
また、還付金の受け取りはどのようになるのでしょうか。確定申告の基本を確認しながら、このようなケースについても見ていきましょう。
執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
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そもそも確定申告って何?
日本は、納税者が自ら申告して納税するという「申告納税制度」をとっています。確定申告とは、所得税および復興特別所得税の申告手続きのこと。
毎年1月1日から12月31日までの1年間の、すべての所得の金額とそれに対する所得税および復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きです。
令和3年分の申告期限は、令和4年3月15日までです。
年末調整したから確定申告は不要?
「申告納税制度」をとっていますが、例外があります。お勤めで給与をもらっている方の所得税は、毎月の給与から天引き(源泉徴収)され、年末に最終的な納税額の調整である年末調整を行います。
年末調整は、その年の税金が納めすぎだと還付され、不足していると徴収する手続きです。年末調整をもって納税手続きが完了すると、確定申告は不要です。
年末調整で完了しない場合もあります。「副業の所得が年20万円以上」「2カ所以上から給与を受けていて、年末調整を行わない側の給与が年20万円以上」といった場合は、年末調整で完了できないため、確定申告が必要です。
確定申告が不要な方でも、確定申告をすると余分に納めた税金が還付される場合もあります。例えば、医療費が10万円以上かかった場合、寄付やふるさと納税をした場合、住宅ローンを組んで住宅ローン控除を利用する初年度の場合です。
ふるさと納税は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できると確定申告は不要になります。還付の確定申告書は、翌年1月1日から5年間提出できます。還付は5年を過ぎると時効となってしまうので、忘れずに申告しましょう。
確定申告書にマイナンバーの記載するようになり便利に
「源泉徴収票」は、一般的に年末調整後の12月もしくは翌年1月に発行されます。年の途中に退職したときにも源泉徴収票が発行されます。2020年分の確定申告から、源泉徴収票原本の提出は不要になりました。
確定申告書にマイナンバーを記載するようになり、税務署に情報が連携されるようになったためです。提出は不要ですが、確定申告書に源泉徴収票の金額を転記します。手続きが完了するまでは手元に保管しておきましょう。
確定申告書の住所や氏名に誤りがあったら……
確定申告書の住所や氏名は、転居や引っ越しで源泉徴収票に記載されているものと違っていても、慌てなくて問題ありません。住所や氏名は、確定申告時のものを記入します。
源泉徴収票だけでなく、各種の支払い調書も同様で、原本の添付は不要、住所や氏名が違っていたら確定申告時のものを記入します。
還付金の受け取りは、預貯金口座への振り込みと最寄りのゆうちょ銀行各店舗、または郵便局に出向いて受け取る方法とがあります。預貯金口座への振り込みを希望する場合は、申告者本人名義の口座に限られます。
口座の名義が、申告書に記入した氏名と異なり旧姓の名義のままだと振り込まれません。名義変更手続きをして申告をしましょう。
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者