キャッシュレス決済アプリで税金が支払える? どのようにすればいい?
配信日: 2023.01.17
今回は、税金のスマホアプリ納付について見ていきます。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
どのスマホアプリが利用できるの? どの税金の納付に利用できるの?
現在利用できるのは、PayPay、d払い、au PAY、LINE Pay、メルペイ、Amazon Payの6種類です。
基本的にはすべての税目が納付可能です。本税のほかに、附帯税(加算税、延滞税等)の納付も可能ですし、附帯税のみの納付もできます。しかし、印紙を貼り付けて納付するなど、納付書を添えて納付されない税目は除かれます。
納付方法は?
納付の手順は以下のとおりです。
1 国税スマートフォン決済専用サイトへアクセス
アクセス方法は、下記の3つです。
(1) e-Taxの受信通知からアクセスする
e-Taxを利用して、申告書・源泉所得税徴収高計算書データの送信、または納付情報登録依頼を行った後に、メッセージボックスにある受信通知(納付区分番号通知)よりアクセスします。
(2) 確定申告書等作成コーナーで出力される2次元コードからアクセスする
確定申告書等作成コーナーにおいて書面で申告書を作成し、申告書等とともに出力される納付用2次元コードを読み取りアクセスします。
(3) 国税庁ホームページからアクセスする
国税庁ホームページにある「国税スマートフォン決済専用サイト」のリンクからアクセスします。
2 専用サイトで納付手続き
「国税スマートフォン決済専用サイト」で利用するPay払いを選び、氏名や税額等の納付情報を入力し、入力内容の確認・納付をして手続きが完了します。
利用のメリットは?
メリットの1つめは、決済手数料がかからないということです。クレジットカード払いの場合、納付額に応じて決済手数料が発生します。例えば、税額が3万円ですと250円、5万円ですと418円、スマホアプリ納付の最高額30万円ですと2508円かかりますが、これがゼロになります。
2つめは、税務署や金融機関・コンビニへ行かなくても支払うことができ、納付は夜間休日を問わず、24時間いつでも利用可能です(メンテナンス作業等がある場合は除く)。
なお、e-Taxの受信通知からアクセスする方法でスマホアプリ納付を利用する場合は、e-Taxの利用可能時間内のみの利用となります。
注意点は?
当然ですが、Pay払いの場合は事前に利用するPay払いへのアカウント登録、および残高へのチャージが必要です。また、一度の納付での利用上限金額は30万円です。ただし、利用するPay払いで設定された上限金額により、利用できる金額が制限されている場合があります。
また、「国税スマートフォン決済専用サイト」での納付手続きが完了すると、納付手続きの取り消しができません。万が一誤って納付手続きをした場合は、後日税務署で還付等の手続きを行うこととなります。
また、納付税目や課税期間などの入力を誤って納付手続きした場合も、所轄の税務署に正しい内容を連絡しなければなりません。
さらに、領収書は発行されませんので、領収書が必要な場合は税務署の窓口または金融機関で納付する必要があります。
所得税や消費税などの複数の税目をまとめて納付することはできませんので、税目ごとに手続きを行う必要があります。また、金融機関やコンビニ、税務署の各窓口で納付する場合は、その場でスマホアプリをご利用できませんので注意してください。
出典
国税庁 [手続名]スマホアプリ納付の手続
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表