更新日: 2023.04.22 確定申告
いわゆる「夜の世界」の経費ってなにが使えるの?
「夜のお仕事の経費って、どんなものがあるの?」と、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、夜の世界の税金事情と、経費にできるものについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ナイトワーカーは、なぜ個人事業主なのか?
レストランや居酒屋などの飲食店で正社員として働く場合、お店と雇用契約を結ぶのが一般的です。勤務する時間に対して給与をもらい、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保障もついてきます。
それに対してナイトワーカーは、お店と雇用契約ではなく、業務委託契約を結びます。従業員としてではなく、業務を委託された外部の者として働く契約です。
お店は、お客さんから消費税を預かり、国に納付しています。この納付額を少なくできるのが「仕入税額控除」です。ナイトワーカーへ支払うお金を「外注費」にすると控除ができる一方、「給与」にするとできないため、支払う消費税額に大きな違いが生まれます。
また、従業員でなければ、社会保険などの加入負担も発生しないため、業務委託契約を選ぶのは当然といえるかもしれません。
確定申告をしないと損をする?
国税庁タックスアンサー「ホステス等に支払う報酬・料金」によると、お店はホステス等に支払う報酬から、「5,000円にその報酬・料金の『計算期間の日数』を乗じて計算した金額(同月中に給与等の支払がある場合には、その計算した金額からその計算期間の給与等の支給額を控除した金額)を差し引いた残額に10.21パーセントの税率を乗じて算出」した額を、所得税および復興特別所得税として源泉徴収しなければならない、とあります。
実際にどれくらい税金を払っているのか、例を挙げて説明します。
4月の報酬が50万円の場合
(50万円-15万円)×10.21%=3万5735円
※15万円=5000円×30日(4月1~30日の30日間)
一握りのスターワーカーたちを除けば、しっかりと経費計上して確定申告をすると、税金が還付されるケースが多いようです。
ナイトワーカーが経費で使う勘定科目7選
ナイトワーカーが使う経費の勘定科目は、おもに下記の7種です。
・消耗品費
・旅費交通費
・広告宣伝費
・接待交際費
・通信費
・地代家賃
・雑費
意外に思われる科目もありますが、詳しくみていきましょう。
消耗品費
ナイトワーカーにとって、美しさに磨きをかけることは仕事の一環です。
・10万円未満のドレスや着物、バッグ、ヒールなどの衣装代
・化粧品やウィッグ、ネイル、まつエク、脱毛、エステなどの美容代
・10万円未満のPCやドレッサー、全身鏡などの備品
美を追究するための出費は、大体この科目に入ります。
旅費交通費
出勤・退勤時の電車代やタクシー代、同伴やアフターでの移動にかかった交通費です。
広告宣伝費
自分を売り込むためのお店での名刺や、バレンタイン・クリスマスに大勢のお客さんに配るプレゼントの費用が入ります。
接待交際費
同伴やアフターでの食事代やカラオケ代、お客さんの誕生日などに個別に渡すプレゼントの費用は、接待交際費に計上されます。
通信費
携帯電話は、お客さんに営業する際の必須アイテムです。ただし、1台を仕事とプライベートの両方で利用している場合は、その頻度の割合によって経費計上する分を算出しなければなりません。自宅のWi-Fi料金も、同じように計上可能です。
計算方法は、次の「地代家賃」の項で説明します。
地代家賃
お店が職場という認識が強いかもしれませんが、お客さんへの電話やLINEでの営業活動は、出勤前に自宅で行うことがほとんどです。その間は自宅を事務所利用しているとし、家賃のうちのその割合分だけを、経費計上することができます。
例えば、家賃が1ヶ月12万円のワンルームの自宅で、毎日、午後1時から午後5時まで営業している場合は、12万円×4/24=2万円となり、1ヶ月2万円分の家賃を経費として計上します。
雑費
出勤前に行くヘアセット代など、ほかの勘定科目に当てはまらない仕事上の出費は雑費です。
考え方次第で経費は計上できる
プライベートと業務を兼ねた支出に対して、業務で利用した割合を計算して経費計上することを、家事按分といいます。
少しでも、自宅に仕事を持ち込んでいる個人事業主の方は、参考にして、見直してみてはいかがでしょうか?
出典
国税庁ホームページ タックスアンサー(よくある税の質問)No.2807「ホステス等に支払う報酬・料金」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー