運動をしていますか? 医療費控除を使用してお得に運動を取り入れよう!
配信日: 2023.11.22
そんな人たちに知っておいてほしい制度として、「健康増進施設認定制度」というものがあります。これは一定の条件を満たせば、認定施設として定められたジムの利用料を医療費控除に使えるという制度です。本稿で詳しく見てみましょう。
執筆者:長崎元(ながさき はじめ)
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表
学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。
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多くの人が運動不足になっている
過去に厚労省が公開した資料によると、日本では毎年5万人が運動不足により死亡しているとされています(図表1)。
死亡人数の多さに驚かれた方もいらっしゃるでしょう。「たかが運動不足」ではなく、場合によっては命に関わる問題なのです。
どのくらい運動すれば良いの?
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動基準2013」として、次のような活動基準を策定しています(図表2)。
図表2にある“3メッツ以上の強度の身体活動”とは、歩行またはそれと同等以上の身体活動を、“3メッツ以上の強度の運動”は息が弾み汗をかく程度の運動を指しています。つまり、毎日40分から60分程度は歩きましょう、週に60分程度は軽い運動をしましょう、という内容です。
皆さんは、これを達成できているでしょうか? 筆者はできていません。普段は事務作業が多く、1日中座りっぱなしということもザラにあります。また、運動なんて最後にやったのはいつだったか、すぐには思い出せないくらいです。
リモートワークが普及した今、多くの方が運動不足を痛感しているのではないでしょうか? いわゆるメタボを実感したり、体重が増えて足や腰に負荷が掛かっている状態だったりするかもしれません。
今の生活が健康に良いわけがない、ということを頭では分かっていても、ジムに通うにもお金がかかる、1人でやるには知識がない、という人も少なくないのではないでしょうか?
条件を満たせば、ジムの利用料を医療費控除に使える!
そのような人たちに知っていただきたいのが「健康増進施設認定制度」です。一定の条件を満たせば、認定施設として定められたジムの利用料を医療費控除に使える制度です。
その条件とは、
・医師の“運動療法処方箋”があること
・指定された施設に一定期間、通うこと
です。
処方箋が必要なことから、単に健康目的でジムに通いたいという人には適用されませんが、生活習慣病等、運動が改善に役立つと判断されれば対象となり得ます。
通う施設にも基準があり、厚生労働省の認定制度により定められています。令和5年11月現在、全国で339の施設が認定されていることから、ご自身が通えるところを調べてみるのも良いと思います。2022年4月に施設の認定基準が緩和され、パーソナルトレーニングのジムも認定可能となりました。施設数は今後増加していくと思われます。
原則として、認定された施設にはウォーキングやバイクなど有酸素運動が行える設備があり、また、運動の指導を行う健康運動指導士と呼ばれる専門家が配置されているので、運動の経験がない人でも利用できる環境になっています。また、体力測定を行う設備も用意されているので、自身の状態を確認することもできるようになっています。
まとめ
運動不足は血圧や血糖値、脂質の異常を招き、これらは心臓や脳に影響を与えます。大ごとになる前に、まずは日常に少しだけ運動をする習慣を身に付けてみるのはいかがでしょうか。しかし、この運動の習慣に大きな金銭的な負担がかかるとすれば、続けることはでませんよね。
一定条件はありますが、運動に医療費控除という選択肢があるということを、今回は知っていただけたら幸いです。
出典
厚生労働省 20130927副大臣ロコモレク資料 わが国では運動不足が原因で毎年5万人が死亡!
厚生労働省 運動施策の推進
厚生労働省 健康増進施設認定制度
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表