更新日: 2024.02.25 確定申告
毎年、会社で年末調整をしています。確定申告は不要ですよね?
本記事では、年末調整と確定申告の基本的な知識と、年末調整を行ったうえで、さらに確定申告が必要となるケースについて詳しく説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年末調整とは?
年末調整は、従業員が1年間に受けた給料と納めるべき税金の正しい額を合わせるために企業が行う調整です。毎月の給料から一時的に引かれる所得税は正確な額ではないため、年末に全ての収入が確定したときに、実際に納めるべき税金を計算し直します。このとき、すでに納めた税金との差額を清算し、多く納めていた場合は還付し、足りない場合は追徴されることになります。
なお、従業員が受けるさまざまな控除の適用も年末調整の構成要素です。例えば、扶養対象家族がいる従業員が社会保険料を支払った場合、社会保険料控除と扶養控除を適用することで納める税金の額が変わります。このようにして、給与所得者は年末調整によって、その年の所得税の納付を済ませるケースが多くなっています。
確定申告とは?
確定申告は、全ての収入源から得た所得に基づき税金を計算し、国に報告するプロセスです。自営業者やフリーランスといった給与以外で収入を得る人々が、年間に稼いだ金額を精査し、その所得から納税額を導き出します。
この手続きでは、収入から差し引けるさまざまな控除項目を適用して最終的な税額を決定します。このようにして確定された税額が、納めるべき所得税となるのです。
また、給与所得者であっても、副業収入や賃貸不動産からの収益などがある場合、これらの収入に対しても最終的な所得金額を求めたうえで、必要に応じて確定申告を行い、適正な税額を納める必要があります。
加えて、大きな医療費がかかった年には、医療費控除を申請することで税額を減らすことが可能です。このように、確定申告は個人のさまざまな収入と支出を正確に申告し、適正な税金を納めるための重要な手続きとなります。
年末調整が済んでいれば、確定申告は不要?
給与を受け取る多くの人は、年末に企業が行う年末調整を通じて、その年の所得税の納税を完了させることができます。この調整により、毎月の給与からあらかじめ徴収された税金の過不足が調整され、実際の税負担が確定します。しかし、以下のような状況では、この年末調整に加えて個人が確定申告を行う必要が生じることがあるのです。
・年間で20万円を超える収益を得た副業がある場合
給与所得者であっても、この収入は年末調整の対象外となるため、確定申告が必要になります。
・年間で10万円以上の医療費を支払った場合
確定申告をすることで医療費控除を申請し、税金の還付を受けることが可能です。
・社会貢献のために寄附をした場合
その寄附金に対する控除を受けるには、確定申告が必要となります。この寄附金控除を適用することで、納税額を減らすことができます。また、ふるさと納税をして、ワンストップ特例制度の対象外やワンストップ特例を申請しなかった人は確定申告をすることで、確定申告を行った年の所得税と翌年度の住民税がそれぞれ控除されます。
年末調整と確定申告:それぞれの役割の違いを理解しよう
年末調整は、給与所得者のための会社が行う所得税の精算手続きであり、多くの場合、この手続きだけで年間の税務処理が完了します。一方、確定申告は給与所得以外の所得がある場合に個人が行う申請です。
ただし、特定の控除を受けたい場合には給与所得者であっても必要となります。自身の状況を正しく把握し、必要に応じて適切な手続きを行いましょう。
出典
国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和5年分)
国税庁 確定申告とは
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
総務省 ふるさと納税のしくみ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー