「NFTアート」で50万円程度もうけたいです。税金はどのくらい取られるのでしょうか?

配信日: 2024.03.07

この記事は約 5 分で読めます。
「NFTアート」で50万円程度もうけたいです。税金はどのくらい取られるのでしょうか?
デジタルアートに唯一性が保証されることで、注目を集めるNFTアート。近年では、世界中のクリエイターやコレクターがNFTアートを取引し、その市場は拡大を続けています。
 
NFTアートの制作・販売を考えている方のなかには、税金の面で心配している方も多いでしょう。本記事では、NFTアートが注目されている理由や所得区分、かかる税金について解説します。税金に関する理解を深め、NFTアートの制作や販売に安心して取り組みましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

NFTアートとは

NFTアートは、NFT(Non Fungible Token)を活用して所有権や真正性を確立させたデジタルアートのことです。ブロックチェーン技術を用いた非代替性トークンであり、イラストやゲーム、動画などのデジタルアートにおける独自性を証明し、希少性を保証できます。
 
近年、NFTアートはアーティストやコレクターの間で高い人気を誇り、市場も拡大しています。
 

NFTアートが注目されている理由

NFTアートが注目を集めている主な理由は、以下のとおりです。
 
・コピーや改ざんが不可能で唯一性が保証される
 
これまでデジタルアートは、簡単にコピーや改ざんされてきました。しかし、ブロックチェーン技術を活用したNFTでは、コピーや改ざんができません。
 
・著作権がクリエイターに帰属する
 
NFTアートがコレクターに購入された場合でも、著作権はクリエイターに帰属します。
 
・世界中の人と取引できる
 
NFTはERC721の規格で発行され、ERC721に準じたマーケットプレイスで手軽に取引が可能です。
 
・二次流通時、クリエイターに収益の一部が還元される
 
NFTアートでは、二次流通時にクリエイターに収益の一部が還元される仕組みを導入することもできます。
 
また、NFTアートは経年劣化がなく希少性や独自性が保証されているため、投資対象としても適しており、多くの人から注目を集めています。
 

NFTアートを販売して得た利益には税金がかかる

NFTアートを制作して販売する場合、得た利益には税金がかかります。どのような税金がどれくらいかかるのかを理解しておくことで、キャッシュフローを把握しやすくなり、具体的な収支計画を立てることができます。また、確定申告などもスムーズに進められるでしょう。
 
NFTアートの販売を検討しているクリエイターは、以下で紹介する所得の区分や税率について理解しておくことが重要です。
 

利益は雑所得に区分される

NFTアートで得た利益は、雑所得に分類されます。雑所得とは、給与所得や利子所得など、他の所得に分類されない所得のことです。
 
雑所得の金額は、「NFTの売却収入-NFTに係る必要経費」で計算されます。NFTアートの売却収入は、インターネット上の取引市場で流通するトークンで受け取った場合、そのトークンの時価で計算されます。
 
また、雑所得は、総合課税(他の所得と合算した金額に課税される)の対象で、所得税率は5〜45%です。
 
なお、NFTアートの取引で生計を立てている場合は、雑所得ではなく事業所得に分類される可能性があります。
 

所得税の計算例

所得税の計算方法は、「課税所得額×税率-控除」です。所得税率は、図表1のようになります。
 
【図表1】

課税所得額 税率 控除額
1000~194万9000円 5% 0円
195万~329万9000円 10% 9万7500円
330万~694万9000円 20% 42万7500円
695万~899万9000円 23% 63万6000円
900万~1799万9000円 33% 153万6000円
1800万~3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
 
例えば、NFTアートの販売で利益を得て課税所得額が50万円の場合、所得税は2万5000円(50万円×5%)となります。
 
また、所得税のほかにも住民税の所得割が10%課税されるため、NFTアートの販売にかかる税金は所得税と住民税(所得割)を合算した7万5000円となります。
 
※控除や他の所得を考慮していないため、実際の金額と異なる場合があります。
 

NFTアートの税金についてシミュレーションしておこう

NFTアートの取引で利益を得た場合、雑所得(または事業所得)として分類され、所得税や住民税がかかります。販売後もクリエイターの著作権が守られ、世界中の人と手軽に取引できるため、今後さらに市場が拡大することが期待されています。
 
NFTアートの取引を検討している場合は、税金のことも考慮し、計画的に取り組むようにしましょう。
 

出典

国税庁 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係
国税庁 所得税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集