更新日: 2024.03.25 控除

iPhoneを失くして「3万円」もらった…!いったいどういうこと?

iPhoneを失くして「3万円」もらった…!いったいどういうこと?
地震や火事などの災害や、盗難といったことが理由でスマートフォンを紛失すると、雑損控除の対象となるケースがあります。
 
雑損控除は、なんらかの被害にあった結果として支払った金額分が所得から引かれる、所得控除のひとつです。
 
ただし雑損控除は、確定申告が必要だったり、紛失したものによっては対象にならなかったりするケースもゼロではありません。
 
今回は、雑損控除の内容や注意点などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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雑損控除とは

スマートフォンが壊れたり紛失したりした際に、状況によっては「雑損控除」の対象となるケースがあります。
 
雑損控除とは、自分の資産について、災害や盗難、横領などの自分が原因ではない理由で損害を受けた場合に、所得税から一定額の控除を受けられる制度です。
 
雑損控除が認められるものの対象や原因を、表1にまとめました。
 
表1

雑損控除の対象になる資産の要件 原因
条件 ・所有者が納税者、または、所有者が納税者と生計を同じくする配偶者や親族で、申請する年の総所得金額などが48万円以下
・損害を受けた資産が、棚卸資産や事業用固定資産など、または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない
以上のどちらにも該当する
・震災や風水害などの自然現象の異変による災害
・火災や火薬類の爆発などの人為による異常な災害
・害虫などの生物による異常な災害
・盗難
・横領
以上のいずれかに該当する

※国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」を基に筆者作成
 
「生活に通常必要でない資産」とは、趣味目的などで保有しているもの、例えば、別荘や貴金属、絵画など、ひとつの価格が30万円を超えるものなどを指します。
 
また、被害を受けた原因が詐欺や恐喝だったときには、雑損控除の対象にはなりません。
 
スマートフォンは、日常生活で必要としている方が多いため、雑損控除の対象として認められる可能性があります。
 
「スマートフォンを紛失してお金をもらった」というケースでは、この雑損控除により、所得税の還付金が戻ってきたことをいっている可能性が少なくありません。
 
万が一、自分のスマートフォンを災害などで紛失して、控除の対象になるかが判断できない場合は、国税庁や税務署に紛失の状況や被害額を伝えて、対象になるのかどうかを相談しましょう。
 

控除される金額

雑損控除を利用したときは、以下2種類のうち、高いほうの金額が控除されます。

1. (被害を受けた金額+災害等関連支出の金額-被害を受けたことで支払われた保険金などの金額)-(総所得金額など)×10%
 
2. (災害に関係して支払った金額-被害を受けたことで支払われた保険金などの金額)-5万円

「災害等関連支出の金額」とは、災害が原因で損壊した家や家財を取り壊したり除去したり原状回復したり、盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のために支払った金額などのことです。
 

雑損控除を利用する際の注意点

雑損控除は、勤務先に伝えても利用できません。
 
自分で確定申告を行う必要があります。
 
確定申告書に雑損控除に関する必要事項を記入して、災害などに関係して支払った金額が分かる領収書などの証拠を添付して提出しましょう。
 
被害額が大きすぎるため、申請した年の所得控除だけでは控除しきれない場合は、申請した年の翌年から3年以内に繰り越しして、各年の所得金額から控除できます。
 
給料を受け取っている方は、給与所得の源泉徴収票も必須です。
 
申請の際には、忘れずに持って行きましょう。
 

状況によってはスマートフォンの紛失も雑損控除として認められる可能性がある

災害や盗難など、自分が原因ではない理由によってスマートフォンを紛失したケースでは、雑損控除の適用が認められて、控除総額によっては還付金が戻ってくる可能性もあります。
 
雑損控除は、被害額や災害などに関係して支払った金額などに応じて、控除額が変わるため、注意が必要です。
 
また、雑損控除を利用するには、自分で確定申告をする必要があります。
 
雑損控除を利用できるかどうかが分からない場合は、被害額や支払った金額などが分かる書類を持って、税務署などに相談しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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