更新日: 2024.03.28 その他税金
「稼げば稼ぐほど税金で持っていかれる」という知人。本当に損しているのでしょうか?
そこで今回は、所得税について解説します。収入金額ごとに、負担割合がいくらになるのかをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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所得税がかかる年収
所得税とは、会社からもらう給料や個人収入から、すべての所得控除を差し引いた「課税所得」にかかる税金です。給与所得とは、1年間に得た収入から必要経費を除いた金額であり、会社からもらう給与の場合は、収入金額に応じた給与所得控除が差し引かれます。
所得税がかかるのは、年収が103万円を超えたタイミングです。103万円は、給与所得控除額の55万円と、給与所得から差し引かれる所得税の基礎控除額48万円を合わせた金額です。差し引かれる控除額を超えた金額に応じて税率が加算されるため、103万円以下の年収であれば、所得税は発生しません。
所得税を計算する方法
所得税は、1年間の課税所得に所得税率をかけて算出します。課税所得とは、収入からすべての所得控除を差し引いたものです。所得控除には、すべての人に該当する基礎控除給与所得控除のほかにも、医療費控除や配偶者控除などがあります。
基礎控除は合計所得金額により控除額が変動し、合計所得が2400万円以下であれば、48万円が控除されます。
課税所得が分かったところで、税率を乗じて所得税を算出しましょう。税率は、所得金額に応じて7段階に変動する「超過累進税率」を採用しています。国税庁が発表している所得税率は、表1の通りです。
表1
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円〜194万9000円 | 5% | 0円 |
195万円〜329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万円〜694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万〜899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万円〜1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円〜3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
※国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) NO.2260 所得税の税率」を基に著者作成
実際に課税所得が200万円であれば、200万円×10%-9万7500円となり、所得税は10万2500円です。
年収別の所得税額
前述した計算式を基に、単身者を想定して、年収別の所得税額を表2に記載しました。
表2
課税所得 | 所得税 | 課税所得に対する負担率 |
---|---|---|
200万円 | 10万2500円 | 約5.1% |
400万円 | 37万2500円 | 約9.3% |
700万円 | 97万4000円 | 約13.9% |
1000万円 | 176万4000円 | 約17.6% |
4000万円 | 1320万4000円 | 約33.0% |
※筆者作成
表2のように、年収が上がるにつれて、所得税の負担は大きくなります。課税所得が700万円ほどになると、税負担は13%を超えるため、1割以上が税金として引かれてしまいます。
所得税だけで100万円ほどがかかると考えると、負担が大きいと感じる方もいらっしゃるでしょう。ただし表2の数字は、課税所得金額で計算しています。実際の年収ではない点に注意しましょう。
年収が上がるほど税負担は大きくなる
所得税は「超過累進税率」で計算されるため、収入金額が高くなるほど、税負担も大きくなります。どれくらいの年収で税金が高いと感じるかは、人それぞれです。
なるべく税負担を減らしたいのであれば、税率が切り替わるギリギリのラインに所得を調整するなど、工夫することも方法の一つでしょう。
出典
国税庁
所得税のしくみ
タックスアンサー(よくある税の質問) No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
タックスアンサー(よくある税の質問) No.2260 所得税の税率
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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