更新日: 2024.07.08 確定申告

昨年のパートの収入が「103万円」を超えた!ふと気になったのですが、もしかして確定申告が必要でしょうか?

昨年のパートの収入が「103万円」を超えた!ふと気になったのですが、もしかして確定申告が必要でしょうか?
パートで働いていると、収入が所得税の発生する103万円を超えるケースがあります。もし103万円を超えると、働いている状況によっては確定申告が必要なケースもあるため、確認が必要です。
 
確定申告を忘れると、追加で税金が必要になる可能性もあるため、注意しましょう。今回は、収入が103万円を超えた場合に確定申告が必要なケースや、確定申告が遅れた場合の対処法などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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パートで確定申告が必要な金額はいくらから?

確定申告が必要な金額は、パートやアルバイトのみで生計を立てているのか、会社勤めの方が副業として働いているのかで異なります。
 
それぞれの違いを見ていきましょう。
 

パートやアルバイトのみで生計を立てている方の場合

パートやアルバイトのみで生計を立てている場合は、基本的には雇い主側が年末調整をしてくれるため、確定申告は必要ありません。ただし、掛け持ちをしている場合、年末調整はメインの勤務先でしか行われないため、確定申告が必要でしょう。
 
確定申告をする際の103万円の基準は、所得税の基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計額です。パートとして働いている仕事がフードデリバリーやクラウドソーシングといった出来高制なら、給与を受け取っているわけではないため給与所得控除がなくなり、48万円超が確定申告をする基準額になります。
 
なお、主婦や主夫の方でパートやアルバイトをしている場合も、基本的に確定申告が必要な条件は同じです。
 

副業の場合

会社から給与を受け取っている方が副業として働いている場合、確定申告が必要な基準額は所得が20万円超です。国税庁でも、確定申告が必要な条件のひとつに「1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」が挙げられています。
 
ただし、会社勤めの方が副業としてパートやアルバイトで働き、給与を2ヶ所以上から受け取る形になる場合は所得ではなく「収入」20万円が基準です。国税庁によると、すべての給与が源泉徴収されているケースにおいて年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、確定申告が必要とされています。所得は収入から必要経費を引いた金額です。
 
なお、給与の収入金額の合計額から、各所得控除(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外)の合計額を引いた金額が150万円以下、かつ、給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、確定申告の必要はありません。
 

確定申告を忘れていたらどうすればよい?

もし確定申告が必要にもかかわらず忘れていたときは、気付いた時点で申請をしましょう。確定申告の申請期間は毎年2月16日~3月15日ですが、国税庁でも申請忘れに気付いた段階でなるべく早く期限後申告を行うように案内しています。
 
期限後申告を行うと、本来の納税額のほかに、「無申告加算税」の納付が必要です。国税庁によると、無申告加算税は、法定申告期限が令和5年分以降の場合は本来納付する税金額の50万円までの部分は15%、50万超~300万円までの部分は20%、300万円超の部分は30%をかけて求めます。
 
例えば、所得税110万円の申告を忘れていたとしましょう。50万円までは15%なので7万5000円、残りの60万円は20%なので12万円となり、合計19万5000円の無申告加算税の納付が必要です。また、申告が遅れた期間に応じて延滞税が発生する可能性もあります。延滞税は納付が遅れるほど高くなるため、少しでも追加の税金をおさえるためにもなるべく早い確定申告が必要です。
 

パート先が1ヶ所なら勤務先が年末調整をしてくれる

パート先が1ヶ所であれば、収入が103万円を超えても年末調整をしてもらえるため原則として自分で確定申告をする必要はありません。ただし、年末調整は基本的に1ヶ所が行うため、複数のパートを掛け持ちしていると自分で確定申告をする必要があります。
 
もし確定申告を忘れていると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。確定申告が遅れるほど追加で納付する税金も増えるため、申告期日から遅れたとしてもなるべく早く確定申告をしましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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