年末調整で5万円分の「所得控除」を受けたかったのに、申告し忘れました。 会社に相談したら「12月までなら間に合う」と言われましたが、本当ですか?
配信日: 2024.11.29
年末調整に伴い、所得控除の申告も重要事項といえます。所得控除を申告し忘れると節税が行えず、損をしてしまいます。しかし、慌ただしくなる年末ではなおさら、つい申告し忘れてしまうことも少なくないでしょう。
そこで、本記事では年末調整における所得控除の申告期限について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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所得控除とは
所得控除とは、所得金額から一定額を差し引ける制度のことです。年末調整や確定申告の際に所得控除を利用し、所得金額を下げることで、所得税や住民税などで支払う税金を減らせます。端的にいえば、節税につながる制度です。
所得控除には全部で15種類ありますが、聞きなじみがあるのは医療費控除や扶養控除、基礎控除などでしょう。
所得控除には、以下の種類があります。
●基礎控除
●扶養控除
●医療費控除
●配偶者控除
●配偶者特別控除
●勤労学生控除
●ひとり親控除
●寡婦控除
●障害者控除
●寄附金控除
●地震保険料控除
●生命保険料控除
●小規模企業共済等掛金控除
●社会保険料控除
●雑損控除
なお、適用できる控除や控除金額は、納税者の生活状況により異なります。なぜなら、配偶者控除や扶養控除などに関わる家族構成、保険の加入状況や医療費の支払金額なども人それぞれだからです。
15種類の所得控除のうち、大半の納税者に適用されるのは基礎控除です。ただし、基礎控除の控除額も納税者の合計所得金額によって異なります。
合計所得金額が2400万円以下の場合は最大額の48万円が控除されますが、合計所得金額が2500万円を超えている場合には基礎控除を受けられません。
つまり、納税者全員が基礎控除を受けられるわけではありませんが、合計所得金額が2500万円を超えるのはごく一部でしょう。
年末調整における申告期限
年末調整において、税額の計算や税務署への必要書類の提出などは会社側が行います。ただし、年末調整の内容によっては従業員側が会社に対して必要書類を提出しなければなりません。各種控除に関わる従業員の生活状況や家族構成について、会社側は把握していないからです。
年末調整は根本的に会社が行うものであるため、従業員側に公的な申告期限はありません。ただし、年末調整に必要な支払調書の提出期限は1月31日となっているため、会社はこの日までに年末調整を完了させられるように逆算して準備を行います。
会社側が、従業員に対する必要書類の提出期限を1月31日にするのはスケジュール的にも考えにくいため、それより前の日付を設定するでしょう。これはあくまで、会社側が独自に従業員に対して期限を決めるものです。
つまり、会社側から「12月までなら間に合う」とされているのであれば、その期限内にできるだけ早く必要書類を提出しましょう。
所得控除の申告を忘れた場合
所得控除の申告を忘れた場合は、2月16日から3月15日の間に確定申告をする必要があります。
確定申告とは、1年間の所得やそれに対する所得税などを計算して国に申告する手続きのことです。自分が納めるべき納税額を計算するもので、大まかにいえば年末調整と同じ目的があります。
なお、所得控除の中でも医療費控除のように、確定申告をしなければ受けられない控除もあります。つまり、年末調整では控除が適用されないのです。
医療費控除は全員が利用する所得控除ではないものの、適用される方は少なくないでしょう。年間の医療費が10万円を超えた場合に利用できるため、その可能性は十分にあります。
会社次第では12月まで申告可能
年末調整は会社が行うものであり、支払調書を税務署に提出する最終期限は1月31日です。会社はこの日付から逆算して提出期限を設定しつつ、従業員へ所得控除などに関わる必要書類の提出を促します。つまり、従業員に対する会社への必要書類の提出期限は会社によって異なります。
支払調書の提出期限を考慮しても、会社側から「12月までなら間に合う」というアナウンスがあるなら、提出に問題はないでしょう。ただし、できるだけ早めに提出することをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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