ボーナスから「10万円以上」源泉徴収されていました…金額が多く損した気分なのですが、さすがに高すぎではありませんか?
配信日: 2024.12.28
ボーナスから引かれる金額の決まり方を知らないと、いつもより多く引かれていると感じるケースもあるでしょう。今回は、ボーナスにかかる源泉徴収額の求め方や、ボーナスが50万円のときの源泉徴収額などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
ボーナスに対する源泉徴収額の求め方
ボーナスにかかる所得税の源泉徴収額は以下の手順で求められます。
1:先月の月収から社会保険料などを引く
2:「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の甲欄を確認し、1で計算した金額が含まれる行と「賞与の金額に乗ずべき率」の欄で交差するところに記載している税率を算出する
3:ボーナスから社会保険料を引いた金額×手順2で求めた税率で所得税額が分かる
住民税は、前年度の所得を基に当年度の支払い分が決まっているため、ボーナスからは引かれません。先月の月収の10倍を超える金額のボーナスを受け取ったときは、計算方法が変わります。計算に使用する「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」は、国税庁のホームページから確認が可能です。
ボーナスが50万円だったときの徴収額はいくら?
今回は、以下の条件でボーナスが50万円支給されたときの所得税の源泉徴収額を求めましょう。
・先月の月収は40万円
・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(以下算出率の表)は令和6年分を使用
・40代男性東京都在住
・単身世帯扶養なし
・健康保険料(介護保険料含む)や厚生年金保険料は「全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)」の保険料率を基に算出
・標準報酬月額は上記の表を使用し41万円
・雇用保険料率は0.6%
まず、先月の月収が40万円だったときの社会保険料は以下の通りです。
・健康保険料:2万3739円
・厚生年金保険料:3万7515円
・雇用保険料:2400円
・社会保険料合計:6万3654円
月収から社会保険料を引いた33万6346円を算出率の表に照らし合わせると、税率は10.210%です。
また、賞与が50万円のときの社会保険料は以下のようになります。
・健康保険料:2万8950円
・厚生年金保険料:4万5750円
・雇用保険料:3000円
・社会保険料合計:7万7700円
ボーナス額から社会保険料を引くと42万2300円なので、税率10.210%をかけた約5万1098円が源泉徴収される所得税額です。社会保険料額と合計すると、ボーナスから12万8798円が引かれています。
ただし、扶養している親族がいたり月収が異なったりすると、同じ金額のボーナスでも手取り額が変動する点は留意しておきましょう。
年末調整や確定申告で一部戻ってくる可能性も
会社勤めの方は、基本的に会社側が年末調整をしてくれるため、自分で税務署への申告は必要ありません。しかし、年末調整前に退職をした場合は、自分で確定申告をする必要があります。年末調整や確定申告の結果、源泉徴収額が本来の税額より多ければ、余剰分を還付してもらえるでしょう。
ボーナスは前の月の給料とボーナス額などを基に引かれる金額が決まるため人によっては普段より多く感じる
ボーナスを受け取ったときは、月収とは別に社会保険料や所得税の計算がなされます。計算は前月の給料やボーナス額のほか、扶養人数なども基に計算されるため、同じボーナス額でも人によって手取りが変わる可能性もあるでしょう。
また、ボーナスを月収よりも多い金額で受け取ったときは、その分健康保険料や税額も高くなります。そのため、手取りが少なく感じるケースもあるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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