更新日: 2020.12.14 ふるさと納税

世帯年収1000万の家庭がふるさと納税をしたら、節税効果はどれくらい?

世帯年収1000万の家庭がふるさと納税をしたら、節税効果はどれくらい?
サラリーマンの「節税手段」として、ふるさと納税が話題になることがあります。
 
しかし、本当にふるさと納税は節税として正しいのでしょうか。世帯年収1000万円の家庭を例に解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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まずはふるさと納税の仕組みから

ふるさと納税とは、任意の市区町村へ寄付を行うことで、その寄付金から2000円を除いた分が住民税と所得税から控除されるというものです。その上、寄付をした自治体から地域の特産品などを返礼品として受け取ることができます。
 
つまり、ふるさと納税とは本来支払う所得税や住民税を任意の自治体に寄付として先払いし、お礼の品も受け取れるというお得な制度なのです。
 
ただし、必ずしも寄付した全額が控除されるとは限りません。ふるさと納税には1年ごとに計算され、収入などを基に算出された上限が設定されています。その範囲を超えてふるさと納税をしても返礼品こそ受け取れるものの、所得税や住民税からの控除は頭打ちになります。
 

世帯年収1000万円の家庭がふるさと納税をした場合の節税効果は?

世帯年収1000万円の家庭がいくらふるさと納税をしようと、節税と呼べるほど大きな効果は望めません。どちらかといえば節約という方が近いでしょう。なぜなら、先に述べたようにふるさと納税はあくまでも本来支払う住民税や所得税を任意の自治体に寄付し、寄付の範囲内で所得税や住民税が安くなるというものです。
 
寄付金額に応じて返礼品を受け取れるというものの、iDeCoや生命保険料などとは異なり、税金の計算上、所得が少なくなって支払う税金の総額を減らせるわけではないからです。
 

2000円でお得に特産品などを受け取れるのがふるさと納税

ふるさと納税は節税対策というより、税金の先払いと2000円の自己負担で、さまざまな地域の特産品などを楽しめる制度と認識するべきです。
 
ふるさと納税自体は直接的な節税とはなり得ませんが、誰でも利用できるお得な制度です。ふるさと納税によって受け取れる返礼品を嗜好品ではなく、毎日の生活で使う消耗品や食品を選ぶことで支出を減らすことはできます。
 

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世帯年収1000万円の家庭はいくらまでふるさと納税ができる?

ふるさと納税は、利用する方の収入によって有効に使える上限額が決まっています。そのため、世帯年収1000万円といっても、世帯員それぞれのふるさと納税の上限額も変わります。また、同じ収入であっても扶養している親族の数や支払った保険料、医療費など所得から控除される金額によって、ふるさと納税の上限額に違いが出ます。
 
最近ではふるさと納税の申し込みサイトや自治体が、収入額ごとの目安表や個別の状況を反映できるシミュレーターを公開していることもあります。ただし、それらはあくまで目安のため、シミュレーターなどの結果どおりに上限ギリギリまでふるさと納税をすると上限額を超えてしまう可能性もあるので注意してください。
 

ふるさと納税の上限額を正確に知りたいときはどうすればいい?

ふるさと納税によって所得税や住民税から控除される金額の上限を正確に知りたいという場合は、お住まいの市区町村役場に問い合わせてみてください。個別の事情を加味した具体的な計算方法と金額について相談できる場合があります。
 

ふるさと納税は賢く行って家計の支出を減らしましょう

ふるさと納税は、寄付した金額を上限に本来支払う所得税や住民税の一部が控除されるというもので、いわゆる多くの人が期待する節税対策とは少々異なります。
 
ただ、寄付金額に応じて返礼品を受け取ることができるため、それによって支出を減らす「節約」に該当することは事実です。制度の詳細や上限額については、総務省のホームページで確認したり、お住まいの市区町村の窓口までお問い合わせください。
 
出典 総務省 ふるさと納税のしくみ
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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