更新日: 2021.02.12 ふるさと納税

ふるさと納税を確定申告すると、所得税と住民税にどのように反映されるの?

ふるさと納税を確定申告すると、所得税と住民税にどのように反映されるの?
確定申告の時期がやってきました。ふるさと納税を確定申告した場合、どのように税額が控除されるのか整理しました。
仁木康尋

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

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ふるさと納税

ふるさと納税の魅力のひとつは返礼品。高額返礼品などで話題になった自治体もありました。そしてもうひとつは減税および税額控除です。ふるさと納税は寄付金のひとつですので、寄付金控除が適用されます。
 
一般的に自治体に寄付をした場合には、確定申告により、その寄付金額の一部が所得税と住民税から控除されるのですが、ふるさと納税では寄付額のうち2000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除されます(上限はあります)。
 
ふるさと納税は、返礼品+減税という2つのメリットを受け取れるハイブリッドな制度なのです。
 

確定申告による控除額の計算の方法

では、実際にどのように税額が控除(または減額)されるのか説明いたします。
 

 

<1>所得税から控除(所得税が減額)される部分(図1の(A))

所得税の場合は「所得控除」です。所得控除で所得額を減らします。これにより、所得税の計算のもととなる課税所得額を少なくしますので、結果として所得税の減額を行っています。
 
■減額される税額
[その年中に支払ったふるさと納税額-2000円]×所得税率  
(注)控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です
 
■効果の時期
確定申告により還付を受けることになります。
 

<2>住民税から控除される部分

住民税の場合は【税額控除】です。「基本の部分」と「特例の部分」とで構成されています。
 
■控除される税額
(ア)基本の控除(図1(B))
[その年中に支払ったふるさと納税額-2000円]×10% 
(注)控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限
 
(イ)特例の控除(図1(C))
[その年中に支払ったふるさと納税額-2000円]×(100%-10%-所得税率)
(注)特例分が住民税所得割額の20%が上限
 
■効果の時期
(ア)(イ)の合計が、ふるさと納税をした年の翌年度分の住民税から控除されます。
 
このようにして、その年中に支払ったふるさと納税額のうち2000円を超える部分について所得税と住民税のそれぞれから控除し、全額が控除される仕組みになっています。
 

ワンストップ特例の場合の税額控除

確定申告の不要な給与所得者等がふるさと納税を行う場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる方法があります。「ふるさと納税ワンストップ特例制度」というものです。
 
ふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出している方が対象ですが、確定申告に慣れていない方にとっては手続きも簡単です。
 
ふるさと納税ワンストップ特例制度を選択した場合には、所得税からの控除はなく、すべてがふるさと納税を行った翌年度分の住民税からの控除となります。
 

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まとめ

実際に所得税が減額されているのか? 住民税は安くなったのか? 確認をする方法について最後に触れておきます。
 
所得税は確定申告をした際にふるさと納税分に相当する還付額が[ ふるさと納税額-2000円 ]×所得税率になっているか計算することで確認ができます。
 
住民税の場合は、6月に手元に届く住民税の通知書で確認できます。通知書の摘要欄に「寄付控除:****円」と記載されていますのでその金額をチェックしましょう。実際に確認をしてみると控除を受けていることが実感できると思います。
 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント
 

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