2017.11.23暮らし

知らねば損 「おくすり手帳」の活用法

Text : 福島佳奈美

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病院で診察してもらった後、よく薬局で「おくすり手帳はお持ちですか?」と聞かれますが、手帳の有無で支払う医療費が変わるのをご存じでしょうか? 今回は、意外と知られていない「おくすり手帳」の活用方法についてお伝えします。

医療費は膨張し続けている

 
厚生労働省の「平成27年度国民医療費の概況」によると、2015年度の国民医療費の総額は42兆3644億円、前年度に比べて3.8%の増加となりました。毎年膨張を続ける医療費ですが、中でも薬局調剤医療費は7兆9,831億円と医療費の18.8%を占め、前年度比9.6%の増加となっています。政府も薬価引き下げなどで医療費削減の対策をしようとしています。
 
日本では健康保険制度があるので、就学前の医療費は2割、小学校入学以降70歳未満は3割の自己負担ですみます。
 
また、「高額療養費制度」があり、医療費の自己負担額が一定額を超えるとそれ以上は自己負担がなくなるので、それほど医療費の負担を感じないかもしれません。ですが、このまま医療費が膨張し続けると健康保険制度も維持が難しくなります。私たち一人一人が医療費を減らす努力をしなければなりません。
 

おくすり手帳で医療費が節約できる?

 
医療費の節約と言われても、病気になったら病院に行かないわけにはいきませんので、難しいと思っていませんか?ですが、ちょっと気をつけるだけで、医療費も節約することが出来ます。私たちが薬局で薬をもらう際、「薬学管理料」という報酬を支払っていて、日本全国、どこの薬局に行っても基準は同じです。
 
「薬学管理料」は、初めての薬局や「おくすり手帳」を持参していない患者の場合は500円、同じ薬局に原則6ヶ月以内に手帳を持参した患者の場合は380円と決まっており、自己負担割合に応じた医療費を支払っています。3割負担の方ですと、それぞれの1回あたりの自己負担は40円の違いとなります。
 
『たった40円なんてどうでもいい』と思うかもしれませんが、病院の周囲にいくつか薬局があるケースは意外と多いものです。
 
例えば風邪で何度も病院に行く場合、その度に薬局を変えていると無駄なお金を払っているということになりますので、ちょっと知っておくと良い知識ではないでしょうか。同じ薬局に6ヶ月以内に行った場合でも「おくすり手帳」を持って行かないと自己負担は増えますので、注意しましょう。
 
この「おくすり手帳」ですが、単にもらった薬を記録するだけでなく、もっと活用していけば、さらに医療費を節約できます。
 

診察時も「おくすり手帳」を使う

 
薬代を減らすには後発薬の「ジェネリック医薬品」選ぶのも一つの方法ですが、意外と多いのが、薬の「飲み残し」です。まだ前にもらった薬が残っているのに、同じ薬をもらって無駄にしていることも医療費膨張の一因です。きちんと医師に飲み残しがあることを伝えて薬の量を調節してもらいましょう。
 
また、複数の病気があり、病院を掛け持ちしている場合は、似たような効能の薬を重複して処方されているのに気づかず、薬で体調を壊すこともあるので注意が必要です。その場合も、医師の診察を受ける際に「おくすり手帳」を提示すれば、重複を避けることが出来ます。薬の重複を避ければ、医療費の節約にもつながりますね。よく病院に行く人は特に、「おくすり手帳」を活用することをおすすめいたします。
 
Text/福島佳奈美(ふくしま・かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー
ふくしまライフプランニングオフィス 代表
http://kakeifp.com/

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福島佳奈美

Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー、ふくしまライフプランニングオフィス代表

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFP®)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、活動を行っている。女性のためのライフプランニングを得意とする独立系FP。 http://kakeifp.com/