資産運用に飛び道具はない!

配信日: 2020.07.03

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資産運用に飛び道具はない!
ファイナンシャルプランナーとして、資産形成の必要性を話す機会が多くありますが、運用と聞くと怖いものと思われている方も多くおられます。
 
特に経済が悪化し運用商品がマイナスとなると不安に思われる方がおられますが、資産形成の基本をしっかりと知っていただき、失敗しない資産形成を行っていただけるヒントになればと思います。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

https://moneysmith.biz

経済は良くなったり悪くなったり

資産運用に興味を持たれる方の多くは、景気が好調なときに株でもうかったという話をテレビで見たり、周りの知り合いの方が投資でもうかったという話を聞いたからではないでしょうか。
 
しかし、経済は良くなったり悪くなったりしていくものです。ですので、好景気のときに資産運用を始めた方は比較的早い時期に景気悪化に直面する可能性が高いともいえます。
 
そんなときに、それまである程度の運用益が出ていた方も評価損(換金をしていないので保有資産の中で損失となる)となり、運用が失敗したと考え、資産運用を止める方もおられます。
 
しかし、これが大きな間違いで、社会全体の景気が悪くなったときには投資資産も減少するのは当然のことなのです。

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景気が悪くなったときこそしっかり継続

投資を始める方にお勧めするのは毎月積立です。専門的にはドル・コスト平均法といい、価格の変動がある商品を購入するときに有効だといわれる投資手法になります。日本語では定時定額購入といい、一定期間ごとに一定額で購入していくことで購入単価の平均が取れるといわれています。
 
ただ、このドル・コスト平均法も万全ではなく、期間が短ければ損失が出る可能性がありますので、長期で運用をすることを前提にドル・コスト平均法を活用されることをお勧めします。
 
特に若い世代の方が老後資金の準備を考えるときや、お子さまが生まれたご家族の教育資金の準備を考えるときなどに、この手法を取り入れた資産形成は有効だと考えます。

長期運用だからこそ有効

ドル・コスト平均法は期間が短ければ損失を出す可能性がありますが、長期の運用の場合は、景気が良くなったときも悪くなったときも機械的に購入していくことでメリットが出てくるといえます。
 
景気が良くなっているときには、資産価値も増えていき、成功しているように見えますが、いったん景気が悪くなったときには、資産価値も減少してしまいます。
 
しかしドル・コスト平均法をとっていれば、低価格で金融商品を買い足すことで口数を増やしていくことになり、その後景気が回復してきたときには単価が上がることで、全体の評価額が上がり、資産が増えるのです。
 
ただ、やはり資産が大きくマイナスになると不安なものです。運用を始めるときに目標の時期をある程度決めておく必要があります。そう考えると老後資金の準備や教育資金の準備など、ある程度の期間がとれる資産形成の目的には合っているといえます。
 
短期的に増やそうと思うのであれば余裕資金で運用を行い、目的のある運用は長期で保有することを目指しましょう

長期で資産形成を考える方が増えている?!

投資信託協会が発表している2020年4月の投資信託概況では、国内の公募投資信託の設定額から解約や償還額を差し引いた純資産の増減額が5兆4889億円増となっています。
 
特に株式投資信託の購入は増えているようです。最近では、長期運用の考え方が浸透してきたのか、景気が低迷して株式市場が下落しているときにも購入されている方が増えているように感じます。
 
景気が低迷しているときには、先が見えないという不安はありますが、国は経済を回復させようといろいろな景気刺激策を打ち出します。景気が悪化することも運用を始めるときにしっかりと納得しておくことで、目標の時期にしっかりとした運用結果が出せるようになるのです。

まとめ

ファイナンシャルプランナーが資産運用の必要性を伝える理由は、貨幣価値の変化を意識したファイナンシャル・プランニングが必要で、インフレ以上の利回りが無ければ実質の損失になるという視点でキャッシュフローを考えるからです。
 
今回のテーマでお伝えした長期運用を前提とした資産形成を行う際には、経済は好景気と不景気を繰り返すということを考えて、目標の時期に向けた資産形成を始めましょう。
 
参考 一般社団法人投資信託協会 投資信託全体 投資信託概況(4月中)
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー


 

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