「親が施設に入って、誰も住まない実家」が残りました…このまま空き家にしておくのはもったいない? それとも“思い出の家”として残すべき?
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目次
親がいなくなった家に、ぽつんと残された「空き家の現実」
親が施設に入るという出来事は、それ自体が大きな人生の転機ですが、同時に「実家が空き家になる」という、もう一つの現実が押し寄せてくることもあるでしょう。何十年も親が暮らしていた家に誰も住まなくなりそうな時、多くの人がまず感じるのは「なんとなく手をつけにくい」「まだ親が生きているのに家のことを決めてしまっていいのか」といった感情的な迷いです。しかし現実的には、空き家は放置すればするほど状態が悪くなり、手遅れになる可能性もあります。遠方に住んでいる場合はなおさら管理が難しく、「気にはなっているけど、何もできない」という状態が長引いてしまいがちです。
空き家の放置が招く「静かな負担」
家が空き家になると、「住んでいないから何も問題はないだろう」と思いがちですが、実は放置している間にも目に見えないコストとリスクが積み重なっています。
時間がたつにつれて家の老朽化は進み、湿気やカビ、害虫、雑草の繁殖などが起こります。定期的な換気や掃除がされない状態が続けば、数年で人が住めない状態になることもあります。また、見た目が荒れてくることで地域の景観にも影響を及ぼし、近隣住民からの苦情やクレームにつながるケースも少なくありません。
さらに、誰も住んでいない家にも固定資産税や都市計画税は発生し続けます。管理せず放置してしまえば、「特定空き家」に指定され、税金の軽減が外れる可能性も。つまり、「何もしていない状態」こそが、最も家にも自分にも負担を与えてしまいかねないのです。
手放す? 活用する? 残す? 迷ったときの判断軸
実家をどうするか悩んだとき、まず考えたいのは「自分の生活スタイルに合っているか」という視点です。例えば現在の住まいが実家から遠く、頻繁に行き来するのが難しい場合は、管理や維持が現実的ではありません。また、将来的に自分や子どもが住む予定がないなら、「残しておく理由」が徐々に薄れていく可能性もあります。
逆に、「家の状態が比較的良い」「立地的に価値がある」「思い入れが強く、手放せない」といった要素がある場合は、すぐに売却や解体を決断せず、賃貸や一時滞在用の家、リフォームによる再活用など、柔軟な選択肢を探ってもよいでしょう。
重要なのは、「持ち続けるなら責任を持って管理できるか」「使わないなら誰かに活用してもらうか」のいずれかを、今後のライフプランに沿って選ぶことです。
“思い出”は家だけではなく、形を変えて残すこともできる
「家を売ることは、親との思い出を手放すことではない」といった考え方を持てるかどうかが、感情の整理において大きなカギとなります。長年の思い出が詰まった実家を手放すのは確かに勇気がいりますが、その思い出は写真や映像、家具の一部、記録として残すことも可能です。
家そのものを保存しなくても、そこにあった時間や感情を大切にする方法はたくさんあります。例えば、家の外観や内装を撮影してアルバムにする、親の生活空間を記録する、家の一部を素材として再利用するなど、小さな形で記憶を未来に受け継ぐことができます。
思い出を守りたい気持ちと、現実的な判断は両立できるものです。家という「物理的なもの」にすべてを背負わせず、思い出は“心の中”や“別の形”で残すという選択も、立派な継承のひとつです。
まとめ
誰も住まなくなった実家を前にしたとき、多くの人が「寂しい」「どうしていいか分からない」と感じます。それは当然のことです。しかし、感情にふたをせず、かといって現実からも目をそらさずに、一つひとつ選択肢を整理していくことが、後悔のない判断への第一歩です。
空き家を放置することは、感情にも家計にも、そして地域にも静かに負担をかけていきます。今の自分の状況、家族構成、将来の生活スタイルを踏まえて、「この家にとって、自分にとって、一番穏やかな形は何か」を考えてみましょう。
“手放す=忘れる”ではありません。むしろ、「どう残すか」を考えられる人こそ、家と親への敬意を最後まで大切にしているのではないでしょうか。