新卒から「毎月2万円×25年」会社の“持株会”で運用→「残高980万円」で現金化のため引き出そうとしたら「現金では出せません。株のままです」と言われショック! いったいナゼ? 引かれる税金も確認

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新卒から「毎月2万円×25年」会社の“持株会”で運用→「残高980万円」で現金化のため引き出そうとしたら「現金では出せません。株のままです」と言われショック! いったいナゼ? 引かれる税金も確認
会社の持株会を、新入社員のときから続けているという人もいるのではないでしょうか。
 
入社以降、給与から毎月2万円を天引きされ持株会で25年間運用し、定年を前に残高を見たら980万円になっていて、まとまったお金にしようと引き出しを申し込んだところ、「現金では出せません。株のままです」と言われて戸惑うケースがあります。持株会は自社の株を買って持ち続けるための仕組みで、預金のように払い戻す窓口ではないためです。
 
本記事では、持株会で運用していた980万円分の株を現金に換えるまでの手順と、そこで引かれる税金を確認します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

持株会のお金は、なぜ現金で戻ってこないのか

日本証券業協会の「持株制度に関するガイドライン」では、従業員持株会が取得した株式は理事長名義とし、会員を共同委託者、理事長を受託者とする管理信託財産として保管すると定めています。
 
つまり、会員が自分名義の株を持っているわけではなく、持株会がまとめて預かっている株式のうち、拠出額に応じた持ち分を持っている状態です。持株会に「980万円を現金で」と申し出ても、そこから現金が出る仕組みにはなっていません。
 
一方、同ガイドラインは、会員の持ち分が売買単位(100株)に達して本人の申し出があった場合には、事務を委託している金融商品取引業者を通じて会員名義への書き換えを行うと定めています。株を自分名義に移してから売る、という順番になるわけです。
 

980万円を現金にするには、4つの手続きが必要

持株会の残高を現金にするまでの流れは、以下のとおりです。

・自分名義の証券口座を開く(多くは持株会の事務を委託している証券会社)
・持株会に引き出し、または退会を申し出る
・売買単位に達した持ち分が自分名義に書き換えられる
・自分の口座で売却の注文を出し、代金を受け取る

売買単位に満たない端数の持ち分は、退会のときに3つの方法から選べます。時価で売って現金で精算する方法、追加でお金を出して売買単位にそろえたうえで引き出す方法、株式累積投資口座へ移す方法です。
 
なお、持株会から株式を引き出した時点では課税されません。税金がかかるのは、自分の口座で売ったときです。
 

980万円分の株を売ると、税金はいくら引かれるか

上場株式を売った利益には、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%を合わせた20.315%がかかります。利益は、売った金額から取得費などを差し引いて計算します。
 
ここでの取得費は、25年間に拠出したお金と、会社が上乗せした奨励金の合計です。奨励金の割合は会社ごとに決められているため、ここでは拠出額の5%として計算します。
 
これらの数字をもとに、持株会から取得した980万円分の株を売った場合の税額と、手元に残る金額を計算してみましょう。

・拠出の合計:2万円×12ヶ月×25年=600万円
・奨励金:600万円×5%=30万円
・取得費の合計:600万円+30万円=630万円
・もうけ:980万円-630万円=350万円
・税金:350万円×20.315%=71万1025円
・手元に残る額:980万円-71万1025円=908万8975円

なお、奨励金は受け取った年に給与として課税されているため、そのお金で買った株の分も取得費に入ります。取得費が分からないまま売ると税金を多く払うことになりかねないので、持株会が出す取得価額の記録は必ず受け取っておきましょう。
 

まとめ

持株会の残高が示しているのは現金ではなく、株式の持ち分です。
 
現金にするには、自分名義の口座へ移してから売る手続きが要ります。今回のケースでは980万円分の株を売った場合、71万1025円が税金として引かれる計算です。手元に残るのは908万8975円になります。ただし、株価は日々動くため、実際の金額は売った日の値段で決まる点に注意が必要です。
 
売買単位に満たない端数の持ち分の扱いや必要な書類は、持株会の規約で決まっています。引き出しや退会を申し出る前に規約を読み、いくらで株を買ってきたのかが分かる記録をそろえておくとよいでしょう。
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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