【キオクシア株】10月の株式分割で「1株5万円台→約1万7000円」に!? 同僚は「株式分割で必ず上がる」と“100万円買い増す”とのこと…もう「半値になるのはこりごり」ですが、本当に上がるんでしょうか?
キオクシアホールディングス(285A)は、2026年10月1日を効力発生日として、1株を3株に分割します。
キオクシア株は9月25日現在5万円台半ばですが、仮に5万円で株式分割となれば、単純計算で1株あたり約1万7000円程度になります。単元未満株なら1株から購入できるため、これまで5万~7万円では買いづらかった人にも投資しやすくなるかもしれません。
同僚は「株式分割で浮動株比率も変わるから絶対上がる」「キオクシア株に賭ける」と、平均取得単価約6万円で90株を保有し含み損を抱えながらも、さらに20株、約100万円分を買い増しています。
株式分割で本当に株価は上がるのでしょうか。「絶対に上がる」と思っているときこそ注意したいポイントを解説します。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種
キオクシア株が1→3に株式分割
キオクシアは、10月、1株を3株にする株式分割を予定しています。株式分割とは1株を複数の株式に分けることで、例えば分割前の株価が5万円なら、理論上の1株あたりの株価は約1万7000円になります。
ただし、株式分割によって企業そのものの価値が高まるわけではありません。1株5万円を100株(資産価値500万円)保有していた場合、3分割後は300株、1株約1万7000円になりますが、保有株全体の価値は基本的に変わりません。つまり、「株価が下がったから割安になった」とは限らないのです。
株式分割後は株価が上がることがある?
では、なぜ「株式分割をすると株価が上がる」といわれるのでしょうか。理由の1つは、1株あたりの価格が下がることで、新たな個人投資家が参加しやすくなり、売買が活発になると期待されるためです。
野村證券の分析でも、株式分割を発表した企業は発表直後にTOPIXに対して株価が上昇する傾向が確認されています。
ただし、この上昇幅は時間の経過とともに縮小する傾向もあり、「株式分割をすれば必ず上がる」というわけではありません。 つまり、株式分割には株価へのプラス効果が表れることはあるものの、「株式分割をすれば必ず上がる」という意味ではありません。
キオクシア株のリスクは変わらない
特にキオクシア株では、「買いやすくなること」と「値下がりしにくくなること」は分けて考える必要があります。
キオクシア株は、2026年初頭には1万円台でしたが、生成AIデータセンター向け需要を背景に6月末には11万円台まで上昇した後、7月末には3万円台まで下落しました。
短期間で株価が半値近くになるほど、大きく変動したことになります。「もう半値になるのはこりごり」と感じる投資家もいるかもしれません。
株式分割で1株が約1万7000円になったとしても、キオクシアは半導体関連株である以上、需要やセクターローテーションによる資金移動などで、今後も株価が大きく動く可能性は変わりません。購入金額が小さくなっても、値下がりリスクまで小さくなるわけではないのです。
「100万円買い増す」前に確認したいこと
株式分割をきっかけにキオクシア株への投資を検討するなら、「分割するから上がる」という点だけで判断しないことが重要です。
キオクシア株は、10月・11月に浮動株比率の見直しも予定されており、これも株価上昇への期待が高まる材料の1つです。それでも、投資を判断する際には次の点を確認しておきたいところです。
・株式分割によって何が変わり、何が変わらないのか
・業績や成長への期待が株価にどこまで織り込まれているのか
・半導体関連株特有の値動きの大きさを受け入れられるのか
・100万円を1銘柄に投資しても資産全体のリスクが許容範囲に収まるのか
まとめ
「1株約1万7000円なら買いやすい」のは、投資を検討するきっかけになりますが、買いやすさと損のしにくさは別の話です。株式分割は企業価値を高めるイベントではなく、株式を購入しやすくする仕組みの1つにすぎません。
キオクシア株についても、「分割後に株価が上がるか」だけでなく、業績や半導体市場の動向、資産全体に占める投資額まで確認することが大切です。
※株価や株式分割などの情報は執筆時点のものです。最新情報は企業の公式発表などでご確認ください。
執筆者 : 藤田寛子
1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種
