老後資金「500万円」をインデックス投資で運用したい私。夫は「高配当株なら定期的に配当を受け取れる」と言いますが、老後の資産運用にはどちらが向いているのでしょうか?
「老後なら定期的に配当をもらえるほうが安心」と考える人もいるでしょう。しかし、高配当株だから老後向きとは限りません。老後は、中長期的な資産運用を続けながら、計画的に資産を取り崩していくことも選択肢のひとつです。
そこで本記事では、老後資金500万円を運用するケースを例に、インデックス投資と高配当株の違いを解説します。
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インデックス投資と高配当株では老後資金の受け取り方が違う
インデックス投資とは、日経平均株価や米国のS&P500など、特定の指数に連動する成果を目指す投資方法です。多数の企業に投資する投資信託などを利用すれば、1社だけに投資するよりもリスクを分散しやすくなります。
金融庁も、値動きの異なる複数の資産や地域などに分散して投資することで、価格変動をある程度抑えながら安定的な運用を目指せると説明しています。
一方、高配当株投資は、比較的多くの配当を出す企業の株式を保有して、配当収入を得る方法です。株を売却しなくても現金を受け取れるため、年金に配当を上乗せして生活費に充てるといった使い方ができます。
ただし、配当額は保証されていません。業績などによって配当が減る「減配」や、配当がなくなる「無配」になる可能性もあります。そのため、高配当株を選ぶ場合でも複数の企業や業種へ分散することが大切です。
500万円を高配当株で運用しても配当だけで生活するのは難しい
500万円を配当利回り年4%の高配当株で運用すると仮定すると、年間配当は「500万円×4%=20万円」です。1ヶ月当たりでは約1万6700円になります。
ただし、これは税金を考慮しない単純計算です。また、実際の配当利回りは企業や株価によって変わります。
「配当を受け取っていれば元本500万円は減らない」とも限りません。配当が支払われていても、株価が下落すれば保有資産の評価額は減ります。そのため、配当額だけではなく、株価も含めて資産全体の増減を見ることが必要です。
一方、インデックス投資では、必要な金額に応じて投資信託などを売却できます。例えば年間20万円を売却するなら、500万円に対して4%を取り崩す計算です。
ただし、毎年4%取り崩せば必ず資産が長持ちするわけではありません。相場が大きく下落したときに同じ金額を売却すると、資産が想定より早く減る可能性があります。当面の生活費は預貯金で確保するなど、相場が悪いときに無理に売却しなくて済む準備も検討しましょう。
NISAならインデックス投資の利益も高配当株の配当も非課税になる
税金も比較するときの重要なポイントです。通常、上場株式などの配当には、所得税・復興特別所得税と地方税を合わせて20.315%の税金がかかります。例えば、課税口座で年間20万円の配当を受け取る場合、単純計算では約4万600円が税金として差し引かれます。
一方、NISA口座で得た売却益や配当・分配金は非課税です。現在のNISAでは、年間投資枠として「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円設定されており、併用できます。
そのため、インデックス型の投資信託だけでなく、成長投資枠の対象となる高配当株を購入する方法もあります。
ただし、NISAで国内上場株式の配当を非課税で受け取るには、配当金の受取方法に注意が必要です。また、外国株では現地で税金がかかる場合があります。高配当株を検討するときは、表面的な配当利回りだけでなく、税引き後に手元へ残る金額も確認しましょう。
老後資金は「増やす」と「使う」の両方を考えて運用しよう
インデックス投資と高配当株では、老後資金の受け取り方が異なります。幅広く分散しながら運用し、必要な金額を自分で調整して取り崩したい場合はインデックス投資を活用できます。
一方、株を保有しながら定期的な配当収入を得たい場合は、高配当株という選択肢があります。
また、必ずどちらか一方だけを選ぶ必要もありません。例えば、当面必要になるお金を預貯金で確保したうえで、残りを分散された投資信託などで運用する方法も考えられます。
大切なのは「配当が多いから」といった理由だけで500万円の投資先を決めないことです。まず年金収入と生活費の差を確認し、500万円から年間いくら補う必要があるのかを計算しましょう。
そのうえで生活に必要な現金を確保し、自分に合った方法で無理なく運用することが、老後資金を長く活用するためのポイントです。
出典
金融庁 NISA特設ウェブサイト 資産形成の基本
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
