もし“宝くじ1億円”を「三菱UFJ・NTT・トヨタ・三井物産・JT」に分散投資したら…「年間配当400万円」の不労所得!?“日本の高配当株”で手取り額と減配リスクも確認
ただし、税金を引いた手取りは約319万円で、5銘柄だけでは減配の影響も受けやすくなります。
本記事では、手取りの計算と、リスクを抑えて手取りを守る方法を紹介します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
1億円を高配当株5銘柄に分散投資したら、配当の手取りはいくら?
三菱UFJ、NTT、トヨタ自動車、三井物産、JTの5銘柄に2000万円ずつ投資し、配当利回りを仮に平均4%として計算すると、年間の配当は400万円です。
宝くじの当せん金に税金はかかりませんが、そのお金を投資して受け取る配当は別です。上場株式の配当からは、所得税と住民税などを合わせて20.315%が差し引かれるため、税金は81万2600円、手取りは318万7400円になります。1ヶ月あたりに直すと約26万6000円です。
4%という利回りは、株価しだいで変わります。1株あたりの配当が同じなら、株価が高いときに買うほど同じ2000万円で買える株数が減り、受け取る配当は少なくなります。
これが「利回りが下がる」ということです。実際に投資するときは、そのときの株価と配当予想で計算し直しましょう。
「5銘柄の分散投資」に潜む減配と値下がりのリスク
大企業でも配当が減った年がある
配当は預金の利息と違い、支払いが約束されたものではありません。金額は会社の利益をもとに決まることが多く、業績が落ちれば配当が減る「減配」も起こります。
JTは2021年度、配当の方針を「利益の75%程度を配当に回す」形に改め、年間配当を154円から140円に減らしました。この方針では、利益が減るとそのぶん配当も減りやすくなります。
三井物産は、資源価格の下落で2016年3月期に創業以来初めての最終赤字となり、翌期に減配しています。
三菱UFJでも、リーマン・ショックが起きた2009年3月期に減配がありました。
株価が2割下がれば2000万円の目減り
配当を受け取っていても、1億円分の株が2割値下がりすれば2000万円の目減りとなり、配当の手取りの6年分以上が消える計算です。しかも、5銘柄は業種こそ分かれていますが、どれも日本の大企業です。
景気が悪くなったときや、急な円高などで株式市場全体が下がったときには、そろって値下がりすることがあります。
不労所得の手取りを守り、リスクを抑える3つの方法
NISAの成長投資枠で配当を非課税にする
NISAの成長投資枠を使えば、年240万円、生涯で1200万円までの株は配当に税金がかかりません。1200万円を埋めるには5年かかり、1億円の大半は税金がかかる口座に置くことになります。
それでも、1200万円分を利回り4%で持てば、配当48万円にかかるはずだった9万7512円が毎年手元に残る計算です。ただし、配当を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしておかないと、非課税にはなりません。
ほかの所得が少ないなら総合課税も検討する
確定申告で「総合課税」を選ぶと、配当控除という仕組みで税金が減る場合があります。目安は、配当を含めた課税所得が695万円以下です。
ただし、申告すると住民税も同じ方式になるため、国民健康保険料が上がったり、家族の扶養から外れたりすることがあります。差し引きで得になるかを確かめてから選びましょう。
業種や地域を広げて分散投資する
5銘柄に2000万円ずつだと、1社が配当をやめただけで配当全体の2割にあたる80万円がなくなります。銘柄や業種を増やし、国内外の高配当株にまとめて投資できる投資信託やETFも組み合わせれば、1社の減配による影響は小さくなります。
また、1億円をすべて株に回さず、生活費の数年分は預金で持っておくことも大切です。値下がりした株を慌てて売らずに済むからです。
まとめ
1億円を高配当株5銘柄に分けると、利回り4%なら年間配当は400万円ですが、税金を引いた手取りは318万7400円です。大企業でも減配の可能性はあり、株価が2割下がれば2000万円が目減りします。
NISAの成長投資枠で配当を非課税にし、業種や地域を広げて分散投資することで、手取りを守りながらリスクを抑えやすくなります。配当の不労所得を目指すなら、税金と減配への備えから見直してみましょう。
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
