同じ「1000万円を定期預金」でも、退職金なら“通常の5倍”の「金利2.5%」!?「5年間で100万円の利益」と信じてたのに、高金利は3ヶ月だけ、利息も“約5万円だけ”なんて…退職金運用の注意点

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同じ「1000万円を定期預金」でも、退職金なら“通常の5倍”の「金利2.5%」!?「5年間で100万円の利益」と信じてたのに、高金利は3ヶ月だけ、利息も“約5万円だけ”なんて…退職金運用の注意点
定年退職を迎え、まとまった退職金を受け取ると「できるだけ安全に増やしたい」と考える人も多いでしょう。そんなときに目にすることがあるのが、退職者を対象とした特別金利の定期預金です。
 
例えば、某大手銀行の「ご退職者特別プラン」では、3ヶ月の円定期預金について年2.5%という特別金利を提示しています。通常の3ヶ月定期は年0.5%なので、実に5倍です。
 
しかし、この特別金利には確認しておきたい落とし穴が存在します。本記事では、退職金の特別金利の概要と注意点について解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

退職者向け定期預金とは?

退職者向け定期預金とは、退職金を受け取った人などを対象に、通常より高い金利を適用する金融商品です。
 
某大手銀行では、対象者に対し、定期預金コースでは、1000万円以上1億円以下を預ける場合、3ヶ月定期なら年2.5%、3年定期なら年1.4%という、通常よりも金利が高い商品が提供されています。
 

年2.5%なら5年間で約100万円増える?

仮に1000万円を年2.5%で5年間運用できる商品だったとしましょう。単利で単純計算すると、1年間の税引前利息は25万円です。
 
この利息には原則20.315%の税金がかかるため、税引後では年間約19万9000円、5年間なら約99万5000円になります。ただし、今回の年2.5%が「5年間適用される金利ではない」という点に注意が必要です。
 

「年2.5%」でも適用されるのは3ヶ月だけ

某大手銀行の退職者特別プランでは、年2.5%が適用される預入期間は3ヶ月です。年率で表示されているため、実際には預入期間に応じて計算します。同行の計算例で1000万円預けた場合の税引き前利息は次のとおりです。
 
1000万円×2.5%×3ヶ月÷12ヶ月=6万2500円
 
さらにここから税金1万2696円を差し引き、受け取れる利息は概算で4万9804円となります。つまり、1000万円を預けても、3ヶ月後に受け取れる利息は約5万円です。
 

3ヶ月が終わっても年2.5%が続くわけではない

さらに重要なのが、満期後の金利です。某大手銀行は、退職者特別プランの専用金利について当初お預入れ時のみ適用し、継続後は満期時点の店頭表示金利を適用するとしています。
 
つまり、3ヶ月後に定期預金を継続しても、その後も年2.5%で運用できるわけではありません。現在の通常のスーパー定期では、3ヶ月ものが年0.5%、5年ものが年1.0%です。
 
なお、金利は市場環境によって変わるため、実際の継続時にはその時点の金利を確認する必要があります。「年2.5%」という大きな数字だけではなく、「その金利が何ヶ月・何年間適用されるのか」をセットで見ることが重要です。
 

誰でも1000万円あれば利用できるわけではない

退職者向けプランには利用条件もあります。今回の定期預金コースでは、退職日または退職金受取日のどちらか遅い日から3年後の月末までに預け入れできる退職者本人で、預入日現在50歳以上であることなどが条件です。
 
また、利用できるのは3ヶ月または3年の定期預金コースのどちらか1回限りで、対象となるのは新規資金です。退職者であれば無条件で何度でも高金利を利用できるわけではありません。
 

退職金運用のポイント

退職金は老後生活を支える大切なお金です。そのため、「金利が高いから1000万円全てを預けよう」と決めるのではなく、今後の生活費や住宅ローン、リフォーム、医療・介護費なども考えておく必要があります。
 
退職者向け定期預金は、元本を大きな価格変動にさらさず、通常より高い金利で運用できる点が魅力です。一方、特別金利の期間が短い商品では、満期後の運用先を改めて考える必要があります。
 
「年何%か」だけではなく、「どれくらいその金利が続くのか」「満期後はどうなるのか」まで確認することが大切だといえるでしょう。
 

まとめ

退職金に関する特別プランは魅力的ですが、基本的には金利が適用される期間や対象者には条件があります。
 
退職者向け定期預金を利用するときは、「年2.5%」などといった数字だけを見るのではなく、適用期間や満期後の金利、利用条件まで確認したうえで、退職金全体の運用方法を考えることが重要です。
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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