「FXで3000万円溶かした」はナゼ起こる?「上がったら売るだけ」の“単純作業”と過信した夫が、全財産を失うハメに!?「自分だけは勝てる」と思いこむ“心理の罠”と、夫婦の財産の行方

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「FXで3000万円溶かした」はナゼ起こる?「上がったら売るだけ」の“単純作業”と過信した夫が、全財産を失うハメに!?「自分だけは勝てる」と思いこむ“心理の罠”と、夫婦の財産の行方
SNSなどでFXの成功談を見て、「上がったら売るだけなら自分にもできそう」と感じる人もいるでしょう。一方、「FXで3000万円失った」といった話を聞けば、なぜそこまで大きな損失になるのか疑問に思うかもしれません。
 
FXには、少ない資金で大きな金額を取引できる「レバレッジ」という仕組みがあります。しかし、取引額を大きくしすぎたり、損失が出ても取引を続けたりすると、思わぬ大損失につながるおそれがあります。
 
本記事ではFXで利益や損失が生じる仕組み、3000万円を溶かす人が現れる理由などを解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

FXで利益や損失が生じる仕組み

FXで利益を得る主な方法は、為替レートの変動による「為替差益」と、通貨間の金利差などによって生じる「スワップポイント」です。
 
例えば1米ドル=100円で買い、101円で売れば1円分の為替差益が生じます。反対に99円へ下がれば損失です。また、FXは「売り」から取引を始めることもできるため、円高方向でも利益を狙えます。
 
レバレッジとは、預けた証拠金の何倍もの金額を取引できる仕組みです。個人の店頭FXでは、取引額の4%以上の証拠金が必要で、レバレッジは最大25倍です。
 
少ない資金でも大きな利益を狙えるのがメリットで、例えば、100万円の証拠金で2500万円相当を取引した場合、為替レートが1%有利な方向に動けば約25万円の利益が得られます。一方、1%不利な方向に動けば約25万円の損失が生じます。
 
損失が一定水準に達すると取引を強制的に決済する「ロスカット制度」もありますが、相場が急変すると予定した価格で決済できず、証拠金を上回る損失が生じることもあります。
 

「FXで3000万円溶かした」人が現れる理由

大きな損失の原因は一つではありません。高いレバレッジ、過大な取引額、損切りルールの欠如、相場急変などに加え、投資家自身の心理も影響します。
 
代表例が「ディスポジション効果」です。これは、利益が出ている取引は早く決済する一方、損失が出ている取引は「いつか戻る」と長く抱えやすい傾向を指します。
 
小さな利益を積み重ねても、一度の大幅な損失でそれまでの利益を失うことがあり、俗に「コツコツドカン」と呼ばれることもあります。
 
また、自分の判断力を実際以上に高く評価する「自信過剰」も注意したい心理です。取引がうまくいくと資金やレバレッジを増やし、失敗した際の損失まで大きくなる可能性があります。
 
「損失を取り戻したい」とさらに大きな取引を繰り返せば、当初予定していた投資資金だけでなく、生活資金まで失うおそれがあります。
 

夫がFXでお金を失って自己破産。妻の財産はどうなる?

夫が自己破産したからといって、妻が真正に所有する財産まで当然に処分されるわけではありません。
 
民法762条では、婚姻前から持っていた財産や婚姻中に自己名義で得た財産を、それぞれの「特有財産」としています。また、妻が保証人や連帯保証人になっていなければ、原則として夫個人のFX債務を返済する義務もありません。
 
ただし、夫の財産を破産直前に妻名義へ移したような場合は別問題です。また、自宅が夫婦共有なら夫の共有持分が破産手続の対象となり、自宅の処分に影響する可能性があります。
 
FXによる損失についても、「FXをしたら自己破産できない」わけではありません。
 
破産法252条では、賭博その他の射幸行為によって著しく財産を減らしたり、過大な債務を負ったりした場合を免責不許可事由としています。FXの規模や取引経緯によっては該当する可能性があります。
 
もっとも、免責不許可事由があっても、裁判所が破産に至った経緯や手続への協力状況などを考慮して「裁量免責」を認める場合があります。FXで大きな損失を抱えたからといって、直ちに借金が免除されなくなるわけではありません。
 

まとめ

FXは最大25倍のレバレッジを利用できるため、少ない資金で大きな利益を狙える反面、損失も大きくなります。ディスポジション効果や自信過剰などが重なれば、損切りが遅れたり取引額を増やしたりして、損失が拡大する可能性があります。
 
また、夫が自己破産しても妻固有の財産まで当然に失うわけではありません。ただし、保証人になっている場合や共有財産、破産前の財産移転などは別途確認が必要です。
 
FXを始めるなら、利益の大きさよりも「最大でいくら失えるか」を先に考え、生活資金とは分けた余裕資金で取引することが重要でしょう。
 

出典

金融庁 いわゆる外国為替証拠金取引について
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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