会社の先輩が「若い頃から自社株を買い続けているから、退職時には1億円になるかも」と話していました。私も退職まで積み立てれば、老後資金として「億単位」の資産を築けるのでしょうか?

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会社の先輩が「若い頃から自社株を買い続けているから、退職時には1億円になるかも」と話していました。私も退職まで積み立てれば、老後資金として「億単位」の資産を築けるのでしょうか?
会社の先輩から「若い頃から自社株を買い続けているので、退職時には1億円になるかもしれない」と聞いたら、自分も同じように資産を増やせるのか気になるでしょう。
 
自社株を積み立てる「従業員持株会」は、会社から奨励金を受け取れる場合があり、資産形成に役立つ制度です。ただし、積立投資を続ければ必ず1億円になるわけではありません。
 
今回の記事では、従業員持株会の仕組みや積立金額ごとのシミュレーション、老後資金を準備する際の注意点を解説します。
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従業員持株会は奨励金を受け取りながら自社株を積み立てられる

従業員持株会とは、従業員が毎月一定額を出し合い、勤務先の株式を購入する制度です。給与から積立金が天引きされることが多く、少額から資産形成を始められます。
 
大きなメリットは、会社から「奨励金」を受け取れる場合があることです。奨励金とは、従業員の積立金に会社が一定額を上乗せする仕組みです。
 
例えば、奨励金が10%の会社で毎月3万円を積み立てると、会社から3000円が上乗せされ、合計3万3000円分の自社株を購入できます。
 
株式会社日本取引所グループが公表している「2024年度 従業員持株会状況調査結果の概要について」によると、調査対象の3265社のうち96.6%が奨励金を支給していました。また、奨励金の平均支給額は、積立金1000円当たり107.24円でした。
 
一方、加入者1人当たりの平均保有金額は250.3万円で、前年度の282.4万円から減少しています。奨励金があっても、株価の変動によって資産が減る可能性があることを理解しておきましょう。
 

自社株の積立投資で1億円を築くには毎月いくら必要?

自社株の積立投資で1億円を築くことは不可能ではありません。ただし、達成できるかどうかは積立金額や運用期間、株価の値動きによって変わります。
 
例えば、25歳から65歳までの40年間、毎月3万円を積み立てると、自己負担額は合計1440万円になります。奨励金が10%なら、会社からの上乗せ分を含めた投資額は1584万円です。
 
さらに、毎月3万3000円を年率5%で40年間運用できたと仮定すると、最終的な資産額は約5036万円になります。同じ条件で毎月の自己負担額を6万円に増やすと、40年後の資産額は約1億72万円です。
 
ただし、この計算は一定の利回りで運用できると仮定したもので、税金や手数料は考慮していません。実際の株価は変動するため、年率5%で運用できる保証はありません。
 
また、毎月6万円を40年間積み立てるには、自己資金だけで2880万円が必要です。生活費や住宅ローンなども考慮し、無理のない積立金額を設定しましょう。
 

自社株だけで老後資金を準備するのはリスクがある

自社株の積立投資で注意したいのは、資産が勤務先の株式に集中してしまうことです。
 
例えば、勤務先の業績が悪化すると、株価が大幅に下落する可能性があります。同時に、給与や賞与が減ったり、雇用が不安定になったりすることも考えられます。
 
仮に退職直前に自社株の評価額が1億円になっていても、株価が半分になれば5000万円まで減少します。そのため、老後資金のすべてを自社株で準備するのは避けた方がよいでしょう。
 
また、従業員持株会では、株式を自由なタイミングで売却できない場合があります。売却や退職時の手続きについても、事前に勤務先の制度を確認しておくことが大切です。
 

自社株の積立投資は分散投資と組み合わせて活用しよう

従業員持株会は、奨励金を活用しながら資産を増やせる可能性がある制度です。勤務先が大きく成長すれば、自社株の価値が1億円以上になる可能性もあります。
 
ただし、株価が期待どおりに上昇するとは限りません。老後資金を準備する際は、自社株以外の資産にもお金を分けることが大切です。
 
例えば、従業員持株会に毎月1万円、NISAを利用した投資信託の積立に毎月2万円を充てる方法があります。投資信託とは、複数の株式や債券などにまとめて投資できる金融商品です。幅広い企業に投資する投資信託などを組み合わせれば、勤務先1社への資産の集中を抑えられます。
 
まずは勤務先の奨励金制度を確認し、無理のない金額から積立投資を始めてみましょう。自社株だけで1億円を目指すのではなく、分散投資も取り入れながら、着実に老後資金を準備することをおすすめします。
 

出典

株式会社日本取引所グループ 2024年度従業員持株会状況調査結果の概要について 【本年度の調査結果の概要】(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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