“退職金1500万円”を「毎月5万円入るなら年金代わりになる」と毎月分配型投信へ! でも「1年で60万円」受け取ったけど、明細を見ると半分が“自分のお金の払い戻し”で運用は失敗してる!? 注意点を確認

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“退職金1500万円”を「毎月5万円入るなら年金代わりになる」と毎月分配型投信へ! でも「1年で60万円」受け取ったけど、明細を見ると半分が“自分のお金の払い戻し”で運用は失敗してる!? 注意点を確認
退職後の生活費を補うため、定期的に分配金を受け取れる「毎月分配型」の投資信託を利用する人もいるでしょう。しかし、毎月受け取る分配金が、すべて運用によって得られた利益とは限りません。
 
今回のケースでは、退職金1500万円を毎月分配型の投資信託で運用し、年間60万円の分配金を受け取ったものの、その半分が「元本払戻金」だったようです。
 
元本払戻金は、自分が投資した資金の一部が戻ってきたものであり、受取額だけで運用成果を判断することはできません。本記事では、毎月分配型投資信託の仕組みや注意点、運用状況を確認する際のポイントについて解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

毎月分配型の投資信託とは?

毎月分配型投資信託は、原則として毎月決算を行い、投資信託の資産から分配金を支払う商品です。野村アセットマネジメントの2025年調査では、投資信託保有者のうち毎月分配型を保有する割合は60代で25%、70代以上では39%でした。
 
定期的に現金を受け取れる点から、老後資金を取り崩しながら運用したい層にも一定の需要があります。
 
分配金は税務上、「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」に分かれます。普通分配金は投資家にとって利益となる部分で、課税口座では原則20.315%が課税されます。
 
一方、元本払戻金は個別元本の払い戻しに相当するため非課税です。その分、投資家の個別元本も減少します。
 
また、分配金は預金の利息とは異なり、投資信託の資産から支払われます。そのため、分配した金額相当分だけ基準価額が下がる関係にあります。
 

「毎月5万円」に隠された注意点とは?

例えば1500万円を投資し、1年間で60万円の分配金を受け取ったとします。そのうち30万円が元本払戻金なら、その30万円は利益ではなく、自分が投資した資金の一部が戻ってきたものです。
 
ただし、残り30万円が普通分配金だからといって、「1年間の運用利益が30万円だった」とは限りません。投資信託は基準価額も変動するため、
 
「現在の評価額+受取分配金など-買付金額」
 
というトータルリターンで判断する必要があります。高い分配金を支払い続けても、それ以上の運用成果が得られなければ資産残高は減少します。
 
また、普通分配金を受け取るたびに課税される課税口座では、分配せず運用を続ける商品と比べ、複利効果を得にくくなる場合があります。「毎月5万円もらえた」という金額だけで運用が成功していると判断しないことが大切です。
 

毎月分配型を選ぶのはダメ?

毎月分配型そのものが悪い商品というわけではありません。
 
資産を増やすことより、退職後に定期的なキャッシュフローを得ながら資産を取り崩したい人には選択肢になり得ます。元本払戻金についても、計画的に資産を使う目的で理解したうえで受け取るのであれば、一概に問題とはいえません。
 
選ぶ際は分配金額だけでなく、分配金を含めたトータルリターン、基準価額の推移、分配方針、信託報酬などを確認しましょう。
 
別の方法として、分配頻度の低い投資信託を保有し、必要な分だけ定期的に売却する方法もあります。楽天証券では、金額・定率・期間を指定して投資信託を定期売却するサービスを提供しています。
 
なお、2026年10月時点で、毎月分配型の投資信託はNISAの成長投資枠の対象外です。
 

まとめ

毎月分配型投資信託から毎月5万円を受け取っていても、年間60万円全てが利益とは限りません。元本払戻金が含まれていれば、自分が投資したお金を取り崩して受け取っている部分があります。
 
一方、老後資産を計画的に取り崩す目的なら、毎月分配型が選択肢になる場合もあります。
 
親が保有している場合は、分配金額だけを見るのではなく、普通分配金と元本払戻金の内訳、基準価額、トータルリターンを一緒に確認し、定期売却などほかの方法とも比較してみましょう。
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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