「インド株に月3万円で10年後600万円超」と信じてたのに…“成長率10%超”でオルカンより高くても急落のリスクも高い!? いっそ「手堅く分散」すべきだったのか―注意が必要なポイント
しかし、オルカンを上回るリターンが期待される一方で、新興国ならではのリスクや運用コストを見落としてしまうと、相場が大きく下落した際に後悔することになりかねません。
本記事では、インド株投資の魅力的な成長性と、初心者が押さえておきたいリスク、そして資産を守るための分散投資の考え方を解説します。
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インド株に高い成長が期待される背景
インド株が注目を集める理由の1つは、経済成長のポテンシャルにあります。
インドは、中国を抜いて世界最多の人口を抱える国となり、豊富な労働力と内需の拡大を背景に、インド経済は今後も高い成長率を維持すると予測されているためです。
こうした成長への期待から、インド株のリターンを年率10%以上と見積もる投資家もいます。例えば、毎月3万円の積立投資を10年間続けた場合、年率10%で複利運用できたと仮定すると、10年後の評価額は投資元本360万円に対して「約600万円」にもなります。
ただし、経済成長率が高いからといって、株価や投資信託のリターンも同じように高くなるとは限りません。
オルカンより高い「手数料・信託報酬」の壁
インド株ファンドに投資する際、初心者が見落としがちなのが、運用コスト、すなわち「信託報酬」などの手数料です。
オルカンなど低コストのインデックスファンドには、信託報酬が年率0.1%を下回る商品もあります。一方、インド株ファンドは、商品によって異なるものの、信託報酬が年率0.4~0.5%程度のインデックスファンドもあり、さらに高いコストが設定された商品もあります。
インドのような新興国市場では、現地での情報収集や株式の売買、資産の保管だけでなく、現地のキャピタルゲイン課税(売却益にかかる税金)などもコストがかかるため、ファンドの運用管理費用として反映されるのです。
信託報酬は、保有している間、継続的に運用資産から差し引かれるため、投資期間が10年、20年と長くなるほど、コストの差が運用成果に影響します。例えば、100万円を保有した場合、信託報酬が年率0.1%なら年間の負担は単純計算で約1000円、年率0.5%なら約5000円です。
インド株の高い成長性に期待する場合でも、表面上のリターンだけで判断せず、購入前に信託報酬などの手数料を確認しておきましょう。
新興国特有の「値動きの激しさ」と為替リスク
信託報酬に加えて警戒したいのが、新興国市場ならではのボラティリティ(値動きの激しさ)と、地政学的・経済的なリスクです。
インドは、経済成長が著しい一方で、インフレや政治情勢の変化、規制や法制度の変更など、投資判断に影響する要因を多く抱えています。また、海外投資家の資金流入・流出や世界的な金融市場の動向によって、株価が大きく変動することもあるでしょう。
さらに、為替リスクも見逃せません。為替ヘッジを行わないインド株ファンドでは、ルピーなど現地通貨の値動きも円換算した運用成果に影響します。例えば、インドの株価が上昇していても、円に対してルピーが大きく下落すれば、日本円に換算した資産価値が目減りします。
こうしたリスクを考えると、インド経済の成長だけを信じて、資産の大部分をインド株に集中させるのは慎重に考えたいところです。
初心者は「サテライト枠」での手堅い分散が有力
インド株の成長の恩恵を取り入れながら、値下がりによるダメージを抑える選択肢の1つが、「コア・サテライト戦略」と呼ばれる分散投資です。
資産の大部分(コア=核)は、オルカンなど幅広い国や地域に分散投資できる低コストのファンドを中心に構成します。これにより、特定の国だけに投資する場合に比べて、投資先を分散できます。
そのうえで、資産の一部(サテライト=衛星)を、インド株ファンドに振り分けます。インド株の割合を抑えておけば、仮にインド市場で大幅な下落が起きても、資産全体に与える影響をある程度限定できるでしょう。
一方、インド経済が期待どおりに成長し、株価も上昇すれば、資産全体のリターンを押し上げる効果が期待できます。まずは少額から投資を始め、自分が値動きに耐えられるかを確かめながら、配分を調整するのも、長期投資を続けるための現実的な方法です。
成長への期待とリスクを正しく天秤にかける
インド株への投資は、今後の世界経済を牽引する国の成長を取り込み、少額の積立でも将来的に大きな資産を築ける可能性がある、魅力的な選択肢です。
しかし、高い成長への期待の裏には、オルカンなどの低コストファンドと比べて信託報酬が高い商品があることや、新興国特有の値動きの激しさ、為替リスクなど、初心者が注意したい点もあります。
高い成長率だけを信じて資金を一極集中させるのではなく、全世界株式などを資産形成の中心に据えながら、インド株を資産の一部に取り入れる方法も検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
