【キオクシア株】急落で「今100株買えば3倍の400万狙える!」と息巻く夫。生活防衛費250万から「136万円」突っ込んで“NISA枠を使い切る”のは無謀? 残金114万円で迎える「破綻のシナリオ」

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【キオクシア株】急落で「今100株買えば3倍の400万狙える!」と息巻く夫。生活防衛費250万から「136万円」突っ込んで“NISA枠を使い切る”のは無謀? 残金114万円で迎える「破綻のシナリオ」
「一時11万円を超えたキオクシア株が下がっている、今が買いどきなのでは?」「NISAの成長投資枠が残っているなら、使い切ったほうがお得なのでは?」と考える人もいるでしょう。
 
株価が下落したタイミングで安く購入できれば、その後、株価が上昇した場合、大きな利益を得られる可能性があります。しかし、さらに下落する可能性もあります。
 
NISAの成長投資枠が140万円残っているAさんに対し、夫は「今がチャンス。キオクシア株が3倍になれば400万円超えも狙える」と、生活防衛資金250万円から136万円を取り崩して100株購入することを提案しました。
 
購入後に残る現金は約114万円、もし100万円を超える急な出費が発生したら、場合によっては毎月の収入からもまかなう必要があります。また、急な出費がなくても、株価がさらに下落したときに、現金の保有が少ない状態で、含み損を抱えたまま保有を続けられるでしょうか。
 
本記事では、キオクシア株の購入資金に生活防衛資金を取り崩すリスクと、NISAの成長投資枠を使い切る必要性について考えます。
藤田寛子

1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種

キオクシア株は今が買いどき? 3倍になれば400万円超えも?

夫がキオクシア株に注目するのは、株式分割前の2026年6月22日に11万2700円の高値をつけたことがあり、株価が下落している今購入し、再び大きく上昇すれば、大きな値上がり益を狙えると考えているからです。
 
仮に100株を136万円で購入し、株価が3倍になれば、評価額は408万円になります。夫にとっては、約136万円の投資で約272万円という大きな利益を得られるかもしれないという考えがあり、今がチャンスと見ているのかもしれません。
 
しかし、株価が3倍になる保証はありません。購入後にさらに下落する可能性もあります。
 
個別株、特に半導体関連銘柄は、企業の業績や市場環境、投資家の期待などによって株価が大きく変動します。特定の銘柄にまとまった資金をあてる場合、値下がりしたときの影響も大きくなります。
 
136万円で購入したキオクシア株が30%下落すれば、評価額は約95万円となり、含み損は約41万円です。40%下落すれば評価額は約82万円、含み損は約54万円になります。
 

NISAの非課税限度額は使い切るべき?

NISAの成長投資枠が140万円残っていると、「せっかくの非課税枠だから使い切らなければ」と考えるかもしれません。
 
しかし、非課税投資枠を使い切ることと、利益を得られることは分けて考える必要があります。
 
NISAはあくまで投資で得た利益に対する税金が非課税になる制度であり、投資した金額が保証されるわけではありません。購入した株や投資信託が値下がりすれば、NISA口座でも損失が発生します。
 
NISAの非課税メリットを優先するあまり、急な出費に備える現金を減らしてしまうのは、慎重に考えたいところです。
 

生活防衛資金が約110万円に減っても大丈夫?

今回のように、生活防衛資金250万円から136万円を取り崩してキオクシア株を購入すると、手元に残る現金は114万円です。
 
もし100万円を超える急な出費が発生した場合、残った現金だけでは対応が難しくなる可能性があります。病気やけがによる医療費、住宅の修繕費、家電の買い替え、家族の介護費用などの急な支出は、いつ発生するか分かりません。
 
急な出費がなかったとしても、生活防衛資金が約110万円しかない状態で、キオクシア株が下落し含み損が大きくなった場合、「これ以上下がったらどうしよう」「現金が足りなくなるのでは」と不安になり、株価が回復する前に狼狽売りしてしまう可能性もあります。
 
株価が下がっても、生活資金に十分な余裕があれば、売却して現金をつくる必要がないため、慌てて売却せずに保有を続けることが可能です。
 
投資においては、購入する銘柄やタイミングだけでなく、株価が下落したときにも冷静に判断できる資金的・心理的な余裕を持つことが重要になります。
 

まとめ

キオクシア株が今後大きく上昇する可能性はありますが、反対に、さらに下落する可能性もあります。株価の先行きが分からない以上、3倍になることを期待して生活防衛資金を取り崩すのは慎重に判断したいところです。
 
NISAの非課税限度額を毎年使い切ることを中心に考えるのではなく、急な支出に対応できる現金を確保しながら資産形成を進めることが、継続のポイントとなりそうです。
 
キオクシア株を購入するのであれば、株価がさらに下落しても生活に支障がなく、含み損が拡大しても慌てて売却せずに済む範囲の余裕資金で検討する必要があるでしょう。
 
「今が買いどき」という期待だけで判断せず、もし株価がさらに下がったらどうするのか、下落に耐えられる状況かといったリスク許容度を購入前に考えておくことが大切です。
 
執筆者 : 藤田寛子
1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種

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