30~40代女性の出産・育児とキャリアの両立を考える

配信日: 2020.11.26

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30~40代女性の出産・育児とキャリアの両立を考える
30~40代というと、男性であれ女性であれ、仕事や社会での自分の立ち位置がわかってきて、一番脂の乗った時期です。同時に女性にとっては出産を決断する最終段階。
 
大抵のことは挽回できますが、出産だけは時期を逸してしまうと難しくなりますから、後ろ髪をひかれつつ出産するという方も多いと思います。出産すれば育児はもれなく責任としてついてきますが、自分のキャリア形成との折り合いをどうつければいいか、これは永遠の課題かもしれません。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

柔軟な働き方を活用する

2018年からの働き方改革もしかり、それ以前からも少子高齢化対策として柔軟な働き方が認められるようになりました。
 
加えて2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴いリモートワーク、在宅、副業などが一気に広がったことは、キャリア形成と育児の両立に悩む女性にとっては大きな支援材料です。せっかく社会が変わってきたのですから、その波に乗らない手はありません。
 
場所を選ばずにできる仕事が増えたのですから、積極的に情報収集をして新しい働き方に慣れていきましょう。
 
当然、成果主義になりますから、子どもの体調変化によって仕事のペースが乱れることがあっても、それを理由に締め切りに間に合わなかったということは、理由として認められなくなっています。仮に認められたとしても、信用を失うことは覚悟しなければなりません。
 
それでも、かつてのように「挑戦する場がなかった」時代から「挑戦はできる」時代になったのですから、キャリアも育児もどちらもあきらめたくなければやってみる意義はあるでしょう。
 
グラフをご覧いただくと、日本と韓国がいまだ、はっきりしたM字カーブ(30歳代から40歳で就労しなくなる傾向が顕著になる)を描いています。このMのくぼんだところをなくす土壌は整ってきているといえるでしょう。


 

ひとりで抱え込まず、支援の選択肢を確保しておく

ただし、そこで重要なのは、何もかも「完璧に、自分ひとりでやってしまおう」と考えないことです。育児もキャリア形成も超長距離マラソンですから、ゆっくりでも「走りを止めないこと」が大事です。そのためには、支援の選択肢をできるだけ多く確保しておきましょう。
 
例えば、数時間だけ子どもを預かってもらう、あるいは見てもらうというサービスなどを探してみましょう。
 
SNSやインターネットで検索するのもいいでしょうし、地域行政サービスでアドバイスをもらうのもいいと思います。常態的に利用するとなると、手続きなどで気後れするでしょうが、スポット的に利用するのであれば民間サービスでもいいと思います。
 

常に、現役であれば、いつでもアクセル全開にシフト可能

繰り返しになりますが、キャリア形成は長距離マラソンです。「今は育児に専念する」という感じで、いったん社会から離れてしまうと、現在は業務で使うデバイスやアプリケーションの更新頻度は加速度的に上がっていますから、復帰するハードルはとても高くなりますし、仮に復帰できてもリセットされた状態で始めることになります。
 
育児に専念とはいっても、子育てに定年はありません。極端なことをいうと、中学高校生になっても、大学生になっても、子育てから解放されることはなくむしろもっと時間を取られる可能性もあります。
 
減速したり、在宅メインにしたり、副業と本業をスイッチさせたり、いろいろな働き方のアレンジができる時代になったのですから、情報収集を常に意識して自分に過度にストレスが集中しないようにしながら、柔軟な働き方によってキャリア形成を継続させましょう。
 
子育ての中で、不意に自分の自由な時間がかなり長く取れる時ができます。こまごまと時短でも仕事を続けていれば、自由な時間がとれた時にアクセル全開にギアチェンジができます。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者


 

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