執筆者: FINANCIAL FIELD編集部
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このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
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このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
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主に手術を行うイメージが強い「外科医」ですが、その業務内容は多岐にわたります。
また、一般外科以外のさまざまな専門分野を追求することもできる外科医は、転職やキャリアチェンジを考えるにおいても、さまざまな選択肢があります。
ただ、その一方で外科医として第一線で働き続ける医師も、いつかは手術の第一線を退くことやその後のキャリアパスを考える必要があります。
この記事では、外科医師の仕事内容や年収、外科医として考えられるキャリアプラン、転職やキャリアチェンジを成功させるポイントなどについて解説します。
外科医は、一般外科のほか、脳神経外科、心臓血管外科、消化器外科など、いくつかの専門分野に分かれていますが、ここでは、外科医師に共通する仕事内容や働き方について解説します。
外科医の仕事は、診察・検査、手術や処置、学術的業務など多岐にわたり、外来対応や回診業務を担います。
手術の方法を決める際は、手術の概要からその手術が適している状態であるか、手術中や手術後に起こる可能性のある合併症や死亡のリスク、手術以外の治療の選択肢などについて、患者本人と家族に説明し、理解・納得してもらう必要があります(インフォームドコンセント)。
手術までの準備段階においても、身体状態や栄養管理を徹底し、万全の状態で手術に臨めるようにすることが求められます。
手術では、患者の身体にメスを入れて、患部を取り除いたり、外傷部位を修復するほか、内視鏡を用いた検査を行うこともあります。
手術が終わっても術後の管理が大切です。身体の回復具合や皮膚の治癒状況などの経過観察を行い、合併症などの兆候を見逃さないようにしなければなりません。
朝、出勤とともに、夜間に担当する患者に異変等がなかったかを確認するため電子カルテをチェックします。
8時になると回診が行われ、その後、スタッフたちと患者ごとの治療方針をどうするかについて相談の時間を持ちます。内科医と連携が必要であれば、内科医も交えて相談するなど、細かな病棟業務もこなします。
10時頃には、看護師や麻酔科医の準備や使用する機械や道具の準備を整え、午前中の手術に入ります。1時間程度で終わる小さな手術から8時間を超える大手術までさまざまあります。
午後に昼食をとったあと、担当する患者さんの術後管理などの病棟業務をこなし、夕方になると、感染症や呼吸器についてなどのカンファレンスの場が持たれます。
18時頃に、病棟の患者さんの状態を確認するための巡回業務を行います。何もなければ19時頃に帰宅しますが、救急搬送されてきた患者さんへの対応や緊急手術が入ることもあります。
このような忙しいスケジュールのなかでも、外部の症例検討会や研修会に参加して、技術や知識のブラッシュアップを行い、そのほかにも、若手医師の教育や病歴要約の作成、学会発表、論文執筆などさまざまな仕事をこなします。
図表1は、週当たりの勤務時間が長い上位5つを並べたものです。
臨床研修医を含めた全20診療科のうち、最も勤務時間が長いのが外科、次いで脳神経外科となっています。
図表1
※厚生労働省 医師の勤務実態についてを基に作成
外科の労働時間が長くなる原因はいくつか考えられます。
外科医は患者さんの容体の急変に合わせて休日・夜間にも手術や処置が入り、手術室に何時間もこもることもあります。脳関係や膵臓がんなどの手術では10時間以上に及ぶことがあります。
術後も糖尿病など併存疾患を有する患者は、合併症になるリスクもあるため、入院期間も長期した場合、その対応が求められます。
また、外科はオンコール対応を求められることがほかの診療科より多い傾向にあります。当直勤務についても、入院患者を受け入れている病院に勤務している場合、避けられません。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2012年の調査によると、外科医の平均収入は、1374.2万円となっており、すべての診療科目の平均年収1261.1万円と比べて100万円以上高い水準です。
診療科別の平均年収でみても、最も平均年収の高い脳神経外科(年収1480.3万円)をはじめ、上位5つに、外科(1374.2万円)、整形外科(1289.9万円)が入るなど外科系医師の平均年収は高くなっています(図表2)。
図表2
※独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の就労実態と意識に関する調査を基に作成
また、外科医の半数以上が年収1500万円以上を占め、2000万円を超える医師も1割程度います(図表3)。
図表3
※独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の就労実態と意識に関する調査を基に作成
ここでは、外科医として考えられるキャリア形成について解説します。
特に、体力的に負担の大きい傾向にある心臓血管外科や脳神経外科などの医師は、40代中盤と比較的早期からセカンドキャリアについて検討する医師が多いようです。
セカンドキャリアとして転職を考える場合、外科医としての実績は、民間病院のニーズに合致することも多く、求人年齢も30~50代と幅広いため選択肢は多くなります。
セカンドキャリアの例として、これまでの専門分野の症例については手術対応し、それ以外の領域では、内科的な対応や病棟管理、あるいは若手の育成・指導に従事するなどです。
専門医資格を維持するためには、最低限の症例数は確保する必要がありますが、いずれ一般内科にシフトしたい、将来的には在宅・訪問診療がやりたい医師の中継的なキャリアにもなります。
ただし、民間病院の初診外来では、各診療科へ適切に振り分けることが要求されるので、専門領域に偏りがある場合には他の診療科について学んでおく必要があります。
ただし、転職活動を考えた場合、民間病院では、臓器別や領域別の外来を設けている施設はあまりなく現実的ではない面もあります。そのため、週に1コマ専門外来を設け、残りの時間は、内科全般を診療するなどの働き方が現実的です。
また、整形外科や脳神経外科は、回復期リハ病棟のリハ医も選択肢の1つです。それまでと同水準の収入を維持することが難しい場合は、非常勤のアルバイトを検討することが必要かもしれません。
転職市場における内科医の求人状況において、年齢制限も幅広い傾向となっており、転科する医師のなかで内科を選ぶ医師は少なくありません。
ただ、無理なくキャリアチェンジをするのであれば、これまで紹介したような、専門領域の診療も担当しつつ一般内科の仕事を担い、経験を積みながら一般内科に移行するのが理想的です。
これまでの外科医の業務のなかで、緩和ケアの必要性を実感していた方や病棟を回る緩和ケアチームで中心になって働いていた方は強みとなります。
ただし、緩和ケア病棟や専門外来のある施設は稀で、緩和ケア医の求人もあまり多くありません。
また、薬物療法に慣れた内科医、神経ブロックができる麻酔科医の間でも緩和ケア医の求人は人気です。
転職時に専門は問われなくても、入居者の健康管理・健康指導を行う内科的な診療技術や急性期とは異なる薬の処方の仕方などを学ぶ必要があります。
そのため、外科医から直接キャリアチェンジを図るより、一般内科などの経験をはさんでからの方が、業務内容的にもスムーズなキャリアチェンジができそうです。
業務の中心である事務処理や介護職やリハビリスタッフの先導・管理役として、マネジメント能力が求められるとともに、それまでとは異なる環境に馴染めるかがポイントとなります。
当直や夜間の呼び出しもなく、精神的、体力的に余裕をもって働くことができ、医師としての最後を全うする環境の1つとして考えやすいでしょう。
転職市場においても、基本的にすべての診療科を対象に募集されており、受け入れ年齢も広くなっています。
在宅医への転身者で、外科医出身の方で意外と多いのは心臓血管外科医です。全身管理を得意とし、床ずれや胃瘻のトラブルへの対応が役立つこともあります。
訪問診療にあたり、内科経験のない医師でも、1ヶ月間程度の実地訓練を積むことで十分対応できるようになれますが、無理なくキャリアチェンジするのであれば、内科医としての経験を積んでからがよいでしょう。
訪問診療では患者本人に加え家族との関係構築が必須となり、訪問看護や介護などとの連携・協働においてコミュニケーション力が必要とされます。週1回程度のオンコール対応が一般的ですが、最近は無しのところも増えています。
これから必要となる地域包括ケアシステムの中で、どのような医師が求められていくのかを考えることも、キャリアプランを立てるヒントになるかもしれません。
将来のキャリアプランを明確に持つことから始めましょう。
外科医師が転職成功させるポイント(2)転職理由や希望条件を明確にする 転職理由や働き方の条件を明確にしておくことが大切です。
※医師転職ドットコム 医局を抜けても手術件数を維持!を基に作成
※医師転職ドットコム 「やりたいこと」と「家族の希望」の狭間でを基に作成
※医師転職ドットコム 親の介護のため、当直なしオンコールなしの病院へを基に作成
※医師転職ドットコム 未経験の私が、最先端の緩和ケア病院に転職できた理由を基に作成
※医師転職ドットコム メスを置いた外科医に、どんな選択肢があるのか…。迷いながらの転職活動を基に作成
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2024年4月から施行される「医師の働き方改革」を踏まえ、手術の標準化を図り、業務負担の偏らない勤務体制になっている、日勤帯の緊急対応は当番制を敷いて対応しているなど、医師の働き方に対する取り組みを積極的に行っている医療機関も人気になりやすいでしょう。
経験年数によって、一定の基準を設けている医療機関もありますが、専門分野での経験や実績、診療領域の幅の広さによっては、好待遇での転職も可能です。
また、当直がある医療機関であれば、当直手当の水準などもしっかりチェックしましょう。
このほか、指導医や内視鏡外科学会技術認定医による指導環境があるといった、キャリアアップの環境が整っている医療機関も人気の条件となりやすいでしょう。
主な仕事が手術である外科医は、専門分野によって違いもありますが、第一線でいつまで働けるか、働くかということを他の診療科目以上に考えなければなりません。
そのため自らのキャリアプランを考え、転職やキャリアチェンジのタイミングに備える意味は大きいと考えられます。
ご紹介したように、外科医の業務は手術以外にも多岐にわたりますし、外科系の専門分野から同領域の内科系の専門分野へのキャリアチェンジも考えられます。
これからの医療業界の動向や医師のニーズをおさえつつ、転職やキャリアチェンジを成功させる参考にして頂ければと思います。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の就労実態と意識に関する調査
医師転職ドットコム 医局を抜けても手術件数を維持!
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
また、一般外科以外のさまざまな専門分野を追求することもできる外科医は、転職やキャリアチェンジを考えるにおいても、さまざまな選択肢があります。
ただ、その一方で外科医として第一線で働き続ける医師も、いつかは手術の第一線を退くことやその後のキャリアパスを考える必要があります。
この記事では、外科医師の仕事内容や年収、外科医として考えられるキャリアプラン、転職やキャリアチェンジを成功させるポイントなどについて解説します。
目次
外科医師の仕事内容
外科医は、薬物治療により身体の内部から治療を行う内科と異なり、主に手術により病気や外傷の治療を行います。外科医は、一般外科のほか、脳神経外科、心臓血管外科、消化器外科など、いくつかの専門分野に分かれていますが、ここでは、外科医師に共通する仕事内容や働き方について解説します。
外科医の仕事は、診察・検査、手術や処置、学術的業務など多岐にわたり、外来対応や回診業務を担います。
外科医の仕事(1)診察・検査
診察では、患者や家族からけがの状況などを聞き取り、X線やCTなどの診断結果から傷病名を診断します。どのような手術が最適なのか、手術に耐えられるかなどを検討し、手術の計画を立てます。手術の方法を決める際は、手術の概要からその手術が適している状態であるか、手術中や手術後に起こる可能性のある合併症や死亡のリスク、手術以外の治療の選択肢などについて、患者本人と家族に説明し、理解・納得してもらう必要があります(インフォームドコンセント)。
手術までの準備段階においても、身体状態や栄養管理を徹底し、万全の状態で手術に臨めるようにすることが求められます。
外科医の仕事(2)手術・術後管理
手術は、患部の洗浄、切開、縫合などの簡易な処置から、複数の医師や看護師と協力して長時間かけて行う大手術まであり、規模によっては1日に複数回を担当することもあります。手術では、患者の身体にメスを入れて、患部を取り除いたり、外傷部位を修復するほか、内視鏡を用いた検査を行うこともあります。
手術が終わっても術後の管理が大切です。身体の回復具合や皮膚の治癒状況などの経過観察を行い、合併症などの兆候を見逃さないようにしなければなりません。
外科医の働き方
一例として、手術がある日の外科医の働き方を紹介します。朝、出勤とともに、夜間に担当する患者に異変等がなかったかを確認するため電子カルテをチェックします。
8時になると回診が行われ、その後、スタッフたちと患者ごとの治療方針をどうするかについて相談の時間を持ちます。内科医と連携が必要であれば、内科医も交えて相談するなど、細かな病棟業務もこなします。
10時頃には、看護師や麻酔科医の準備や使用する機械や道具の準備を整え、午前中の手術に入ります。1時間程度で終わる小さな手術から8時間を超える大手術までさまざまあります。
午後に昼食をとったあと、担当する患者さんの術後管理などの病棟業務をこなし、夕方になると、感染症や呼吸器についてなどのカンファレンスの場が持たれます。
18時頃に、病棟の患者さんの状態を確認するための巡回業務を行います。何もなければ19時頃に帰宅しますが、救急搬送されてきた患者さんへの対応や緊急手術が入ることもあります。
このような忙しいスケジュールのなかでも、外部の症例検討会や研修会に参加して、技術や知識のブラッシュアップを行い、そのほかにも、若手医師の教育や病歴要約の作成、学会発表、論文執筆などさまざまな仕事をこなします。
外科医の勤務時間
厚生労働省「医師の勤務実態調査」によると、外科医の勤務時間は他の診療科と比べても長い傾向です。図表1は、週当たりの勤務時間が長い上位5つを並べたものです。
臨床研修医を含めた全20診療科のうち、最も勤務時間が長いのが外科、次いで脳神経外科となっています。
図表1
診療科 | 常勤勤務医の週当たり勤務時間 |
---|---|
外科 | 61時間54分 |
脳神経外科 | 61時間52分 |
救急科 | 60時間57分 |
整形外科 | 58時間50分 |
産婦人科 | 58時間47分 |
全診療科平均 | 56時間22分 |
外科の労働時間が長くなる原因はいくつか考えられます。
外科医は患者さんの容体の急変に合わせて休日・夜間にも手術や処置が入り、手術室に何時間もこもることもあります。脳関係や膵臓がんなどの手術では10時間以上に及ぶことがあります。
術後も糖尿病など併存疾患を有する患者は、合併症になるリスクもあるため、入院期間も長期した場合、その対応が求められます。
また、外科はオンコール対応を求められることがほかの診療科より多い傾向にあります。当直勤務についても、入院患者を受け入れている病院に勤務している場合、避けられません。
外科医師の年収
外科医の年収は、他の診療科目と比べても高くなっています。独立行政法人労働政策研究・研修機構の2012年の調査によると、外科医の平均収入は、1374.2万円となっており、すべての診療科目の平均年収1261.1万円と比べて100万円以上高い水準です。
診療科別の平均年収でみても、最も平均年収の高い脳神経外科(年収1480.3万円)をはじめ、上位5つに、外科(1374.2万円)、整形外科(1289.9万円)が入るなど外科系医師の平均年収は高くなっています(図表2)。
図表2
診療科目 | 平均年収 |
---|---|
脳神経外科 | 1480.3万円 |
産科・婦人科 | 1466.3万円 |
外科 | 1374.2万円 |
麻酔科 | 1335.2万円 |
整形外科 | 1289.9万円 |
また、外科医の半数以上が年収1500万円以上を占め、2000万円を超える医師も1割程度います(図表3)。
図表3
外科医の主たる勤務先の年収 | 割合 |
---|---|
300万円未満 | 2.1% |
300~500万円未満 | 2.4% |
500~700万円未満 | 4.7% |
700~1000万円未満 | 11.8% |
1000~1500万円未満 | 27.9%円 |
1500~2000万円未満 | 39.1% |
2000万円以上 | 12.1% |
外科医師として考えられるキャリア形成
長時間の手術や高度な手技が必要とされる外科医ですが、一方で、年を重ねるなかで手術の第一線から退くことも考えなければなりません。ここでは、外科医として考えられるキャリア形成について解説します。
外科医師として考えられるキャリア形成(1)専門領域以外の領域を広げていく
専門科目によっても異なりますが、40代後半になると、外科医として手術の第一線を退き、これまでの体力的にも精神的にもハードな働き方からシフトチェンジを考える医師も出てきます。特に、体力的に負担の大きい傾向にある心臓血管外科や脳神経外科などの医師は、40代中盤と比較的早期からセカンドキャリアについて検討する医師が多いようです。
セカンドキャリアとして転職を考える場合、外科医としての実績は、民間病院のニーズに合致することも多く、求人年齢も30~50代と幅広いため選択肢は多くなります。
セカンドキャリアの例として、これまでの専門分野の症例については手術対応し、それ以外の領域では、内科的な対応や病棟管理、あるいは若手の育成・指導に従事するなどです。
専門医資格を維持するためには、最低限の症例数は確保する必要がありますが、いずれ一般内科にシフトしたい、将来的には在宅・訪問診療がやりたい医師の中継的なキャリアにもなります。
ただし、民間病院の初診外来では、各診療科へ適切に振り分けることが要求されるので、専門領域に偏りがある場合には他の診療科について学んでおく必要があります。
外科医師として考えられるキャリア形成(2)外科医と同領域の内科へのキャリアチェンジ
外科医の仕事は手術だけではありませんので、心臓外科から循環器内科、脳外科から神経内科、消化器外科から消化器内科など、外科と同じ領域の内科診療へシフトするキャリアチェンジも考えられます。ただし、転職活動を考えた場合、民間病院では、臓器別や領域別の外来を設けている施設はあまりなく現実的ではない面もあります。そのため、週に1コマ専門外来を設け、残りの時間は、内科全般を診療するなどの働き方が現実的です。
また、整形外科や脳神経外科は、回復期リハ病棟のリハ医も選択肢の1つです。それまでと同水準の収入を維持することが難しい場合は、非常勤のアルバイトを検討することが必要かもしれません。
外科医師として考えられるキャリア形成(3)一般内科へキャリアチェンジ
内科医は全診療科のなかでも求人数が豊富で、働く医師の平均年齢も高くなっています。転職市場における内科医の求人状況において、年齢制限も幅広い傾向となっており、転科する医師のなかで内科を選ぶ医師は少なくありません。
ただ、無理なくキャリアチェンジをするのであれば、これまで紹介したような、専門領域の診療も担当しつつ一般内科の仕事を担い、経験を積みながら一般内科に移行するのが理想的です。
外科医師として考えられるキャリア形成(4)緩和ケア医への転向
がん診療などに長く携わる医師や早めのキャリアチェンジを考える医師などでは、緩和ケア医への転向を志望する医師もいます。これまでの外科医の業務のなかで、緩和ケアの必要性を実感していた方や病棟を回る緩和ケアチームで中心になって働いていた方は強みとなります。
ただし、緩和ケア病棟や専門外来のある施設は稀で、緩和ケア医の求人もあまり多くありません。
また、薬物療法に慣れた内科医、神経ブロックができる麻酔科医の間でも緩和ケア医の求人は人気です。
外科医師として考えられるキャリア形成(5)介護老人保健施設へのキャリアチェンジ
これまで精神的にも肉体的にハードな勤務環境で働いてきた外科医のキャリアチェンジとして、介護老人保健施設の施設長も考えられます。転職時に専門は問われなくても、入居者の健康管理・健康指導を行う内科的な診療技術や急性期とは異なる薬の処方の仕方などを学ぶ必要があります。
そのため、外科医から直接キャリアチェンジを図るより、一般内科などの経験をはさんでからの方が、業務内容的にもスムーズなキャリアチェンジができそうです。
業務の中心である事務処理や介護職やリハビリスタッフの先導・管理役として、マネジメント能力が求められるとともに、それまでとは異なる環境に馴染めるかがポイントとなります。
当直や夜間の呼び出しもなく、精神的、体力的に余裕をもって働くことができ、医師としての最後を全うする環境の1つとして考えやすいでしょう。
外科医師として考えられるキャリア形成(6)在宅・訪問診療へのキャリアチェンジ
年々、求人の増加傾向にある在宅・訪問診療へのキャリアチェンジも考えられます。転職市場においても、基本的にすべての診療科を対象に募集されており、受け入れ年齢も広くなっています。
在宅医への転身者で、外科医出身の方で意外と多いのは心臓血管外科医です。全身管理を得意とし、床ずれや胃瘻のトラブルへの対応が役立つこともあります。
訪問診療にあたり、内科経験のない医師でも、1ヶ月間程度の実地訓練を積むことで十分対応できるようになれますが、無理なくキャリアチェンジするのであれば、内科医としての経験を積んでからがよいでしょう。
訪問診療では患者本人に加え家族との関係構築が必須となり、訪問看護や介護などとの連携・協働においてコミュニケーション力が必要とされます。週1回程度のオンコール対応が一般的ですが、最近は無しのところも増えています。
外科医師が転職・キャリアチェンジを成功させる3つのポイント
外科医師として考えられるキャリアプランについて解説しましたが、ここでは外科医師が転職、キャリアチェンジを成功させるポイントについて紹介します。外科医師が転職成功させるポイント(1)キャリアプランを明確に持つ
キャリアプランが明確でなければ、転職もキャリアチェンジも失敗する可能性が高くなります。これまでの経験や実績、スキルを踏まえ、これからどうキャリアを積み上げるか、もしくは終わらせるのかをまず考える必要があります。これから必要となる地域包括ケアシステムの中で、どのような医師が求められていくのかを考えることも、キャリアプランを立てるヒントになるかもしれません。
●専門領域にこだわる
●専門領域にこだわりつつ他の領域も広げていく
●他の科目に転科する
●開業する
●地域医療のなかで役割をみつける など
将来のキャリアプランを明確に持つことから始めましょう。
外科医師が転職成功させるポイント(2)転職理由や希望条件を明確にする 転職理由や働き方の条件を明確にしておくことが大切です。
転職やキャリアチェンジの成功を左右するのは、キャリアプランやスキルアップに関するものだけでなく、勤務環境や待遇なども重要です。
●人間関係や職場環境が合わない
●家庭環境やライフスタイルの変化
●ライフワークバランスを改善したい
●給与が不満
●体力的に厳しい
外科医としてのキャリアアップは大切ですが、長く健康的に働き続けるためには、勤務条件や働き方にもこだわる必要があります。
転職理由から譲れない条件や優先順位の高い条件を明確にしたうえで転職活動に臨みましょう。
外科医師が転職成功させるポイント(3)転職エージェントを活用する
外科医から転職、キャリアチェンジする場合、転職エージェントを積極的に活用しましょう。
外科医としての経験や実績は、転職市場においても高く評価される傾向にあります。
ただ、その時々の転職市場のなかで、自分にどれくらいの市場価値があるのかを判断することは簡単ではありません。
希望条件や理想が高すぎる、あるいは逆に低すぎると、転職活動がうまく進まないだけでなく、転職後、後悔してしまう可能性もあります。
この点、さまざまな転職事例に関するデータを持つ転職エージェントをうまく活用することで、自分の客観的な市場価値や自分が求める条件などが明確になりやすいです。
また、転科など大きなキャリアチェンジを伴う場合、担当コンサルタントに相談することもできますし、転職条件としてどのくらいの難易度なのかなど、客観的なアドバイスをもらえるでしょう。
外科医師が転職・キャリアチェンジで収入アップさせる方法
外科医師が転職、キャリアチェンジで収入を上げるには、これからの医療機関に求められる人材であり、スキルを持っていることが必要です。
外科医師が転職で収入アップさせる方法(1)専門領域をより極める
収入アップのために、外科における6つのサブスペシャリティ領域をさらに極めることがあげられます。
●消化器外科
●呼吸器外科
●心臓血管外科
●小児外科
●乳腺
●内分泌外科
これらの専門医を取得することで、転職市場において、市場価値としてより高く評価されやすくなりますので、収入アップにもつながります。
外科医師が転職で収入アップさせる方法(2)地方の医療機関に活躍の場を求める
地方や医師不足の地域では、医療人材の確保と定着を図るため、好待遇の求人が多く見受けられます。また、都市部ほど勤務医同士の競争が激しくなく、キャリアアップしやすい面もあります。
これまでの経験を活かして若手の人材育成をしたり、地域包括ケアシステムの構築に携わることをやりがいとして転職する医師もいます。
地方で勤務する面でも、生活する面でもメリットとデメリットはありますが、家賃などは、都心に比べると安価なため、より高い収入で働きながら生活コストを抑えられる場合もあるでしょう。
外科医師が転職・キャリアチェンジで失敗しないために注意すべきこと
外科医師が転職やキャリアチェンジで失敗しないためには、転職やキャリアチェンジの検討を早めに始めることが大切です。
外科医師が転職で注意すべきこと(1)専門科目によってセカンドキャリアの時期は異なる
外科医として手術の第一線から退くタイミングとして、一般的には40代半ばから50代と言われますが、それも専門科目によって変わります。
脳神経外科や心臓血管外科など精神的にも体力的にも負担が大きい科目は、手術の第一線から退くタイミングが早くなることも考えられ、セカンドキャリアを考え始める時期も早まるかもしれません。
一方で、一般外科をはじめ、消化器外科や整形外科などは、外科のなかでも比較的長く第一線で活躍しやすいため、50歳前後からセカンドキャリアを考え始める医師もいます。
キャリアチェンジを考えるにしても専門科目を踏まえ、できるだけ早めに検討することも必要です。
外科医師が転職で注意すべきこと(2)年齢によって転職市場のニーズは異なる
医師の年齢によって転職市場でのニーズは異なります。
特に、40代は十分な経験、実績を積んでおり、まだ体力も気力も充実している時期ですので、医師が転職するには最も有利な年代といえます。
また、チームで医療を行うことが多い外科の場合、年齢が高くなればなるほど、転職先の人員体制のなかで制約となることもあります。
特に、専門分野にこだわるほど年齢の壁が高くなる傾向がありますので、転職時期やキャリアチェンジについて早めに検討することが大切です。
外科医師の転職・キャリアチェンジ成功事例
外科医師の転職・キャリアチェンジの成功事例を紹介します。
外科医への転職成功事例1:40代男性医師
●人間関係や職場環境が合わない
●家庭環境やライフスタイルの変化
●ライフワークバランスを改善したい
●給与が不満
●体力的に厳しい
●消化器外科
●呼吸器外科
●心臓血管外科
●小児外科
●乳腺
●内分泌外科
転職理由 | 医局人事で県外の病院に派遣される可能性が出てきたため | |
希望条件 | ・できるだけ収入を下げずにすむこと ・一定の手術件数があること | |
転職先が決まるまで | 前職の年俸(2500万円)は県内の相場からするとかなり高いらしく、収入を下げずに転職するというのは難しいという話を聞きました。県内の求人一覧を見せていただき納得しましたが、なるべく年俸は下げたくなかったので、最低でも1800万円以上という条件で医療機関を探してもらうことにしました。 いくつか候補が見つかり面接に進み、最終的に、年俸2300万円を提示してくれた病院に転職を決めました。 この病院には外科の常勤医が既に1名いたのですが、高齢な方で手術件数を減らしていく予定でしたが、病院側としては、なるべく手術件数は維持したい意向があり、私の経歴やスキルを話すと「ぜひ一緒にやっていきたい」と仰ってくれました。 県内の年収の相場を考えてもこれ以上の好条件はないだろうと思い、入職を決めました。 | |
転職前後の収入 | 転職前 | 転職後 |
年収2500万円 | 年収2300万円 | |
成功のポイント | ・地域の年収の相場をしっかり把握できたこと ・病院の理事長と年収交渉してくれたこと ・自分のスキルや経験を的確に伝えてくれたこと |
外科医への転職成功事例2:40代男性医師
転職理由 | ・勤務に1時間半かかり困難を感じていたため ・家族との時間を大切にできる勤務をしたい | |
希望条件 | ・自宅から少しでも近いこと ・可能であれば当直はなし ・しっかりと外科医としてオペに関われること | |
転職先が決まるまで | 具体的に、通勤可能な距離や時間がどれくらいなのかを確定し、その条件を満たす医療機関をピックアップ。そのなかから「少しペースを落とした勤務」ができる医療機関を選んでいきました。 紹介頂いたなかから、腹腔鏡オペに力を入れようとしている病院が、希望より少し通勤距離は長いものの、当直なし勤務が可能でした。外科医としてやりがいを持って働ける病院で、今と比べるとずっと近く、プライベートと仕事内容のバランスがとれると感じ入職を決めました。 | |
転職前後の収入 | 転職前 | 転職後 |
年収1300万円 | 年収1500万円 | |
成功のポイント | ・地域の年収の相場をしっかり把握できたこと ・病院の理事長と年収交渉をしてくれたこと ・自分のスキルや経験を的確に伝えてくれたこと |
外科医への転職成功事例3:30代男性医師
転職理由 | 当直とオンコール対応を含めると、月20回ほど夜間対応を行っていたが、親の介護のため、仕事との両立が難しくなったため | |
希望条件 | ・当直やオンコール対応がないこと ・条件を満たせるなら転科も構わない | |
転職先が決まるまで | 面談で転職理由や希望条件をお話しし、どのような選択肢があるのか伺いました。病院勤務だと当直やオンコール対応があるに違いないと思い込んでいたのですが、当直やオンコール対応が免除されるケースがあると聞いて驚きました。 ほかにも、オンとオフのメリハリをつけられるという理由で精神科への転科を提案してもらいました。 いろいろな医療機関を検討した結果、最終的に形成外科医としての勤務ができる病院に転職を決めました。最も優先していた当直なし、オンコールなしという条件を受け入れてもらえたこと、時間外勤務はほぼなくほとんどの常勤医が定時で帰宅していることが決め手となりました。また、形成外科部長として就任できることも魅力的でした。 | |
転職前後の収入 | 転職前 | 転職後 |
年収1600万円 | 年収1600万円 | |
成功のポイント | ・転科と一層形成外科のスキルを活かす2つの道を提案してくれたおかげで、形成外科医としての勤務をしたいという自分の気持ちに気づけた ・当直やオンコールの免除について代わりに交渉してもらえた |
他診療科目への転職成功事例1:30代男性医師
転職理由 | 父親が病気を患い、数年ごとに転勤を繰り返す医局人事に対応できなくなったため | |
希望条件 | 自宅から通える範囲に小児外科の症例が積める病院がなかったため、小児外科と並んで興味を持っていた緩和ケアへの転科を希望 | |
転職先が決まるまで | 転職する事情をコンサルタントに相談し、未経験でも応募可能な緩和ケアの求人をいくつか紹介してもらいました。 そのなかに全国的に見ても最先端のホスピス医療を行っている病院の求人がありました。ここであれば思う存分、緩和ケアを学ぶことができると感じ、面接を設定してもらいました。 面接では緩和ケアへの転科の動機を細かく聞かれました。「救急対応がなく楽だから」という理由で緩和ケアを志す医師もいるそうで、緩和ケアに対して真剣な思いを持っているか確かめたかったようです。 事前に転科の動機について答えられるようにしておいた方がよいと聞いていたので、うまく熱意を伝えることができ、無事内定を頂くことができました。 | |
転職前後の 専門・収入 | 転職前 | 転職後 |
小児外科・外科 年収1200万円 | 緩和ケア 年収1260万円 | |
成功のポイント | ・未経験の領域への転職で、面接で聞かれることについて相談にのってもらえたこと ・退局の際に引き留めにあったが、上司を説得するコツに関してアドバイスをもらえた |
他診療科目への転職成功事例2:40代男性医師
転職理由 | ・勤めていた病院の経営母体が変わり、院長と経営層との軋轢が予想できたこと ・新しい経営母体の経営方針が自分に合わないと感じたこと ・50歳が近づき外科医としてやっていけるか不安に感じていたこと | |
希望条件 | ・外科系か療養病院 ・もしくは、それ以外で自宅から30分以内かつ年収が現状を維持できる | |
転職先が決まるまで | いろいろな求人を紹介していただき、実際にメスを置く働き方に触れるなかで、内視鏡のスキルを活かしつつ、内科医として働くのが自分には一番合っていると考え応募先を絞り込むことができました。 希望する働き方ができる求人にS病院がありましたが、応募したときには既に他の医師の採用が決まっていました。 別の病院を探してもらい、紹介してもらったのがT病院です。外科から内科へと徐々に勤務内容を移行できるよう、特例で週1日、外勤で手術を行う勤務形態を提案してくれるなど、メスを置くことへの不安に配慮してくれる病院でした。 内定も頂き、T病院に決めようとしていたところ、担当コンサルタントが、「面接だけでも」とS病院にかけあってくれていました。 幸運なことに事務長との面談が叶い、最終的に理事長判断で採用が決定し、当初希望していた病院での勤務を実現することができました。 | |
転職前後の 専門・収入 | 転職前 | 転職後 |
消化器外科 年収1700万円 | 内科 年収1800万円 | |
成功のポイント | ・未経験の領域への転職で、面接で聞かれることについて相談にのってもらえたこと ・退局の際に引き留めにあったが、上司を説得するコツに関してアドバイスをもらえた |
他診療科目への転職成功事例3:40代男性医師
転職理由 | ・薬物療法ではなく精神・心理療法を行ううちに精神科分野への興味が強くなり、精神科のスキルを身に着けたいと考えるようになった ・経営していたクリニックが人手不足になったこと | |
希望条件 | ・精神保健指定医の取得ができること(できれば専門医取得も) ・年収1600万~1800万円 | |
転職先が決まるまで | 九州全域で求人を探してもらいましたが、精神科未経験で1600万~1800万円の求人が見つからず、対象エリアを全国に広げても変わりませんでした。 担当のコンサルタントは、精神科単科の病院ではなく内科やリハビリ科もある医療機関に整形外科医としての経験をアピールしてくれました。 年収面の折り合いがつき面接、無事転職できました | |
転職前後の 専門・収入 | 転職前 | 転職後 |
整形外科 年収1800万円 | 精神科 年収1750万円 | |
成功のポイント | ・未経験であったが整形外科医の経験をアピールしてくれたこと |
外科医師の転職で人気の条件
外科医師が転職するにあたって、求人情報のなかでどういった条件が人気なのでしょうか。外科医師の転職で人気の条件(1)当直・オンコール対応がない
これまで肉体的にもハードな環境で業務をこなしてきた医師にとって、当直やオンコール対応がないことは人気の条件の1つです。 ●時間外のオンコールは当直医が担当する
●体制強化のための募集で病棟管理のみ
2024年4月から施行される「医師の働き方改革」を踏まえ、手術の標準化を図り、業務負担の偏らない勤務体制になっている、日勤帯の緊急対応は当番制を敷いて対応しているなど、医師の働き方に対する取り組みを積極的に行っている医療機関も人気になりやすいでしょう。
外科医師の転職で人気の条件(2)給与水準が高い
他の診療科と比べて平均給与が高い外科医師の転職において、給与水準の高さは人気の条件となります。経験年数によって、一定の基準を設けている医療機関もありますが、専門分野での経験や実績、診療領域の幅の広さによっては、好待遇での転職も可能です。
また、当直がある医療機関であれば、当直手当の水準などもしっかりチェックしましょう。
外科医師の転職で人気の条件(3)症例数が豊富
外科医の場合、キャリアアップや手術の実績を積み上げるうえで、症例数の豊富さが人気求人の条件の1つとなります。 ●臨床研修指定病院で症例が豊富
●地域の2次救急指定病院として幅広い症例が集まる
●「地域がん診療連携拠点病院」の指定も受け、がん診療に重点を置いている
●年間の手術件数が多く、地域基幹病院として緊急手術の割合が高い
このほか、指導医や内視鏡外科学会技術認定医による指導環境があるといった、キャリアアップの環境が整っている医療機関も人気の条件となりやすいでしょう。
外科医師の転職・キャリアチェンジまとめ
外科医師の転職、キャリアチェンジについて解説しました。主な仕事が手術である外科医は、専門分野によって違いもありますが、第一線でいつまで働けるか、働くかということを他の診療科目以上に考えなければなりません。
そのため自らのキャリアプランを考え、転職やキャリアチェンジのタイミングに備える意味は大きいと考えられます。
ご紹介したように、外科医の業務は手術以外にも多岐にわたりますし、外科系の専門分野から同領域の内科系の専門分野へのキャリアチェンジも考えられます。
これからの医療業界の動向や医師のニーズをおさえつつ、転職やキャリアチェンジを成功させる参考にして頂ければと思います。
出典
厚生労働省 医師の勤務実態について独立行政法人 労働政策研究・研修機構 勤務医の就労実態と意識に関する調査
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部